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トイレが涼しくて、おもしろい。

「スリッパが生ぬるくない!!」
そんな感想にケラケラしている。

町工場の事務所に小会議室を設置して、空調が1つとられてしまった。
空調は16年目、往年の姿はもうない。

空調増設の話があがる。
これは——、総務のイタズラ魂が疼く。

他の3馬力の空調が古いことを大義名分に、エレベーターに積める最大サイズの6馬力を上申する。そして誰も居ない方向の1馬力をトイレに送風したいと書き加えた。

人は三上でひらめくらしい。馬上(移動中)、枕上(就寝前や起床時)、厠上(トイレの中)の三つ。

ならば、トイレに1「馬」力を送るということは馬上と言っても過言ではない。そして厠上、これはもう、二上じゃないか。

人のヒラメキは、組織にとって大事だと思う。
総務魂がトキメク。

しかし、事務所では残り5馬力の直風被害が危ぶまれる。空調の静かな争いは組織を蝕む。

僕は知っている。
空調用プロペラの風の拡散効果は、前職で実証済み。

もう問題はないかと思っていたら、トイレの換気扇が不思議なことに人感センサーになっていた。このままではトイレの空気が逆流するかもしれない。
それじゃと、セオリーどおり24時間換気に工事してもらう。

シュ、シュ、シュ.......。

風を切る音がする。
オフィスは冷え、トイレもゆるやかに冷える。

町工場のトイレが暑くない。
高層ビルのトイレみたいだ。
1人、ウケている。

工事業者は風が届かず、焼き石に水じゃないかと思っていたらしい。ケセラセラ。なるようになった。

女子トイレはどうだろう?
感想を聞く。

「トイレスリッパが生ぬるくない」。

ウケる。

トイレの良し悪しは、実は総務の腕の見せ所。
どんなにオフィスを綺麗にしても衛生要因の基本はトイレである。

トイレの涼しい町工場。
閃け、組織。

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