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子どもに届く言葉ってなんだろう-“ちゃんと伝えたい”の奥にあるもの-

「何回言えば分かるの!」
「ちゃんとして!」

気づけば、
声が少し強くなっていた。

子どもに伝えたかったはずなのに、
言葉より先に、
怖さを届けてしまった気がした。

本当は、
怒りたかったわけじゃない。

危ないことだったから。
大切だったから。
同じことを繰り返してほしくなかったから。

ただ、
“ちゃんと伝えたい”
その気持ちが強くなるほど、
気づかないうちに、
言葉も強くなっていた。

「怒る」と「叱る」は違う。

そんな言葉を見聞きすることはあっても、
実際に感情が揺れている最中は、
その境界線が曖昧になる日もある。

だから今回は、
“正しい伝え方”ではなく、

子どもに届く言葉ってなんだろう。

そんなことを、
自分自身の揺れも振り返りながら、
少し考えてみたくなった。


「怒る」と「叱る」の違和感

「怒る」と「叱る」は違う。

こんな言葉を、
聴いたことがある人もいるかもしれない。

“感情をぶつける”のではなく、
“相手に伝わるように話すことが大切”

頭では、
理解しているつもりでいた。

それでも、
気持ちに余裕がない日ほど、
その境界線が分からなくなる瞬間があった。

子どものためを思っていたはずなのに、
いつの間にか「伝える」よりも、
「やめさせる」ことや「やらせる」ことに
必死になっていたり。

落ち着いて話をしていたはずなのに
気付いた時には、感情そのものを
ぶつけてしまっていたり。

“叱る”つもりだったのに、
後から振り返ると、
あれは“怒り”だったのかもしれない。

そんな風に感じた日もあった。


伝えたいのに伝わらない苦しさ

本当は、
怖がらせたかったわけじゃない。

言うことを聞かせたいだけでも、
思い通りに動かしたいわけでもなかった。

危ないことをしてほしくない。
傷ついてほしくない。
同じことで困ってほしくない。

“大切だから伝えたい”
その気持ちが、
うまく言葉にできない日もあった。

伝えたい気持ちが強いほど、
言葉に力が入りすぎてしまったり。

分かってほしい気持ちが強いほど、
自分の感情ばかりが前に出てしまって
子どもの感情を置いてけぼりに
してしまっていたり。

ちゃんと向き合いたかったはずなのに、
いつしか気づかぬうちに
“伝わったか”よりも、“従ったか”
を見てしまっている自分がいた。


子どもとの距離感

子どもに何かを伝えようとするとき、
僕はずっと、伝え方やテクニックばかりを
気にしていた時期があった。

どう伝えれば分かってくれるだろう。
どんな言葉なら届くだろう。

大学で学んだことや
教育書・子育て本の情報を活かそうと
躍起になっていた時もある。

その頃を思い返すと気づかないうちに、
“向き合う”よりも、“説得する”ことに
意識が向いていた気がしている。

今になって考えると
正解や方法を探して、
頭でっかちで生真面目に
なりすぎていたのかもしれない。

けれど、子どもたちと
関わりを深めていく中で本当に大切なことは、
頭に詰め込んだ情報や言葉よりも
一緒に過ごす空間での
何気ないやり取りや触れ合いから生まれる
空気感や距離感
だと感じた。

詰め込んだ情報や方法よりも
自然体で関わる方が
気持ちや言葉が届く。
そんな気がした。

立ったまま、上から言葉を
投げかけるのではなく
同じ目線まで腰を落として、
話すだけでも
お互いに落ち着いて話すことができた。

何よりも子どもの表情の変化が
見やすくなるので、
気持ちのやり取りがしやすくなった。

“注意された”
ではなく、
“向き合ってもらえた”


そんな違いが、
子どもの中にもあったのかもしれない。


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