仲井戸麗市LIVE「やせっぽちのブルース」
もう10年以上前だが、東京にCHABOさんのライヴを観に行った時のこと。MCで「ザ・バンドに憧れて作った曲」と言って、ロビー・ロバートソンのピッキング・ハーモニクスを弾いてから「いつか笑える日」を歌った。ライヴって、のちに音源とか映像とか出ない限り、その時だけの体験。でも凄くよく覚えてる場面が沢山ある。もちろん、全てのライヴの全場面を記憶しているわけじゃないんだけどさ。でも「その瞬間」は永遠に心の中に残るものなんだよね。それを一つでも増やしたくてライヴに行くんだよ。
仲井戸"CHABO麗市" SOLO LIVE
やせっぽちのブルース
2026年7月12日(日) 福岡 border

ネタバレは最小限に留めてます
単独ライヴでは2019年以来、泉谷しげるとの2マンが2022年。久し振りの福岡公演である。

ステージに登場した時から大歓声。僕もリハビリの甲斐あって、腕が上がるようになった。大貫妙子さんの投稿でも書いたように、歌詞が凄く沁みる。ここ数年個人的に色々あったし、コロナ以降、観れるライヴはなるべく行っておきたいという思いが強い。この日も忘れられない思い出となった。

アルバムは『Experinece』が最新作でリリースが2024年の暮れ。その年に父を、前年に母を見送り、そのあと実家じまいで片付けの日々。その頃よく聴いてたのがCHABOさんの「Feel Like Going Home」。この歌詞がずっと頭の中でリピートしてた。
持って行くもの 捨ててゆく事
今 家に帰る気分
捨ててくもの 持ってゆく事
今 家に帰る気分さ…..

アルバム『TIME』収録
持って帰るもの、処分するもの、置いてく過去、様々な感情の日々だった。その大切な曲を目の前で歌うCHABOさんの、叫びのようなシャウトと祈りのようなスライド・ギター。やっと救われたような気持ちになれた。
ジョージ・ハリスン、ローウェル・ジョージ、マディ・ウォーターズのように、激しく切なく揺れる極上のスライド。最後の一音が消えないでくれ、と思いながら全身で受け止めた。

『Experience』から、また新曲も聴けた。CHABOさんらしい日本語詞を付けたカバーも結構あり、実にポジティヴなライヴだった。RCサクセションの活動中からソロのライヴ観てるけど、毎回「今のフィーリングで歌いたい歌。今、奏でたいギター」が聴ける。それこそが最高なのだ。あぁ、今年はいい夏過ごせそうだな。

子どもの頃、夏休みは母の実家で過ごした。近くの川に行って従姉妹と泳いだ。今年はお盆のお墓参りに行くのだ。あの懐かしい思い出の場所へ。
ガルシアの風に吹かれて
僕等は丘を渡ってく
陽だまりの里に辿り着いたら
なだらかな坂道 川へと降りてく
君は自由の服に着替えて
冷たい川の水に足をひたす
“幸運なお陽様”が顔をのぞかせ
僕等を祝福する

アルバム『My R&R』収録
この歌詞が見事にリンクした。あの愛おしい、子どもの頃の風景が蘇って来た。まさに音楽のマジックだった。
ああ どうにもならぬ事など
何もなかったのです
ああ どうしようもない事など
何ひとつなかったのです
実家じまいをした今、母の実家が僕の「ふるさと」だ。CHABOさんも生まれ育った新宿を歌い、MCで語っていた。なんか色んなことが重なり合う、良いライヴだった。
ステージを降りるCHABOさん。なんと、客席を抜けて出口へ向かった。僕はすかさず近寄り、気付いてくださったので、グータッチ!かつて番組に何度もゲストで来てくださり、特集番組も沢山作った。あれは僕の誇りだ。今年はポール・シムノンとCHABOさんとグータッチ出来た。THE MODSのデビュー45周年記念イベントを地元の博多で観れた。45年前、クラッシュ、RCサクセション、モッズにぶっ飛んでた、田舎のパンクス高校生の自分に言ってやりたい。45年後は凄いことになるからな。ロック忘れるなよ、音楽聴き続けろよ、と。My R&R

また体験出来ました
CHABOさん、ありがとうございました
note #429

