【展覧会レポ】スパイラルガーデン「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」、ライカギャラリー表参道「In Conversation」
【#287、約4,800文字、写真約60枚】
スパイラルガーデン「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」、ライカギャラリー表参道「In Conversation: A Photographic Dialogue Between Elliott Erwitt and John Sypal」に行きました。それらの感想・レビューを書きます。
※ スパイラルガーデンの会期は終了しています。
▶︎ 結論
写真、カメラ、ライカが好きな人にオススメの展覧会でした。それは主に、1)ライカの歴史、特徴を再認識できた、2)エリオットの代表作をコンパクトにたくさん見られたことによります。カメラ企業が主催する展覧会はクオリティが担保されているため、ハズレが少ないです!
▼ カメラ企業の展覧会
展覧会名:ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀
場所:スパイラルガーデン
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
会期:2025年10月18日(土)- 10月26日(日)
休館日:なし
開館時間:11:00 - 19:00
住所:東京都港区南青山5-6-23
アクセス:表参道駅から徒歩約3分
入場料(一般):無料
事前予約:必須
所要時間:約1時間
撮影:植田正治と福山雅治の写真以外は可能
URL:こちら
展覧会名:In Conversation: A Photographic Dialogue Between Elliott Erwitt and John Sypal
場所:ライカギャラリー表参道
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★☆☆☆☆
会期:2025年10月1日(水)- 2025年11月30日(日)
休館日:月曜
開館時間:11.00 am - 7.00 pm
住所:東京都渋谷区神宮前5-16-15
アクセス:表参道駅から徒歩約10分
入場料(一般):無料
事前予約:不要
所要時間:約30分
撮影:すべて可能
URL:こちら
▶︎ スパイラルガーデン「ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」
✔️ 訪問のきっかけ

きっかけは2つ。1)スパイラルガーデンの展覧会にほぼ行ったことがなかった、2)貴重な写真も展示されると聞いて、興味が湧いたためです。

▼ ライカギャラリー東京
✔️ アクセス

スパイラルガーデンは、表参道駅から徒歩約3分とアクセス良し。

✔️ スパイラルガーデンとは?

スパイラルは、1985年10月、株式会社ワコールが「文化の事業化」を目指して東京・青山にオープンした複合文化施設を拠点として活動するアートセンターです。(略)スパイラルの活動テーマは「生活とアートの融合」。現代美術を軸に、ファッションや建築、デザインなど多岐にわたるジャンルの展覧会を手掛けるほか、パフォーミングアーツや映像など多彩なプログラムを紹介し、既成概念にとらわれない自由で多様な文化の発信に努めてまいりました。
スパイラルは下着メーカー・ワコールの子会社・ワコールアートセンターが運営するビルです。ワコールの本社は、京都駅のすぐ近く。バブルで儲かったキャッシュを使うため、(ワコールは社会的役割とは言いつつも)本業とは直接関係のないアートに投資したのでしょうか。

サマリー資料から作成
現在、下着業界は、華美なものから、着用してラクなものへシフトしています。そのなかで、ユニクロのワイヤレスブラやブラトップなどの台頭により、ワコールの業績が停滞。毎年ほぼ赤字、ROEも非常に低水準です。
ワコールは近年、京都や福岡の不動産を売却しました(2025年3月期の事業利益は赤字な一方、営業利益は黒字)。スパイラルの売却も検討もしているのでしょうか。スパイラルを購入した時の経営者に忖度するなど、売却できない事情があるのかも。

統合レポートを見ると、レガシーな男性ばかりが掲載されていたため、女性の下着を開発・販売する企業として、強い違和感を感じました。そのような点が、業績低迷の理由の1つだと思わざるを得ません。
また、ファンデーション・ランジェリーが売上の81.4%を占める成長の源泉であるにもかかわらず、具体的な商品の写真や強みの説明がない点も不思議です。
さらに、サステ項目は、方針の記載ばかりで、具体的な取り組みの説明が希薄。記載があってもピンポイントの活動が多く、事業とサステナビリティの「統合」が、全く読み取れませんでした。
閑話休題。スパイラルの設計は、槇文彦(2024年没)によるもの。槇文彦は、国内外で、多くの建築に携わっています。私が行ったことがあるのは、テレビ朝日本社ビル、幕張メッセのみ。建物の雰囲気は「モダンだけれど、突飛ではない」という感じでしょうか。

✔️ 展覧会 感想

1925年、ライプツィヒで開催された春季見本市でついに「ライカI」を発表。写真の世界に大きな変革をもたらして以来、今年で100年の時が経ちました。(略)歴史を振り返るとともに、写真を通じて深い絆で結ばれた植田正治と福山雅治による二人展、(略)世界的写真家による作品展示など、ライカの伝統と文化を多角的にご紹介します。

会場は大きく2部構成。廊下のギャラリー部分は、植田正治の作品や、今までのライカに関する資料が展示、丸いアトリウム部分は、ライカの年表や過去のカメラ、グッズなどが展示されていました。
なお、ギャラリーやアトリウムのレンタルは、1日で¥770,000(税込)とのこと。9日開催で、賃料だけで約700万円かかっています。

植田正治はライカを使っており、1998年に福山雅治を写した「FUKUYAMA」シリーズを発表。鳥取県にある植田正治写真美術館は、私がいつか行きたい美術館の1つです。

福山雅治がライカで撮った写真は、すべてカラーでした。先入観があるのか、どうしても一般人的なスナップに見えてしまいました。特に、ライブの観客を写した作品は、一気に作品性が削がれた印象を受けました。

会場には、写真作品がたくさんあると予想していたため、少し残念でした。私が期待していたエリオットの作品群は「ライカギャラリー表参道」で展示されていると知りました。





「ライカI」が発売された当時、小型・軽い・丈夫・すぐに撮れることが評価されたそうです。現在でいうRICOHのGR的なポジションだったのかな、と思いました(GRは丈夫さを強みにしていませんが)。


現在の各社デジカメは、機能はどれもどっこいどっこい。その中で、微妙な性格の違いやデザイン、処理能力で差がついていると思います。その中で現在、日常使いカメラとしてのライカは、どのくらいの価値があり、競合と比べてどのようなポジションなのでしょうか。





値段は1,600,000円
ライカの強みは、レンズとシンプルな操作性でしょうか。ライカのデジカメとしての性能は「?」であることに加え、値段も高いため、ライカは本当に嗜好品の域にあると思いました。




この展覧会は、ライカファンは楽しめるイベントだったのかもしれません。完全時間予約制でしたが、来場者のキャパシティはほぼ最大でした。

ライカがもつ他社にない強みは何か?私には、100年続く歴史しか理解できませんでした。「これ欲しい!」と購買につながるような魅力、機能が伝わってこないことが残念でした。
例えば、現在購入できるすべての機種(もしくは代表的な機種)を、わかりやすいセールスポイントとともに、展示するなど工夫できたと思います。
110年、120年、130年の時、ライカはまだ存在しているのか考えてしまいました。オールドファンだけでなく、今のうちに若者からの支持を拡大しないと、未来はなさそうです。まずはXで「Leica Camera Japan」のアカウントを開設するところから始めてはどうでしょうか…。





▶︎ ライカギャラリー表参道「In Conversation: A Photographic Dialogue Between Elliott Erwitt and John Sypal」

✔️ 訪問のきっかけ

スパイラルガーデンで、エリオットの展覧会は「ライカギャラリー表参道」で実施していると知ったためです。また、私はもともと、エリオットの作品が好きです。エリオットのように、ほのかにウィットとエスプリが混ざったような写真を、私も撮りたいです。

▼ ライカギャラリー表参道の柿落とし
✔️ 展覧会 感想

写真界の巨匠エリオット・アーウィットと、東京を拠点とする米国人写真家ジョン・サイパルが出会い、時代を超えた写真の対話を繰り広げます。巨匠アーウィットは、歴史的瞬間から日常のユーモラスな一コマまで、軽やかかつ知的な眼差しで切り撮ってきました。一方、サイパルは現代東京の街角で、偶然訪れる一瞬を逃さず捉える鋭い感性で知られています。
タイトルが長い上に、タイトル、サブタイトルの中に、Conversation(雑談、おしゃべり)とDialogue(対話)と、ニュアンスが異なる2つの言葉が入っていることが気になりました🤨


ワンフロアの小ぶりな展示室ですが、質の高い作品が多く並んでいました。



会場には、エリオットの写真を軸に、そのコンセプトに似たサイパルの作品が並んでいます。確かに、サイパルの写真に、エリオット的な感性を垣間見ました。

1つ:165,000円


この展覧会は、エリオットの代表作品がたくさん展示されており、それをゆったり鑑賞できただけでも満足でした(しかも無料!)。


私が好きな写真は、㋓:何もない絵を鑑賞する観客、㋚:ペッパーくんと話す女の子の作品でした。どちらもニンマリしてしまう一瞬の風景が切り撮られています。







子どもはコレが気に入ったらしい
▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?ライカが主催する展覧会のため、一定のクオリティが担保されていました。ライカの歴史や特徴を改めて知れたことに加え、私の好きなエリオットの代表作を間近でゆっくり見られてうれしかったです。ライカギャラリー表参道は、目立った存在でないものの、表参道のオススメスポットです!
▶︎ 今日の美術館飯




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