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【展覧会レポ】ポーラ美術館「カラーズ ー 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」

【約4,400文字、写真約60枚】
ポーラ美術館(箱根)で「カラーズ色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」を鑑賞しました。その感想を書きます。

▶︎ 結論

「カラーズ」展のために箱根に行く、十分な価値がある展覧会でした!それは主に、1)キャラが濃い有名作品がわんさかあって楽しいこと、2)改めて作品の「色彩」に注目することで、新しい発見があったたためです。会期は約5カ月と長め(会期無休!)。普段はアートに興味がない人でも、是非、訪問をオススメします。

おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
展覧会名:カラーズ ー 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ
場所:ポーラ美術館
会期:2024年12月14日(土)~ 2025年5月18日(日)
休館日:会期中無休
開館時間:午前9時〜午後5時
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
アクセス:強羅駅からバスで約10分
入場料(一般):2,200円
事前予約:必須
展覧所要時間:約1時間
撮影:半分くらい可能
URL:https://www.polamuseum.or.jp/sp/colors/


▶︎ 訪問のきっかけ

美術館の入り口

家族で箱根へ旅行が決まりました。そこでポーラ美術館に行くと決めた理由は、1)開催中の「カラーズ展」の評判が高い、2)同行する人がポーラ美術館に行ったことがなかった、3)私が初めて行った時(2019年8月)に満足度が高かったためです。

前回の訪問(2019年8月)

▼ POLA MUSEUM ANNEX(銀座)の感想

▶︎ アクセス

大自然の中にある美術館

ポーラ美術館へは強羅駅からバスで約10分。なお、強羅駅へは、小田原駅から電車でもバスでも、約50分で到着します。

▶︎ ポーラ美術館とは?

佐藤忠良《鈴木常司像》

ポーラ美術館は2002年にオープン。(公益)ポーラ美術振興財団が運営。コンセプトは「箱根の自然と美術の共生」。モネ、ピカソ、フジタをはじめとするコレクションは、ポーラ創業家2代目の鈴木常司つねし(1930-2000)が約40年にかけて収集したものです。現在の収蔵作品数は約1万点。

とても辺鄙な場所にあるため、アクセスは悪いです。しかし、森の中に溶け込む美術館の設計は居心地がいいです。建物の高さは地上から8mしかなく、展示室は地下1〜2階につながります。初訪問時、エスカレーターで下階に進むと、建築の美しさに驚くと思います。

ヘンリー・ムーア《「坐る女」のための習作》
山口歴の作品群。どれも格好いい!
山口歴《MÖBIUS No. 18》
ケリス・ウィン・エヴァンス《 照明用ガス…(眼科医の証人による)》

▼ エヴァンスの展覧会@エスパス ルイ・ヴィトン東京

細部への美意識が感じられるロッカーキー
美術館では珍しいキャリーケース置き場
チケット

▶︎ 「カラーズー色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」感想

展覧会の入り口

本展覧会は、近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、色彩の役割についてあらためて考察するものです。(略)19 世紀の印象派や新印象派をはじめ、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の歴史を、おもに絵画や彫刻、インスタレーションによって読み直します。

公式サイトより

要は、19世紀の印象派から、21世紀の現代アートまでの幅広い作品を「カラーズ(色彩)」を通じて、楽しむ展覧会です。

会場は大きく2つに別れています。第1部は海外作品が中心、第2部は日本の作家が中心でした。

撮影区分

概ね半分の作品が撮影禁止でした。撮影可能エリアでも、撮影禁止の作品が混在しています(その逆もしかり)。そのため、会場内の様子を、引きで撮影している人がいると「すみませんっ!」と看視員の方がすっ飛んできます。

✔️ 第1部:光と色の実験(地下1階)

第1部の紹介

私が初めてポーラ美術館を訪れた時、モネ、ルノワール、スーラ、シニャックなど印象派の素晴らしい作品群が収蔵されていた点が印象的でした。

1文字ずつデカールで壁に貼られたキャプション(こだわりを感じる

冒頭で杉本博司の作品群(初めてカラー作品を見ました)が展示された後、印象派の作品が並んでいます。

会場内の様子
クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》
クロード・モネ《睡蓮》

「印象派」とは、対象を「印象」で描いた作家・作品を指します。プレ印象派の時代は、形状や色彩を忠実に表現することで、見る人から高く評価されました。

しかし、ポスト印象派の時代は、モネ《印象 日の出》を筆頭に「描いている人、見ている人にとって、同じ対象でも<色彩>は違って見えんねんから、それをそのまま表現してもええねん!」という発想の転換が生まれます。

ベルト・モリゾ《ベランダにて》
ハーマイオニーみたいで可愛い
クロード・モネ《バラ色のボート》

色彩」という角度で作品を見ると、ポスト印象派のアーティストは、どの人も「クセが強い」です。みんな、眩暈がするほど「キャラが濃いなぁ」と改めて感じました。

ジョルジュ・スーラ《グランカンの干潮》
ポール・シニャック《フリシンゲン湾》
ゴッホ《アザミの花》
力強いマチエール

また、作家それぞれ好きな色があると気づきました(マティスは赤、ピカソは青、藤田は白など)。「私の好きなカラーズは何やろうなぁ」と考えてしまいました(ファッションで考えると、黒、白、青という平凡な答えでした)。

ワシリー・カンディンスキー《支え無し》
ロベール・ドローネー《傘をさす女、またはパリジェンヌ》
マティス《リュート》

撮影禁止作品の中に、ジャッドの無機質な立体作品、カプーアの吸い込まれそうな漆黒の作品なども展示されていました。

▼ カプーアの展覧会@GYRE GALLERY(表参道)

ベルナール・フリズ《Rivka》

▼ 植島幹九郎も大好きなベルナール

展覧会のメインビジュアル

展覧会のメインビジュアルで「カラーズ カラーズ カラーズ…」と、6回繰り返されると、自然と「色彩」を意識して鑑賞してしまいます。展覧会に明確なコンセプトがあると、新しい発見も見つけやすくなります。

会場内では、様々な「色彩」に気づくことができました。濃い、淡い、強い、薄い、一色、カラフル、グラデーションなど。また、ライティングによっても、色彩の印象は大きく変わります。

前田信明《UB21-0210》ほか

この展覧会ではまさに、十人十色(人はそれぞれ好みや意見が異なっていること)という普遍的な真実に気づくことができました。

✔️ 第2部:色彩の現在(地下2階)

第2会場は地下2階

第2部では、各アーティスト別に作品がまとめて展示されていました。第1部とは違い、ほとんどが日本人の作家でした。

坂本夏子《Window for Bob》
ヴォルフガング・ティルマンスの作品群
会場内の様子
門田光雅《Logos》
まるで白髪一雄のような力強さ
山田航平の作品
伊藤秀人《CELADON: FLAT》
小泉智貴《Infinity》
山本太郎《羽衣バルーン》

「カラーズ展」では、山本太郎《羽衣バルーン》が特に気に入りました。エッジの効いた、クスッと笑ってしまうユーモアのある作品は惹かれます。

山本太郎《A Pink x Blue Great Wave A.P.》ほか
山本太郎《Flowers Iris 1 pink 1 yellow 1 orange 2 red green background》ほか
草間彌生作品の注意書き
この部屋の中で実施

第2部のフィナーレとして、草間彌生《無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の無限の光》が設置されています。人数を制限し、鑑賞時間は30秒しかありません。草間彌生の鏡を使った作品の中に入り込んだのはほぼ初めてでした(穴から覗いたり、箱に顔を突っ込んで鑑賞したことはありましたが)。

草間彌生の鏡を使った作品@国立新美術館(2023年8月撮影)

空間に入ってみると「これ、まんまチームラボやん」とツッコミを入れてしまいました。繰り返し映される世界では、楽しいと思う一方、毒々しく、パラノイヤ的な草間彌生の心境も感じました。

草間彌生《無限の鏡の間-求道の輝く宇宙の無限の光》

全体を通して、キュレーションにストーリー性はほぼないと思いました。とにかく有名作家が勢揃い!インパクトでゴリ押し!ちょっと疲労感を覚えるくらい、作品ごとのキャラが濃い展覧会でした。

格ゲー(ストリートファイターIII)で例えるなら、ガードしているのに、スーパーアーツぶっ放しでゴリゴリHPを削られている感じです。

普段はアートに造詣が深くない人にとっても、軽い気持ちで「おぉ〜」と楽しめる展覧会だと思いました。

✔️ ポーラ美術館コレクション選

ポーラ美術館の良いところは、収蔵しているコレクションが素晴らしいことです。ポーラ美術館に初めて訪れた時「こういうコレクションが土台にあるからこそ、素敵な建築と企画展が成立するんやなぁ」と思いました。

ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》
会場内の様子
エミール・ガレ《草花文耳付花器》

一つの空間に、ドガ、ガレと来て、三島喜美代が展示されていました。私の好きな三島喜美代の作品が、歴史的な大家と並んでいることがとても嬉しかったです。

三島喜美代《Box Sunkist-17》

▼ 三島喜美代の展覧会@練馬区立美術館

撮影禁止でしたが、ピカソ《シルヴェット・ダヴィット》は「まんま漫画やん」と、思わずツッコミを入れたくなる絵でした。

ピカソ《シルヴェット・ダヴィット》(画像引用

✔️ 新収蔵 ピカソ ヴォラール連作100

「ヴォラール連作」はピカソが1930年代に手掛けた全100点の版画です。100点には、特にストーリーはなく、様々なテーマで描かれています。中には、下書きとも思えるような作品もあったため「どういう気持ちで版面を削ったんやろう…」と思いました。

✔️ ミュージアムショップ

地下1階のミュージアムショップ

ポーラ美術館のミュージアムショップは、センスが良いです。私は「美術館でポストカード以外は買わない」と決めています。しかし、ついついポーチを買ってしまいました。こんなん、なんぼあっても良いですからね。

ポーラ美術館オリジナルポーチ
買ったポストカード。ケリス・ウィン・エヴァンス《 照明用ガス…(眼科医の証人による)》

▶︎ まとめ

もらったポストカード。ジョルジュ・スーラ《グランカンの干潮》

いかがだったでしょうか?とにかく、インパクトのある作品が目白押し!とても「鑑賞した感」がある展覧会でした。また、改めて作品の「色彩」に注目することで、アーティストはまさに、十人十色であることを再認識できました。箱根観光に来た際、「カラーズ」展は特にオススメです!

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