深掘り:規制の動きは“カレンダー”で読む
EU AI Actと日本の実務をつなぐ
EUは2024年にAI法を成立させ、段階適用を始めました。まず2025年2月2日に「禁止される用途」などの初期義務が動き、2025年8月2日からは**一般目的AI(GPAI)**に関するルールが適用開始。2026年8月2日には、加盟国の本格執行を含む“次の波”が到来します。企業はこの節目に合わせて、書類と体制を前倒しで整えるのが現実解です。
GPAIの**コード・オブ・プラクティス(任意)**も公開されました。透明性、著作権、安全性の三点を具体化し、**遵守の“証跡”**を自発的に整える道を示しています。EUはこのコードを「AI法の履行を前倒しで支えるツール」と位置づけています。
日本側のコンパスも用意済みです。経済産業省・総務省の**AI事業者ガイドライン(2024年)**は、開発・提供・利用の主体別に「理念→指針→実践」を三段で整理しました。チェックリストや契約の留意点まで付属資料があるので、棚卸し→契約→体制の流れにすぐ載せられます。
ここからの90日ロードマップはこうなります。
1. インベントリ:社内外で使うモデル/API/ベンダーを洗い出し、GPAI/高リスク/その他に仮区分。
2. データ系統:学習・入力・出力の出所/権利/保存先を一枚の図で可視化。
3. ポリシー:生成物の扱い、開示、著作権、安全性評価の三本柱を文書化。
4. 契約:ベンダー契約にAI条項(更新通知、監査協力、データ境界、脆弱性報告)を追加。
5. 体制:責任者と会議体を明確化し、議事録を残す。——ここまで進めば、EUの節目にも日本の指針にも迷いません。
