ドイツの隠れた名物は、アイスクリーム屋さんにある
「ドイツといえば、ビールとソーセージだよね」
だれかに「今はドイツに住んでいてね…」と話すと、90%以上の確率で、冒頭の言葉を返されます。
そう、ドイツの名物はビールとソーセージ。間違いありません。
ビールもソーセージも、とっても種類が豊富。
わが家は滅多にビールを飲みませんが、ソーセージはほぼ毎日食べています。
しかし、ドイツには色々と隠れた名物があると、私は思っています。
ということで今回は、ドイツの隠れた名物をさがして、ドイツのアイスの世界をのぞいてみようと思います。
今回とりあげるのは、スーパーの冷凍品コーナーではなく、アイスクリーム屋さんですよ。

日本とはちょっと違う、ドイツのアイスクリーム屋さん
日本に住んでいたころ、私のなかでは「アイスクリーム屋さん=サーティワンアイスクリーム(以下、サーティワン)」でした。
私の生まれ育った街では、サーティワンが唯一のアイスクリーム屋さんだったからです。
サーティワンはアメリカ発祥のチェーン店ですが、ドイツのアイスクリーム屋さんは、チェーン店よりも個人経営が主流です。
そして、少なくとも私の行動範囲では、アイスクリーム屋さんを経営している方々のほとんどはイタリア人です。
つまり、ドイツのアイスクリーム屋さんには、ジェラートの国から、本場のジェラートのレシピが持ち込まれています。

また、日本のサーティワンは1年を通して営業していますが、ドイツのアイスクリーム屋さんの多くは、期間限定の営業です。
私の行動範囲では、3月の上旬にオープンして、10月の下旬にクローズするアイスクリーム屋さんが多いです。
営業形態としては、日本のかき氷屋さんに近いのかもしれません。
11月から翌年2月の間、アイスクリーム屋さんの方々が何をされているのかは、謎につつまれています。
残念ながらお店の方とは注文のやり取りをする間柄でしかないので、ご本人に聞けないのですよ…。
ドイツ人の夫は、「お店が休みの間は、イタリアに帰っている人も多いよ」と言っていました。

一度は食べたいこのアイス
ドイツのアイスクリーム屋さんには、コーンやカップのアイスも、もちろん売っています。
わが家の近くにあるアイスクリーム屋さんでは、アイス1玉は2ユーロです。
1ユーロ=185円だとすると、370円。
サーティワンのホームページを見たら、レギュラーシングルが420円だったので、サーティワンよりお安いですね。
コーンやカップのアイスも美味なのですが…
ドイツの隠れた名物だと私が思っているアイスは、こちら。

スパゲッティアイスです。
けっこう高さがあります。
見た目は、こんもりとした山です。

スパゲッティアイスの価格はアイスクリーム屋さんによって色々ですが、今回おとずれたアイスクリーム屋さんでは、8ユーロでした。
1ユーロ=185円だとすると、1,480円です。
アイス1玉(2ユーロ/ 370円)と比べるとかなり値段が張るので、さすがに毎回食べるわけには行きません。
普段は2ユーロのアイス1玉で、たまにスパゲッティアイスを食べています。
スパゲッティアイスは、とっても重そうな見た目とは裏腹に、意外とさっぱりしていて食べやすいです。
私個人の感覚だと、サーティワンのアイスよりも甘さ控えめですよ。

スパゲッティアイスは、ドイツ生まれ。
くわしい起源はこちらのページに書いてありますが…
1969年に、当時17歳の少年が(ケーキの)モンブランから着想を得て、開発したアイスです。
気になる作り方は、上のページを参照するとこんな感じです。
スパゲッティアイス
①ドイツには"Spätzle"(シュペッツレ)という名前のショートパスタがあるのですが、そのシュペッツレを絞り出すときに使う道具を、冷凍庫で15分ほど冷やします。
②冷えたお皿の上に、ホイップクリームをこんもりと盛り付けます。
③シュペッツレを絞り出すときに使う道具で、バニラアイス2玉をホイップクリームの上に絞り出し、スパゲッティに見立てます。
④トマトソースの代わりに、洗ってへたをとったいちごと砂糖で作ったいちごソースをかけます。
⑤パルメザンチーズの代わりに、削ったホワイトチョコレートをかけます。
トマトソーススパゲッティが、アイスに変身🍨
なんとも夢がありますね。

そして、アイスクリーム屋さんにもよりますが、スパゲッティアイスには派生形があります。
たとえば、こちらのスパゲッティアイス。

通常のスパゲッティアイスに様々な果物がトッピングされた、豪華版です。
値段は通常版から少しあがって9ユーロ。
1ユーロ=185円の計算で、1,665円です。
ドイツでは果物の値段がそこまで高くないので、果物がトッピングされても差額は1ユーロ。
お財布にはありがたいです。
また、トマトソーススパゲッティの枠からとびだしたアイスもあります。
1つ例をあげると、カルボナーラアイス。
注文したことがないので写真はありませんが、カルボナーラアイスの場合、いちごソースの代わりに卵リキュール(=お酒)がかかっています。
子どもに人気のカルボナーラなのに、アイスクリームに姿を変えると大人用になるのが、ちょっぴり理不尽です。

そして、
「ドイツのパスタ系アイスは、スパゲッティアイスですよね」
とドイツ人の夫に確認したところ
「いや、これも絶対に書いて」
といわれたのが、こちらのアイス。

ラザニアアイスです。
ラザニアアイスは、近所のアイスクリーム屋さんで9.5ユーロでした。
1ユーロ=185円だとすると、1,757円。
夫がなぜそんなにラザニアアイスを推してきたのかはわかりませんが、たしかに見栄えはいい感じです。
ラザニアアイスの中をのぞいてみると、バニラアイス→いちごソース→バニラアイスの順に重ねられていました。

パスタ系アイスの数はアイスクリーム屋さんによってマチマチですが、近所のアイスクリーム屋さんでは、20種類弱あります。
パスタへの愛がすごい…。
5年以内に、近所のアイスクリーム屋さんのパスタ系アイスをコンプリートするのが目標です。

良いことばかりではない、スパゲッティアイス
ところで、作り方の部分でお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが…
スパゲッティアイスには、人によって好みが分かれる、あるものが使われています。
ホイップクリームです。
なにを隠そう私も、ホイップクリームが苦手です。
要は、いちごのショートケーキが苦手なタイプの人間です。
スパゲッティアイスの場合、たちが悪いのはホイップクリームが外から見えないことです。
スパゲッティ状のバニラアイスでホイップクリームがコーティングされているので、本当に外からは見えないのです。
初めてスパゲッティアイスを食べた日、バニラアイスの中からホイップクリームが顔を出したときの絶望感は、言葉では言い表せません。
バニラアイスとホイップクリームが混ざると、なんとも微妙なのですよ。
冷たいバニラアイスに、さほど冷たくないホイップクリームのブヨブヨした感じが混ざって、食べるのを放棄したくなるのです。
しかし、もったいない精神が染み込んでいることが原因で、私は目の前にある食べものを残すことに、非常に強い抵抗感を覚えます。
心はもはや、無の境地。
残してはいけない
という強迫観念だけを頼りに、バニラアイスと生クリームが融合したデザートを食すことになるのです。

ここぞというときに効く、パワーワード
「うわぁ、私もホイップクリーム苦手だわ。スパゲッティアイスはやめておこう…」と思った方に、朗報です。
このホイップクリーム地獄を回避するための、パワーワードがあります。
"ohne Sahne"(オーネ ザーネ)
「ホイップクリームなしで」という意味になりますが…
この一言でなんと、ホイップクリームの部分が、全てバニラアイスに変わります。
あのブヨブヨがない…!
しかも、アイス増量…!
いいこと尽くしです☺️
こちらは、ホイップクリームなしのスパゲッティアイス。

食べても食べてもホイップクリームが出てこない、安心感。
一度"ohne Sahne"を覚えたら、もう元のスパゲッティアイスにはもどれませんよ。

アイスクリーム屋さんで出会える、ドイツの隠れた名物、スパゲッティアイス。
ホイップクリームが好きな方も、そうでない方も、ドイツにいらっしゃった際には、スパゲッティアイス(とパスタ系アイスの仲間たち)をぜひお試しくださいね。
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