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帰り道で泣いた。それは悲しかったんじゃなくて、安心したから

終わったあと、どうなるんだろう。

女風に行く前に気になるのは当然だし、行ったあとに感情が揺れるのも、たぶん当然のことです。

泣いた人がいました。笑った人もいた。何も感じなかった、と言った人もいた。

今日は、その「あと」の話を書きます。

駅までの10分間のこと

お見送りをするとき、私はだいたい駅の改札まで一緒に歩きます。

ホテルの扉の前で別れることもあるし、ホテルの入口から少し出たところでということもあるけれど、できれば改札まで送りたいと思っている。

お客様がどう帰っていくかを、私は見たいんです。

これは綺麗な言い方をしているんじゃなくて、そのまんまの意味で、あの10分間にいちばん「本当の表情」が出ると思っているから。

施術中は緊張している人が多い。初回はなおさらです。

でも、終わって服を着て、靴を履いて、外の空気を吸ったあとの10分間。

ここで出てくるものが、その人にとっての「本当の感想」に近い。

言葉じゃなくて、歩き方に出る。

来たときは半歩後ろを歩いていた人が、帰りは横に並んでいる。

それだけで、私はだいたいわかります。

泣いた人の話

ある方は、改札の手前で突然泣きました。

30代後半の方で、初回でした。

施術中は特に泣く場面はなくて、終わったあとの会話も普通で、「楽しかったです」と笑ってくれていた。

でも改札の前に来たとき、急に立ち止まって、目を押さえた。

「すみません、なんか」

それだけ言って、しばらく動けなくなっていた。

私は隣に立ったまま、何も言わないでいました。

何か気の利いた言葉をかけたほうがいいのかもしれないけど、あのときは黙っているのが正解だった気がする。少なくとも私にはそう見えた。

その方は1分くらい泣いて、ハンカチで目を拭いて、「ほんとすみません」とまた言った。

「悲しいんじゃなくて」と、そのあとに続けてくれた。

「なんか、安心しちゃって。ずっと力入れてたのかもしれないです」

あの言葉を、私は今でもよく思い出します。

泣かなかった人たちのこと

泣く人のほうが印象に残りやすいけれど、実際には泣かない人のほうが多い。

私が2年半で担当したお客様のうち、帰り際に泣いた方は1割くらいだと思います。

残りの9割がどうだったかというと、だいたいこんな感じです。

「ぼうっとしてます」と言う人。

これがいちばん多い。感想を言おうとして、うまくまとまらなくて、「ぼうっとしてます」になる。

何か大きな感動があったというよりも、ずっと張っていたものがゆるんだ感覚に近いんじゃないかと思う。

サウナのあとの「ととのった」に似ているかもしれない。似てないかもしれない。たとえが下手ですね。

それから、やたら喋る人。

施術中は静かだったのに、帰り道で急にマシンガントークになる方が時々います。好きなドラマの話とか、最近行ったカフェの話とか、中身はなんでもいい。

あれは緊張が解けた証拠だと思っていて、私にとっては嬉しいサインです。

施術中より帰り道の雑談のほうが楽しいことは結構あります。

逆に、ほとんど無言で帰る人もいます。

これを「失敗だったのかも」と最初は不安に思っていた時期がありました。

でも、そういう方から後日LINEが届くことがある。

「帰り道は何も話せなくてすみませんでした。家に着いてから、すごく穏やかな気持ちになっていることに気づきました」

こういうメッセージをもらうと、ああ、無言の時間はあの人にとって必要な「着地」だったんだな、と思う。

後日届くLINEのこと

体験当日よりも、翌日や翌々日にLINEをくれる方が多い。

「昨日はありがとうございました」から始まるメッセージ。

一番多いのは、「ぐっすり眠れました」という報告です。

これは体感として3〜4割くらいの方が書いてくれる。

普段は眠りが浅い人、夜中に何度も目が覚める人が、帰った日だけやたら深く眠れたと。

嬉しい報告だけじゃないこともあります。

「帰ってから少し寂しくなりました」「なんだか虚しい感じがしました」というメッセージも、正直に言えばあります。

これは次の記事で書こうと思っていますが、終わった後の「虚しさ」の正体は、悪いことだけでもないと私は感じている。

あの虚しさの中身は、たぶん「温もりを知ってしまったから」なんだと思います。

知らなければ寂しくならなかった。でも知ったから、元の温度が少し冷たく感じる。

それは、あなたの感覚がちゃんと動いている証拠でもある。

帰り道に感じたことを、否定しないでほしい

泣いたこと。ぼうっとしたこと。やたら喋ったこと。何も感じなかったこと。帰ってから寂しくなったこと。

どれも正解で、どれもおかしくない。

私がこの仕事を通じて思うのは、「正しい反応」なんてない、ということです。

「こんなことで泣くなんて」と自分を責める人がいるけど、泣いたのは弱いからじゃない。ずっと力を入れていた人がゆるんだら、涙が出る。それだけのことだと思う。

何も感じなかった、という人も、それはそれでいい。無理に感動する場所じゃないので。

1ヶ月後にふと思い出す人もいます。

帰り道の時点では何も感じなかったのに、仕事帰りの電車の中で突然あの2時間のことが浮かんで、少しだけ気持ちが楽になった、というLINEをもらったこともある。

感情の波は人によってタイミングが違う。当日来る人もいれば、1週間後に来る人もいる。

その波が来たとき、「ああ、自分はちゃんと感じていたんだな」と思ってもらえたら、それでいいと思っています。

もし今、帰り道のあの感情をどう扱っていいかわからないなら。

2回目の予約のことで迷っている方に向けて書いた記事もあるし、120分の中で私が何を感じていたかを言葉にしてみた記事もそのうち出します。

全部読む必要はないです。気になったものだけ、気が向いたときに。

あなたの帰り道に起きたことは、間違いじゃないです。


ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

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