見出し画像

東京都美術館(東京都台東区・上野駅/ジョルジョ・デ・キリコ展)

東京都美術館が週末に夜間まで開館しているナイトサマーミュージアムを開催しているため、仕事帰りに寄ってみることに。企画展として「ジョルジョ・デ・キリコ」の個展を開催。形而上絵画などで知られる独特な画風を確立しているキリコの10年ぶりの日本における企画展の開催とあって注目度は高い。

キリコの形而上絵画といえば、少女が車輪を回して走る無人の広場が個人的にイメージされているところ。昼だか夜だかわからない時間帯の緑色をした空の下、迫るような圧迫感のある左右の建物は消失点が分散し、建物の影からは謎の人影が見えるという、不安を掻き立てるような不思議な作品である(ローマのキリコ記念美術館にあるため出展なし)。

この『イタリア広場』に似た『通りの神秘と憂愁』が好き

実はこのキリコの代表作として知られるような形而上絵画は、キリコの長いキャリアの中では割と初期に描かれたもの。そのあとには古典主義や印象派のような画風などバラエティに富んでおり、再び形而上絵画へと戻るのは晩年になってからとなる。キリコといえば形而上絵画の旗手だと思っていたので、その辺りの認識のすり合わせができたのは非常に勉強になる。

これは晩年に戻ってきた新形而上絵画

今回の展示は会場づくりがとにかく面白く、区切られた展示室の壁に空けられている窓枠からは隣のエリアの作品を覗けるような効果をもたらしているため、迷宮の中に迷い込んだような不思議な感覚にとらわれる。最初に自画像、次に形而上絵画というように今回の展示はいくつかのテーマに沿って短会されており、経年ごとの縛りよりはだいぶ緩やか。

マヌカン時代の作品の一つ『不安を与えるミューズたち』

形而上絵画というと後年のサルバドール・ダリやルネ・マグリットなどに影響を与えたものとして美術の歴史では重要視されており、今回の展示でも形而上絵画をまとめてみることができるのは貴重なものである。しかしキリコの本質は形而上絵画だけでなく、彫刻による造形を試みたり(個人的にはヘクトルとアンドロマケの抱擁が非常にエモーショナルで美しかった)、舞台美術を手がけたりと多岐に渡る。

後年に描いた『白鳥のいる神秘的な水浴』

また「マヌカン」と呼ばれる表情を排除した人物像など、やはり全ての作品を通して感じたのが作者と作品との圧倒的な距離感だろうか。鑑賞者に作者の意図を悟らせないように、あえてしているのではないかというような感覚。自らをコミュニティへは属さずに「不特定多数」へ埋没させようとしていたのではないか、というような気がしてくる。あくまで個人的な感想だけれど。きっと偏屈な人物だったのだと勝手に親近感を湧かせてしまうのであった。

アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。 その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。 作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。 その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく

トイレはウォシュレット式。しかし週末に比べて平日は空いていて嬉しい。夏だけといわず通年を通して金曜日の夜とか延長して開館してほしいものである。わがままなのは承知の上で。

ミュージアムのこんな姿が観られるんでっせ 通年おねがいしますわ



いいなと思ったら応援しよう!