展覧会レビュー:川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり@東京オペラシティ アートギャラリー
6年ぶりの川内倫子さんの個展。
写真作品がメインで、彼女の淡くてアンニュイな世界観は独特。
映像作品もいくつかあり、部屋全体を使ったような作品もあります。
緊張した心構えで鑑賞する必要はなく、ただ純粋な気持ちで見ると、ノスタルジックだったり、日常に潜むアートを改めて感じることができます。
普段アートや写真に触れない人も、新鮮な気付きが得られ、おすすめです。
私が川内倫子さんを知ったのは、6年前に東京都写真美術館で開催された展覧会で、山焼きのスタティックな作品や、淡い白飛びしたような写真、独特な作品の配置が印象的で好きなアーティストの一人になりました。
(その他に私の好きな日本の写真家は梅佳代さんなど)
写真だけでなく、映像を使ったインスタレーションがいくつかあるが、これらが写真よりも良く、気づきが多くありました。
定点的に日常や自然の景色を切り取って撮影・録音された動画は、静的な空間も相待って没入感があります。
加えて、普段何も感じず通り過ぎるような日常的な映像を改めて見ると、ノスタルジックだったり、知らない土地の映像でも見たことがあるような不思議な感覚に陥りました。
岡本太郎は「アートは石ころと同じだ」と言ったが、同様に、私は、このような「日常」がアートであると気付かされる作品が好きだと再確認。
写真はただシャッターを押すだけの作品でも、そこには「思想又は感情を創作的に表現」がある著作物です。
特に川内倫子さんのフィルターを通した、カット選びや露出の使い方には特別な世界観を感じます。
さまざまな嫌な事件が続く昨今であるが、彼女の「雑音のない世界観」を見ていると、心がフッと暖かくなりました。
通常、オペラギャラリーは大きなホワイトボックスを使った展示が多いが、この展示会は部屋を独特に区切って、それぞれに名前が付けられています。
この部屋割りや、キュレーションも彼女の作品の一つだと感じました。
写真にこだわりがない人でも、普段美術館に行かない人でも、新鮮なものの見方が見つかる素敵な展覧会だと思います。お勧め。


















展覧会名:川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり
場所:東京オペラシティ アートギャラリー
満足度:★★★★☆
会期:2022.10.8 sat. – 12.18 sun.
アクセス:初台駅から徒歩約5分
入場料(一般):1200円
事前予約:不要
展覧所要時間:1.5時間
展覧撮影:可能
URL:https://rinkokawauchi-me.exhibit.jp/
いいなと思ったら応援しよう!
Thank you for your support!