焼豚か豚角煮か? 豚対決!
牛丼御三家の争いが面白くなってきた。
牛丼なら大手チェーンの中ではダントツに吉野家が好きだ。
「早い、安い、旨い」
これはもうキン肉マン世代にとっては、脳に刷り込まれてしまっている。
しかし、2000年代になると、牛丼御三家の構図は大きく変わった。
なんでもありなトッピングとテーブル席を用意するというファミリー層取り込み戦略で、すき家が圧倒的な店舗数を誇り一躍トップに踊り出たのだ。
一方、松屋は定食を強化する独自路線で他社と差別化を進めてきた。
特に「ごろごろ煮込みチキンカレー」や「シュクメルリ鍋定食」などは話題を集め、新規顧客の取り込みに成功している。
ごろごろ煮込みチキンカレー旨いんだよね~。
そんな中、吉野家は創業以来の「早い、安い、旨い」をずっと掲げつつも、元来の品質の高さを追求するという割と牛特化の形で戦ってきたのだ。
アタマの大盛りも最初に打ち出したし、牛すき鍋といったプレミアムなメニューも打ち出してきた。
しかし、ここ最近その吉野家が変化を見せている。
松屋のシュクメルリのヒットが分岐点になったような気がする。
牛丼には今までにみんなが記憶している適正価格がある。
今だと税込500円くらい。
だから各社大幅な値上げがしづらい。
御三家各社とも、戦略の根底にあるのは、平均客単価の底上げというものだ。
松屋はこれまでもさまざまな定食をやっていたのだが、
シュクメルリは大きく2つの成功を世の中に提示してしまったのだ。
ひとつは、新しい定食には価格の指標がないこと。
これが安いのか高いのか、値段の感覚がわからないのだ。
例え、回鍋肉定食を860円、うまトマハンバーグ定食を980円で販売しても
そこには他社(牛丼チェーン各社)と比べられる指標が存在しないのだ。
単に他の町中華や洋食屋と比較するだけなら、その価格は適正だし、なんならちょっと安いくらいの感覚になる。
これが平均客単価の大きな底上げに貢献することにつながった。
ふたつめは、新規顧客を拡大できること。
シュクメルリというあまり馴染みのないものが、
旨いとSNSでバズってしまった。
これが新たな若者層(さらには女性層)の獲得に大きくつながる結果となった。
松屋にとっては追い風が吹いた。
松屋自体もこれにより、
今までのカレーやハンバーグではない新規メニューを誕生させ、
すき家がトッピングにより獲得していた層にも
強烈にアピールできる方法があることを体感したのだ。
これは吉野家に大打撃を与えた。
そこで今までの牛丼の強みだけでなく、
メニューの多様化や高付加価値メニューを強化しなければならないと
戦略を切り替えてきたようだ。
その第一弾が、吉野家初となる麺メニュー
「牛玉スタミナまぜそば」だった。
今もこれはあるけど、僕自身はあんまりおすすめしない。
と、続いて第二弾が登場した。
それが厚切り豚角煮定食だ。
現在、松屋では今治焼豚玉子飯という期間限定メニューがある。
正直、ぶつけてきたな、と思った。
豚対決である。
美味しんぼでの「究極対至高」かのようだ。
こういう戦いはいいねぇ。
ワクワクする。
僕は豚の角煮と焼豚のどちらも大好物だ。
だから両方食べ比べてみよう!
まずは先攻の松屋。
今治焼豚玉子飯

愛媛県今治市発祥のご当地グルメであり、
全国の"B級グルメファン"の間でも高い人気を誇るメニュー。

目玉焼きの下には、薄切りのチャーシューが何枚も敷き詰められている。
なかなか旨い。
焼豚は柔らかくホロホロな感じ。
薄切りなのもスプーンでご飯と一緒にすくって食べるのにちょうどいい。
ちょっとだけ焼豚の豚臭さも残っているのが残念だけど…。
醤油ベースの甘辛のタレもいい。
重たすぎず焼豚に合っている。
さらに黄身を潰して、とろりとした黄身と焼豚を白飯と一緒にスプーンで食べる。
うん、そりゃ旨いよね。
なるほど、これが今治のソウルフードかぁ。
ただ、この目玉焼きも1点、気になることがある。
白身のフチが固く焼けすぎていて、
スプーンで切ろうとしてもなかなかうまくきれない。
モーニングでソーセージエッグ定食とかを頼むと出てくる目玉焼きと同様なのだが、
そういやいつも白身のフチはイライラするんだよなぁと思い出した。
今治焼豚玉子飯はスプーンだけで食べたいので、これも改善するといいなぁ。
ああ、そういえば、松屋って牛めしにも味噌汁がデフォルトでついているんだよな。
味噌汁無料って松屋のストロングポイント!
定食についていると忘れちゃうけど、松屋のいいところの一つだよね。
次は後攻で吉野家。
厚切り豚角煮定食

ルックスはなかなかグッとくる。
長さ10cm×厚さ2.5cmくらい。

普段からジャンクな僕は、角煮ラーメン等のやたらボリュームある角煮を食べすぎているせいで、想像していたよりは小さめに感じてしまったけど…。
箸で角煮を切ってみる。
あれ?
とろけるほど柔らかく煮込みって謳っている割には、箸でするっと切れるわけではないんだね。
思ったより硬めの角煮を一口大にちぎって口に運ぶ。
うん、確かに美味しい。
なかなかに肉肉しい感じ。
箸で掴むのも難しいほど柔らかい角煮と違って、ご飯と一緒に食べやすいし、肉感がかなりある。
そして甘辛のドロッとした角煮ダレがかなりいい感じ。
ただ、こちらも角煮に豚臭さが残っている…。
臭みをとるのってそんなに難しくないと思うんだけど、
確かに手間はかかるからね。
ただし、吉野家の場合は、
からしをつけたり、ネギラー油と一緒に食べたりすることで、
この豚臭さはかなり解消される。
角煮にからしがついてるのって、こういう理由だったんだ!
目からウロコ。
特に、ネギラー油と角煮を一緒に食べると、かなり旨い。
白飯がすすむ!
焼豚vs豚角煮 結果
値段
松屋の今治焼豚 880円(税込)
吉野家の豚角煮 1097円(税込)
味
どちらもタレは白飯に合う。
豚角煮のほうがやや豚臭いのだが、ネギラー油やからしで解消できる。
今治焼豚の方がシンプルな分、豚臭さは解消しにくいみたい。
どちらかというと豚角煮の方のタレが僕は好みかもしれない。ネギラー油も含めて。
ボリューム
どちらもそこそこボリュームがある。
ただし、どちらも見た目のインパクトに欠ける気がする。
豚角煮は思ったより小さく感じるし、今治焼豚は目玉焼き二つに隠れて焼豚のボリュームを目で確認できないため。
総合して、
今治焼豚vs豚角煮の判定は
引き分けってところですね。
ただ、こういう戦いが今後もっと出てくるのは楽しみですねぇ。
いいぞ、もっとやれ!
こんな豚対決を楽しんでいたからか、
日比谷でふらっと入ったお店でまたもや豚を食べてしまった。
元祖 肉玉めし 爐端本店@日比谷

ここの角煮は八角風味が入っている。
いわば魯肉飯って感じ。
なので、豚臭さはこれで解消しているようだ。

3つになっているけど、合わせると長さ10cm×厚さ3cmくらい。
吉野家よりちょっと大きいかも。
さらに味玉もついて、サラダもついて、

味噌汁に至ってはわかめと油揚げの赤だしで、
チェーン店を圧倒する美味しさだった。
これで日比谷の立地で950円(税込)
