人間繊細度を極めたら"だし"を作るしかない

今年の梅雨はいつになく梅雨らしいですね、と会う人会う人と話をしている。
昔、それこそ最高気温が30度くらいだったときの梅雨みたいだ。
令和も8年目にしてついに季節の扱いに慣れてきたのだろうか、なんて。


いや、でも、梅雨ってこんなに湿度で苦しくなるものだっただろうか。


空気に水分が含まれているのを肌でひしひしと感じている。
服の繊維が水分を吸収していつもしっとりしている。
貴重な晴れを利用して洗濯物を外に干しても、どこか生乾きの匂いがする。
乾かしたはずの髪の毛も湿気でしなしなになるくせに、ボサっと広がってもう扱いきれない。


そしてなによりやる気が出ない。


そもそも燃えるようなやる気なんてものは持ち合わせてはいないけれど、常にじめじめとした湿気と妙な蒸し暑さで灯火のようなやる気にカビが生えてぐったりする時間が増えている。
休みの日だというのに、掃除も洗濯も中途半端にしか片付けられない。
そうすると明らかに生活の質が落ちているのが目に見てわかり、片付けたかったことを片付けられなかったことによる自己嫌悪からますますやる気がなくなる。
趣味も外出も飲食も楽しめなくなれば、負のループのドツボに華麗にダイブだ。



そんなこんなで先月はnoteを書きたいという気持ちはありつつも、行動に移すまで行かず1度の更新となってしまった。
自己嫌悪。
反省。
湿度ひとつでこんなにメンタルがダメージを食うのは、人間繊細度の設定バグだ。
季節コントロールに慣れてきた令和ちゃんには悪いが、去年みたいにはやく梅雨明けしてほしい。




梅雨に負けない人間になるために、せめて食事くらいは立て直そう。
と思うのだが、いかんせん火の前に立つのが面倒臭い。
時間をかけて料理をしたくない。
洗い物も増やしたくない。



なのでキュウリを刻む。
ナスを刻む。
大葉とミョウガも刻む。
ぶんぶんチョッパーがあれば便利かとも思うのだが、包丁を使っていると思考が『無』になるのである程度の面倒臭さは必要なものだと思っている。


いい感じに刻んだ野菜たちをタッパーに移して、そこに納豆昆布を1袋入れる。


力強くかき混ぜて、冷蔵庫で冷やせば「だし」の完成だ。



最近はこの山形の郷土料理である「だし」も知名度が上がってきたらしく、スーパーの漬物コーナーで見ることがある。
冷奴にかけて食べるのがだしの定番かと思う。


味付けはしょうゆでもめんつゆでもいい。
仕上げにショウガチューブをすこししぼって乗せてもいい。
火を使わずに野菜とタンパク質が摂れるので、湿気に負けてやる気の出ない日でもどうにかなる。
だしをごはんに乗せて食べてもいい。
納豆や温泉卵をトッピングして、すこしばかりゴマ油を垂らせばおそらくPFCバランス最強メシの完成だ。



もう少しやる気のある日は、茹でたパスタの上にだしをかけてソースとして使ってもいい。
夏らしい和風パスタになる。
もちろん、うどんでもそばでもいい。
茹でた豚バラ肉を氷でしめて、レタスやトマトなんかも用意して、冷しゃぶサラダのドレッシングとしてだしをたっぷり乗せたらそれ1品で満足なサラダボウルだ。



だしは冷蔵庫で2、3日はもつので1度作れば爆速秒メシにありつける。
納豆昆布のおかげでトロトロ食感なので、食欲がなくても流すように食べられるのがいい。
使っているのも夏野菜なので材料費も良心的だ。
湿気によりやる気の出ないこの梅雨時期はもちろん、今年もきびしい残暑となるであろう夏の終わりまで「だし」は食卓の中心的存在として助けてくれるだろう。




それから。
エアコンの除湿機能は優秀だということを改めて知った2026年、夏。
この快適さを、私は永遠に忘れない。










と、この文章がiPadのなかであたためられて1ヶ月が経った。
梅雨は明けた。
今年から40度以上の日を表す「酷暑日」という言葉もすでに頻繁に耳にしている。
湿気に負けたあとは引き続き猛暑に黒星を重ね、私はクーラーになぐさめられながら人間繊細度のレベルを上げている。


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