政権打倒御百度参り 三十六度目

この漫画は、2026年に報じられたトランプ大統領の訪中と、それに先立つ日本政府の対米外交をモチーフに描きました。
当時の高市政権は、中国への警戒や台湾有事への備えを理由に、防衛費の大幅増額や長距離ミサイルの導入を進めていました。その一方で、アメリカとの関係強化に強く依存し、トランプ政権との連携を重視していました。
しかし私がこの漫画で描きたかったのは、単に「アメリカが日本を裏切った」という話ではありません。
むしろ逆です。
なぜ日本はそこまでアメリカに依存するのか。
なぜ日本は、自分の頭で考える外交よりも、アメリカに追従する外交を選び続けるのか。
そこに私は強い疑問を感じています。
しかも相手は、民主主義や法の支配を軽視する発言を繰り返し、自国の利益を最優先すると公言してきたトランプ氏です。
そのような人物に、日本の安全保障や外交の大部分を委ねるかのような姿勢は、私には非常に危うく映ります。
漫画の中で高市首相が巨大なトランプ大統領に梯子をかけて登っているのは、その依存関係の比喩です。
彼女は「アメリカと共に中国に対抗する」という前提で必死によじ登っています。しかし土台となっていたトランプ氏自身は、日本ではなく習近平氏の方へ歩いて行ってしまう。
私はここに、長年の対米追従外交の滑稽さを感じました。
国際政治において各国は自国の利益で動きます。アメリカも例外ではありません。
ところが日本では、あたかもアメリカが永遠に日本と同じ方向を向いてくれるかのような議論が繰り返されます。
その結果、日本自身が何を望み、どのような地域を目指すのかを考える力が弱くなっているようにも見えます。
この漫画は、そうした状態への風刺として描きました。
難しい外交論ではなく、「梯子をかけて必死に登っていたら、その土台がどこかへ行ってしまった」という身体ギャグにしたのは、その方が今の日本の姿をよく表しているように思えたからです。
