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観ている人に伝わる画面を設計する技術

先日アニメ私塾有志ボランティアさまの企画する
「アニメ私塾京都合宿」に参加してきました。
今回のテーマは「レイアウト」
絵をかきはじめたばかりの方には「何それ」って
感じだと思います。
講義の内容をほんの少しでもお伝えできればと思います。

みんなが知らない隠れた「画力」

これまでこのnoteでさんざんデッサンや模写・パースなどのお話をしてきましたが、レイアウトについてあまり触れてきませんでした。
「レイアウト」って言うと
「ん~デザイナーさんの仕事でしょ?」
「キャラが上手くかけたらレイアウトなんて適当でいいよ」
「パースもよくわかんないのにレイアウトってはやくない?」
ぼくは当初こんな風に思ってました。
なんか、「キャラや背景描いたらこんな風に
なりました」って感じで最後に考えるのがレイアウト?
そう考えていたのが正直なところでした。
でも
今ではこのレイアウトこそ、絵の出来を左右する
根本的な技術だと考えるようになりました。

「いろいろやったけど、なんかパッとしないんだよな~」って方。
それレイアウトを学ぶと良いかもです。

キャラから描く?パースから考える?

イラストレーターの方なら絵を描くときにカラーラフを複数描いてから仕上げる。
漫画家なら、ネームを描く・コマ割りをする。
これは僕的にはレイアウトをするということだと思ってます。
要するにレイアウトは「絵の設計図」です。
パースもキャラのポーズもカラーも背景も
レイアウトの後の工程です。

僕は最近まで
なんとなくキャラを描いて
なんとなく背景を描いて
という感じで行き当たりばったりで絵を描いていました。
ただ、それでは僕の描いた絵を観ている人を自分の絵の世界に連れて行くのは無理。

そう強く感じるようになったのは同人漫画ネームを描き始めてからです。
ネームという漫画の設計図は
コマ割(漫画のフレーム)
セリフ配置
キャラの配置や画角
明暗設定など
同じ内容や画力でもネーム次第で全く違う面白さになります。

レイアウトにも文法がある

これまで作画やパースについて記事でお伝えしてきたのと同じように
レイアウトにもルール(文法)があります。
フレームを決め、いちばん伝えたいもの・見せたいものはなにか?
それを伝えるために画面を作って行きます。
この段階でコンセプト、伝えたいことがぼんやりしているとレイアウトが決まりません。
レイアウトが決まらないまま絵を描き進めると
よくわからない絵ができあがります。
下手や上手い以前に
「よくわからない」
「観にくい」
絵になってしまいます。

初心者の方の絵などで、デッサンが多少おかしくとも伝えたいことがシンプルでレイアウトができていれば絵はしっかり伝わります。

戦略の失敗は戦術では挽回できない

この言葉は経営戦略などの本などでよく引き合いに出されます。
絵もレイアウトに失敗すると、
どれだけデッサンが良くても
描きこみが細かくとも、挽回できません。
レイアウトは家で言えば基礎部分
傾いた家の外装や内装をどれだけがんばっても
良い家にはならないのと同じです。

レイアウトは背景でもパースでもない

レイアウトの勉強を始めると、まずは
パースとアイレベルをとって
消失点を決めて
そうやって描き始める人がいます。
(僕もそうでした)
これをやると僕は確実に絵がヘンテコになります。

パースありきで描くと最初は左のような絵になりがち

パースはいわば遠近法を使う絵を描くための
(定規)です。
自分の表現したいレイアウト・画面作りのために
設計図通りにキャラや背景を配置・描画するための道具として使うものです。適当にアイレベルや消失点を決めてしまうと、意図しない絵になってしまいます。

背景が無い絵でもレイアウトは重要

よくSNSで流れてくる、めちゃくちゃ魅力的な
キャラクターイラスト
背景がなくてもすごく惹きつけられるイラストありますよね。
「やっぱキャラさえ描ければ無双じゃん」
「背景描かないからレイアウトとか面倒くさい」
という方、ちょっと待ってください。
SNSの投稿サイズやB5といった紙などの
「フレーム」がある以上、どうキャラクターを配置するかという「レイアウト」は避けられません。
下のラフを見てください。

すべて同じことを伝えるイラストですがどれが伝わりますか?

これは同人誌のある一コマのラフです。携帯電話で話す女の子のカットです。
僕は左が一番わかりやすいのではと思ってます。その理由を僕がアニメ私塾で習ったルールを例に説明します。

例えば
「シルエット」で何をしてるのかわかるように描く
というルールです。
キャラクターを真っ黒に塗りつぶしても
何をしているのか伝わるかがヒントになります。

上の絵で、真ん中と右は女の子の頭部に手が重なっており、シルエットが潰れてしまってます。
これでは何をしてるのかわかりません。
左は顔になにか押し当てているのがわかります。
あと、左は緑の線で囲った箇所が余白になり、ポーズがより分かりやすくなってます。

もう一つは絵が非対称になっているかです。
アニメ私塾では「平行・単調・対称」を避ける
というルールがあります。
これ、意識してみると絵に躍動感やかっこよさが出ます。
上のイラストでは青線の肩や腰の傾き(コントラポスト)と赤線のアクションライン(S字)で女性らしい動きを出しています。

名作はレイアウトの教科書

アニメ私塾の室井先生はジブリのアニメーターをしていた凄い人ですが
ジブリのような一流のアニメーターの作品はレイアウトも考え抜かれています。宮崎駿監督はミリ単位でレイアウトを行っていたそうです。
こういう名作から良いレイアウトをインストールするのも勉強になりそうです。

ため息が出るレイアウト。全てのキャラ・背景・小物は意図があってそのために配置されている

なるちくのレイアウト例


僕も少し前から「平行・単調・対称」を避ける
シルエットを意識する
視線誘導を意識する
を心がけています。
何点か例を挙げておきます。

2次創作のカット


レイアウトって難しいけど面白いです

↑今回の合宿で解説してもらった教本。おすすめです。

簡単なレポートになりましたが、いかがでしたでしょうか?
また感想や質問などありましたらとても励みになりますので是非お願いします。(ご質問の回答として記事にさせていただくこともございます。)
読んで頂きありがとうございます。

次回はシリーズの
50歳・未経験者が絵でお金をもらえるまでやってきたこと。
の続きを書く予定です。

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