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【作品案内】連載小説『テルナ・ヴァイド』―失われた神と残された記憶―

この世界に神はいない。
それでも、生きることを選んだ。


はじめに

本記事は、連載小説
『テルナ・ヴァイド ―失われた神と残された記憶―』
の作品案内です。

舞台は、創造神が五百年前に姿を消した世界。

人々は記憶を代償に魔法を使い、
何かを守るたびに、自分の中の大切なものを失っていきます。

その世界へ落ちたのは、
死にゆく患者の隣に立ち続けてきた、一人の看護師でした。


物語のあらすじ

柳井蒼、三十二歳。

現代日本の緩和ケア病棟で働く看護師です。

蒼はこれまで、治る見込みのない患者や、
死への恐怖を抱える人たちの最期に立ち会ってきました。

命を救うことはできない。

苦しみの意味を説明することもできない。

それでも蒼は、患者の手を握り、
その人が一人ではないと伝え続けていました。

ある夜。

死を目前にした患者から、蒼は問われます。

「人は、何のために生きるんだろうな」

蒼は、その問いに答えられませんでした。

患者を看取った夜明け。
答えのない問いを抱えた蒼は、見知らぬ世界へ落ちます。

そこで出会ったのは、
銀灰色の髪を持つ魔法士、フィーナ・アルセン。

魔力を持つことが当然とされる世界で、
蒼には魔力がまったくありませんでした。

それでも彼は、生きている。

そして蒼には、
死者に残された恐怖や痛みを、自分のものとして受け取る
未知の力が宿っていました。

それは、誰かを救うための力なのか。

それとも、
死者の苦しみを背負い続ける呪いなのか。

神が消えた世界で、
蒼はもう一度、生きる意味を探し始めます。


世界――テルナ・ヴァイド

テルナ・ヴァイド(各地に残された神の遺産)
テルナ・ヴァイドの世界(荒野と街道)

テルナ・ヴァイドは、
かつて創造神によって生み出されたと伝えられる世界です。

しかし五百年前、神は姿を消しました。

神はいない。

それでも、神殿は残っている。

神の帰還を待ち続ける者。

神の教えによって秩序を守ろうとする者。

神のいない世界を、
人の手で変えようとする者。

誰も完全な答えを持たないまま、
それぞれの正義と祈りを抱えて生きています。

荒野、森林、雪山、海、古代の街道。

そして、各地に残された神の時代の遺構。

ソウルとフィーナは、
広大な世界を巡りながら、失われた神と記憶の真実へ近づいていきます。


記憶を燃やす魔法

記憶を代償に発動する魔法のイメージ

この世界の魔法は、
何も失わずに使える便利な力ではありません。

魔法を使うたび、
術者の記憶が失われます。

昔見た景色。

誰かの声。

交わした約束。

大切な人と過ごした時間。

強い魔法ほど、
その人をその人にしている記憶を燃やしていきます。

フィーナもまた、
何かを守るために、自分の記憶を削りながら戦っています。

記憶を失っても、愛は残るのか。

名前や顔を忘れても、
誰かを大切に思った事実まで消えてしまうのか。

「記憶」は、魔法の代償であると同時に、
この物語を貫く中心的なテーマです。


主人公は、勇者ではなく看護師

主人公・柳井蒼は、
剣を操る勇者でも、強大な魔法を持つ英雄でもありません。

彼が異世界へ持ち込んだのは、
看護師として培ってきた感覚です。

  • 呼吸の変化に気づくこと

  • 痛みを見逃さないこと

  • 最後まで話を聞くこと

  • 誰かの手を離さないこと

  • 一人ではないと伝えること

この物語で描かれる「救い」は、
必ずしも命を助けることではありません。

何も変えられないとき。

答えを与えられないとき。

それでも、誰かの隣にいることに意味はあるのか。

それが、本作の出発点です。


主な登場人物

森の焚火で夜を過ごすソウルとフィーナ

柳井 蒼/ソウル

三十二歳。

現代日本では、
緩和ケア病棟に勤務する看護師でした。

人の死に寄り添い続ける一方で、
自分自身が何のために生きているのかを見失っています。

異世界では、フィーナから
「ソウル」と呼ばれるようになります。

魔力を持たないにもかかわらず、
死者に残された感情を受け取る未知の力を持っています。


フィーナ・アルセン

二十一歳。

銀灰色の短い髪と、
左目の下にある三日月形の傷が特徴の自由魔法士。

警戒心が強く、言葉も態度も冷たい。

けれど、誰かが倒れそうになれば歩調を落とし、
苦しんでいれば黙って手を差し伸べます。

記憶を失う恐怖を抱えながらも、
彼女は魔法を使い続けています。


第1章「死にゆく者の隣で」

患者の手を取る看護師(主人公:柳井 蒼)

──死に寄り添い続けた看護師が、
答えのない問いを抱えたまま、
神のいない世界へ落ちていった。

物語は、異世界の森からではなく、
一人の患者が迎える最期の夜から始まります。

現代で蒼が経験した死。

患者から託された問い。

何も救えなかったという感覚。

それらはすべて、
異世界で死者の痛みや感情を受け取る力へ
つながっていきます。

第1章は、次の七つのSceneで構成されています。

Scene 1 後悔している
Scene 2 三百人目の夜明け
Scene 3 橋の上の問い
Scene 4 魔力がない、生きてる
Scene 5 まだ殺してない
Scene 6 死んだ獣の声
Scene 7 この世界に神はいない

Scene1からScene3では、
柳井蒼が生きる意味を見失うまでを描きます。

Scene4から、
神のいない世界での物語が始まります。


読み方について

本作は、Scene単位で連載します。

短い時間でも読み進められるように、
一つの記事に一つのSceneを掲載します。

各章の完結後には、
すべてのSceneを一つにまとめた
章統合版も公開する予定です。

少しずつ読みたい方

Scene1から、順番にお読みください。

一気に読みたい方

各章の完結後に公開する
章統合版をご利用ください。

Scene版と章統合版の本文は同じです。

ご自身に合う読み方を選んでいただければと思います。


公式設定資料について

本編とあわせて、
世界や人物を紹介する公式設定資料も公開します。

最初に公開する公式設定資料・初回版では、

  • テルナ・ヴァイドの世界概要

  • 世界地図

  • 記憶を代償にする魔法

  • ソウルとフィーナ

  • 物語の基本的な問い

を、重大なネタバレを避けて紹介します。

設定を先に知ってから本編を読むことも、
物語を読んだあとで世界を深く知ることもできます。

本編の進行に合わせて、
人物、地域、魔法、歴史などの資料を少しずつ追加していきます。


この物語で描くもの

この物語を通して描くのは、
主に三つの問いです。

① 人は、何のために生きるのか。

② 記憶を失っても、愛した事実は残るのか。

③ 命を救えなくても、
  誰かの隣にいることには意味があるのか。

ソウルとフィーナは、
すぐに答えを見つけるわけではありません。

失い、迷い、ときには間違えながら、
自分たちなりの答えを選んでいきます。


こんな方におすすめです

  • 作り込まれた世界設定が好き

  • 異世界ファンタジーに人間ドラマを求めている

  • 弱さを抱えた主人公が好き

  • 善悪で簡単に割り切れない物語が好き

  • 記憶、死、生きる意味を扱う作品に興味がある

  • 登場人物同士の関係が少しずつ変わる物語が好き

派手な無双や急速な成り上がりよりも、
人の感情と選択を中心に進む物語です。


最後に

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

この作品は、

死にゆく者の隣にいることに、
本当に意味はあるのか。

という問いから始まりました。

何も変えられないとき。

正しい言葉が見つからないとき。

答えを持っていないとき。

それでも、誰かの隣にいることはできる。

その行為が救いになるのかを、
ソウルとフィーナの旅を通して描いていきます。

物語は、第1章 Scene1
**「後悔している」**から始まります。

一人の患者が迎える、人生最後の夜。

そこで交わされた問いが、
やがて神のいない世界へつながっていきます。


ここからお進みください

世界観を先に知りたい方

公式設定資料・初回版
https://note.com/narukame/n/n38e9c12c3f1b?sub_rt=share_pb

すぐに物語を読みたい方

第1章 Scene1「後悔している」
https://note.com/narukame/n/n50fd9cfb9a0d?sub_rt=share_pb

本編を一覧で確認したい方

本編マガジン
▼ 本編綴り
https://note.com/narukame/m/m8f01418e1542

公式設定資料を一覧で確認したい方

▼ 公式設定資料綴り
https://note.com/narukame/m/m34eb66704a4c


気になった人物や設定があれば、
コメントで教えていただけるとうれしいです。

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