【展覧会レポ】国立新美術館「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」
【約3,600文字、写真約35枚】
国立新美術館で「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」を鑑賞しました。その感想を書きます。
※本展覧会はすでに終了しています。
▶︎ 結論
1)会場が全体的にカオスなため評価不能(≒パフォーマンス・アーティストならではの強い思想は感じた)、2)荒川ナッシュ医を初めて知る、良い機会となった、3)《メガどうぞご自由にお描きください》は後にも先にもない貴重な経験ができた、4)無料だったため、一般的な展覧会より若者が多く、将来のアートの裾野を広げる価値があったと思う。
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★★☆
混み具合:★★★★☆
展覧会名:荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ
場所:国立新美術館
会期:2024年10月30日(水) ~ 2024年12月16日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00
住所:東京都港区六本木7丁目22−2
アクセス:六本木駅から徒歩約5分
入場料(一般):無料
事前予約:ー
展覧所要時間:約1時間
撮影:全て可能
URL:https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/eiarakawanash/
▶︎ 訪問のきっかけ

《メガどうぞご自由にお描きください》という、美術館の床に来館者が自由に絵を描ける参加型の作品を知りました。
普段から長女が「美術館はつまらない!」という主因は「アートに触れない」ことです。しかも、子供はお絵かきが大好き。これはもう行くしかありません!(結局、長女は行けませんでしたが)
▶︎ アクセス

国立新美術館へは、六本木駅から徒歩約5分。乃木坂駅からは地下道で直結しています。
住所:東京都港区六本木7丁目22−2
▶︎ 国立新美術館とは?

2007年、独立行政法人国立美術館に属する5番目の施設として開館しました。以来、コレクションを持たない代わりに、人々がさまざまな芸術表現を体験し、学び、多様な価値観を認め合うことができるアートセンターとして活動しています。

(独)国立美術館とは、文部科学省を主務府省とする団体です。国立新美術館は、1)東京国立近代美術館、2)京都国立近代美術館、3)国立西洋美術館、4)国立国際美術館に次いで、30年ぶりに新設されました。

開館のきっかけは、大きな美術団体の公募展が東京都美術館の年間スケジュールを占拠していたため、他の団体展を開催できなかったことだそうです。

国立新美術館は、収蔵品をもたないため、英語表記は「The National Art Center」としています。
▼ 十和田市現代美術館も、英語表記は「Towada Art Center」
建築は、黒川紀章が生涯で最後に担当したものです。コンセプトは「森の中の美術館」。延床面積約は49,830㎡で日本最大。館内には、12の展示室があります。
私の思う、この美術館の良いところとしては、1)建築が格好いい(何度行っても撮りたくなる)、2)展示室が広い、3)ロッカーやベンチが充実している、4)近辺にたくさんの美術館などが集積している、ことです。

また、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供も、国立新美術館の特徴の1つです。例えば、展覧会のカタログは、計117,447冊(2024年3月時点、日英含む)も収蔵しているそうです。

展覧会情報検索「アートコモンズ」では、2007年以降、日本で実施された展覧会の情報を網羅的に閲覧できます。展覧会が終わると、HPが上書きされてしまう展覧会もあるため、過去の展覧会を調べる際は便利ですネ。

ロゴのデザインは、佐藤可士和によるもの。全ての角が、開かれているのは「開かれた<新しい場>」をイメージしている、とのこと。

▶︎ 「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」感想

2000年代から国際展や美術館でパフォーマンス・アートを発表してきた米国在住のアーティスト、荒川ナッシュ医のアジア地域においては初めての美術館での個展です。(略)誰でも美術館の床に絵が描ける作品など、入場無料でどなたでも楽しめる本展は絵画とパフォーマンスの近しい関係を探る新しい試みとなるでしょう。子ども、絵画、歴史、音楽、身体、会話、そしてユーモアがアンバランスに作用しあう荒川ナッシュの展覧会。


会場に入って最初にあるのは《メガどうぞご自由にお描きください》。吉原治良の《どうぞご自由にお描きください》をリスペクトした作品だそうです。私にとって、今回のメインイベントです。

この展覧会が有料であっても、この作品のために来場したと思います。子供にとって「美術館はつまらない」というイメージを崩す、楽しい経験になりました(と想像しています)。ただし、それ以外にどういうメッセージや意図があったのか、よく分かりませんでした。




荒川ナッシュ医は1977年福島県いわき市生まれ。1998年からNY、2019年よりLAに住む米国籍のクィア・パフォーマンス・アーティスト。渡米する前は、荒川医として活動していたようです。
"国立の美術館では施工屋さんの入札のために、半年前には細部まで決定しないといけない難しさがある。ストレスフルな矛盾が生まれたらどうしよう。なぜならパフォーマンス・アートは実際に始まってみて、観客の前で生成中に成長するのです。わたしの人生で間違いなく一度きりのこの展覧会。ユーモラスにお届けしたい!"


「クィア(Queer)」とは、LGBTQ+の「Q」にあたり、性的指向や性自認が明確でない人を指します。実際、荒川ナッシュ医は、同性パートナーの夫・フォレストとともに、卵子提供と代理出産を経て、2024年12月30日に双子の赤ちゃんを迎える予定です。
また、荒川ナッシュ医は、さまざまな作家との協働でアートを制作することが特徴です。この展覧会でも、20世紀から現代の20人以上の画家(ポップスター)の作品や、それらとコラボレーションした作品が展示されています。

会場では、若い来場者の姿が目立ったのは意外でした。現代アートの展覧会中でも、特に取っ付きにくい内容だったためです。何かの教育プログラムに組み込まれているのでしょうか。


会場に大きな壁の仕切りはあるものの、どのセクションにも行きやすい構造になっていました。そのため、特に順番に強制されず、(私を含め)来場者は自由に各セクションを行き来していました。





会場には、枠に捉われないアートや、参加型のアートも多く、四方からさまざまな音が聞こえてきます。私が今までにあまり体験したことのないタイプの展覧会でした。「もう何でもあり」という印象でした。

定期的に、クラブミュージックがドコドコ流れる
雰囲気に面白みは感じたものの「展覧会は話しながら自由に楽しみたい派」の私でさえ、もう少し落ち着いて鑑賞したいと思いました。さすがに会場がカオス過ぎました😅

この展覧会のために松任谷由実が作曲した「小鳥曜日」が流れる


普段はPK80が置いてある休憩スペースに、ビーズクッションが無造作に置かれていました(ビーズが少なくて意外とお尻が痛かった…)。



パフォーマンス・アーティストならではの雑多な展覧会で、普段の展覧会とは全く違う雰囲気を味わうことができました。ただし、荒川ナッシュ医は、来場者に何を伝えたかったのか、会場が無秩序過ぎたため、よく理解できず、評価不能でした(何か強い思想をもっていることは理解できました)。

▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?荒川ナッシュ医を知る良い機会となったことに加え、《メガどうぞご自由にお描きください》は貴重な経験となり、私も子供も記憶に残る展覧会となりました。ただし、全体的にカオス過ぎたため、一体何を伝えたいのか、メッセージ性がよく分からず、評価不能でした。
▶︎ 今日の美術館飯

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