観てきた!『We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関⻄万博』うめだ/中之島でデジタルアートや映画 パフォーマンス 伝統工芸の魅力を体感
羽田空港から、わずが3時間半で行ける 海外・台湾。
台北の夜市で屋台料理を味わったり、ノスタルジックな九份の街並みを楽しんだり、多様な文化と歴史が入り混じった魅力的な場所ですよね。もう何度も滞在したことがあるくらい大好き!という方も多いのでは。
そんなアジア旅の行き先として大人気の台湾が、大阪・夢洲で開催中の「大阪・関西万博」と連動し、大阪中心部 梅田や中之島エリアの4つの会場で、複合型の文化イベント『We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関⻄万博』を開催中です。

今回、開幕初日の8月2日(土)3日(日)と、現地・大阪で展示やパフォーマンスを楽しんでくることができました!
その模様をダイジェストでご紹介しつつ、8月20日(水)までの会期中に予定されている、イベントやパフォーマンスの数々もご紹介します。
◎プログラムの数々は無料で楽しめます。舞台公演などの一部は、オンラインからの事前予約制なので、それぞれ公式ページなどをご確認ください!
どこで何を開催中???
『We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関⻄万博』
📍 会場 ①|VS.(うめだ・グラングリーン大阪内)

「台湾スペクトル」

会期|2025年8月2日(土)~8月20日(水)会期中無休
時間|10:00~18:00 ※8月8日・9日・15日・16日は17:00終了。
「台湾スペクトル」は、台湾に拠点をおいて活動するアーティストらが、暮らしの中で感じた山や海のうごめきを、美しい色彩を主役に、空間全体で表現したインスタレーション作品です。
3つの空間それぞれで、台湾ならではの地理や、長い歴史の中ではぐくまれてきた独自の文化を、音・色・光を用いて表現したり、現代アートのフィールドで表現したり。
苦難の歴史を乗り越え、その経験を継承しつつ、変化し続けている台湾の方々の力強さと多様性、適応力の高さを垣間見たような気持ちになりました。

STUDIO A「台湾本色」
ビジュアルシアター|ミックススケッチ|ビリーブ・イン・ライフ
「台湾本色」は、ホログラフィック・プロジェクションとアートディスプレイ、照明を組み合わせた没入型ビジュアルシアターです。
時代の移り変わりを表現した映像を追いかけながら、台湾の自然や、光と陰の変化がどのようにアーティストたちの色彩感覚を育んできたのかを追体験することができるそう。

めくるめくような映像作品が投影されます
ストーリーのテーマは、台湾が歩んできた文化と人々の歴史。
表現の自由が厳しく抑圧された時代を乗り越え、絶やすことなく、文化を現代へとつないできた、多くの人々の歩みを表現していました。


静謐な表現や、異空間に迷い込んだような瞬間もあれば、国立台湾美術館の展示室のような空間も登場したり。




15分にわたって繰り広げられる、めくるめく映像作品でした。
V Space「光織自然」
染織クリエイション|自然工芸の色彩|ビリーブ・イン・エコロジー

「光織自然」では、台湾の染織の文化や、山海の記憶、工芸の実践にフォーカス。人と自然が共に織りなすクリエイションをテーマにしていました。
「台湾色彩スペクトル』では、国家工芸成就賞を受賞したアーティスト、陳景林さんと馬毓秀さんが10年かけて取り組んできた、天然染料の研究成果を紹介。
天然染料の原料となる台湾の植物の写真と、そこから抽出し手染めした美しい色彩の布が交互に並んでいます。

圧倒的なカラーサンプルの数々は、日本の伝統色とも共通するようなあたたかみがあって、なんだか心が落ち着くような感覚を覚えました。

お二人は天然染色の素晴らしさをもっと広めるべく、色彩学、染色学、デザイン学といった異なる分野を融合させた、「台湾クラッシック百色」プロモーションプランを立ち上げたそう。

丁寧なテキストがそえられていました
現在は人々の暮らしに応用可能な天然染色のデータベース構築を目指していて、今後、政府が進める「美学教育」と連携し、天然染料資源の開発と応用を目標に、暮らしの美学を継続的に観察、芸術的な表現活動へと展開していく予定だそう。
日本の職人の方々との協業もできそうですし、ぜひ今後もご活動を注目したいなぁと思いました。

また、陳景林さんが、自身と台湾への思いを込めて制作したという、藍染の巨大な山水作品『母なる台湾の河』も初公開されていました。


台湾最長の川濁水溪の悠々たる風景が描かれていますが、これは幼い頃の記憶をもとにしたそう。
制作するにあたって陳さんは、事前に現地でリサーチを重ね、構図を決定するまでに1カ月半ほどかかったうえに、制作にはのべ1,000時間以上を費やして染め上げたそう。
まるで制作を通して、故郷の大自然やご自身の記憶の数々と、丁寧に対話を重ねていったようにも思え、本当に素晴らしかったです。
ぜひ多くの方に、間近でじっくり鑑賞してほしいです。

そして、国家工芸賞一等賞を受賞した楊偉林さんの『回遊』は、彼女が自然から受けたインスピレーションが表現されていて、なんともぬくもりある美しい空間の表現が印象的でした。



悠久の時の流れを感じる作品でした
STUDIO B「島嶼声譜」
音と光のファンタジー|台湾特有の音|ビリーブ・イン・イノチ
「島嶼盤譜」は、台湾のさまざまな音の情景を組み合わせ、音と光が交わるコンテンポラリーな表現へと昇華したインスタレーション作品。
台湾の賑やかでちょっと怪しげな夜の街並みを連想するような色彩のなかで、音をコラージュしたサウンドシアターを展開していました。

山林に響く鳥の鳴き声や、岸に打ち寄せる波、稲田にそよぐ風、都市の街角や寺廟の喧騒など、なんとも不思議な感覚になる、カオス感が印象的でした。

また、アーティストたちが台湾特有種の生物にインスピレーションを得て、神獣のインスタレーションとサウンドステージを結合させて創作した「音のトーテム」は、台湾のミックスカルチャーの豊かさを耳と目で体験することができます。


📍 会場②|大阪市中央公会堂(中之島)

会期|2025年8月2日(土)~8月20日(水)
時間|10:00~現地プログラム終了まで
日本初演の舞台作品『黄翊とKUKA』

イベントでの上演は、残念ながらすでに終わってしまったのですが、わたしは8月3日(日)午後の回を拝見させてもらいました。
会場内は満席、ものすごい熱気でしたよ。
2010年に設立したダンスカンパニー「Huang Yi Studio+」による本作は、セリフが一切なく、ダンサー数名とロボットアームが登場します。
ロボットアームは、まるで自らの意思で人間と対峙し、コミュニケーションをとっているかのようで、初めて観る光景に、本当に驚きました。

また、公演や作品の創作だけでなく、技術的な専門知識を生かし、バリアフリー音声ガイドのシステム開発を通じて文化の平等にも取り組んでいます。本作では2017年から、視覚障害者に向けた音声ガイド版が制作され、今回は声優による日本語吹替版で上演されていました。

振付家の黄(ホアン・イー)さんが、子供の頃から憧れていたという「ドラえもんのようなロボットの仲間」を実現するため、独学でプログラミングを学んで作り上げたという本作。台湾での2012年の初演を皮切りに、世界20カ国・47都市で上演され、100回以上もの公演を重ねてきたそうです。

黄さんが幼い頃に描いたという
ドラえもんのイラストも登場しました
Credit(提供元): ⿈翊⼯作室
今回、実際の舞台を間近で拝見でき、本当に得難い経験をすることができました。なんとも神々しく、でもほんのわずかに違和感や恐怖のような感情も抱いていて、とても不思議な鑑賞体験でした。
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台湾映画の特別上映イベント「台湾映画の輝かしい今昔」
8/11(月)からは、台湾映画10作品を特別上映する、スペシャルプログラム「台湾映画の輝かしい今昔」が開催されます(入場無料・事前予約制)。
1960年代から2020年代まで、台湾を代表するドキュメンタリーや劇映画を、10日間にわたって上映するほか、全作品の上映前には、1970年大阪万博で、台湾電影公司が制作し、翁玉が主演した映画『万博追踪』(Tracing to Expo'70)の修復版映像の特別上映もあるそう。

こちらの完全修復版は9月に一般公開される予定とのこと。どんな作品なのかとても気になっています・・・!
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台湾文学を紹介「マジカル台湾一台湾文学展」

同じく大阪市中央公会堂では、台湾文学の幅広い創作の魅力を紹介する「マジカル台湾一台湾文学展」も開催中です。
6つの展示エリア、「台湾原住民文化」「日本文化の影響」「台湾民俗再発掘」「現代大衆文学」「文学小説のマジック」「詩の中のマジック」で、台湾の神々や妖怪たちの足跡を辿りながら、魔幻・霊異・神仙鬼の視点で、さまざまな時代の台湾文学の新しい一面を感じることができるそう。
展示を企画・担当している台湾文学館は、台湾初の国家レベルの文学館。台湾文学に関する約13万点の遺物や歴史的資料を収集、保存、研究しているほか、展示や活動、教育を通じて、文学の魅力を伝え続けています。
ちなみに、現地の建物は、1916年、日本が台湾を統治していた時代に、旧台南州庁として建てられたものでした。ちなみに戦後は、空軍補給司令部と台南市政府の事務所として使用されてきた経緯があるそう。
建築家 森山松之助さん(東京駅丸ノ内駅舎などを設計した辰野金吾さんに師事した方)が手がけていて、同じく手がけた台湾総督府などと同様、台湾でも有名な近代建築のひとつです。いつか訪れてみたいなぁ。
📍 会場③|こども本の森 中之島

会期|2025年8月1日(金)~8月20日(水)
時間|9:30~17:00
※入場は「こども本の森 中之島」公式サイトからの事前予約制
台湾絵本、佮意啦(がーいーらー)!

大阪市中央公会堂から徒歩3分くらいの場所にある「こども本の森 中之島」では、台湾の絵本を展示し、手に取って読むことのできるコーナーが設置されています。

「台湾原住民」「台湾の民間故事」「台湾の生活」「台湾の食文化」「台湾の宗教」「台湾の芸術工芸」「台湾の自然」という7つのテーマでセレクトされた50冊の絵本。
台湾独自の豊かな文化や歴史について、知るきっかけが得られる空間になっていました。

児童文学と児童図書館の研究や、
絵本の翻訳なども手がけているそう
なお、今週末8月9日10日にはパントマイムの公演が、8月15~17日の週末には、弦楽三重奏と絵本のよみきかせのイベントも開催予定。
こちらは公式LINEから予約が必要とのことなので、ご確認を。

📍 会場④|中之島・大阪市中央公会堂前 東広場
会期中、大阪市中央公会堂の前では、特設ステージが設けられ、大型パペットによる演劇や布袋劇(台湾人形劇)、神将、マーケットの開催など、さまざまプログラムの開催が予定されています。
わたしは、開幕初日に開催された、台湾の現代舞台芸術チーム「芸術報国 Ars Association」による大型パペットの演劇『アイラ:中之島の出会い Ayla - Strolling in Nakanoshima』を鑑賞しました。
冒頭、パフォーマーの方々が現れて

そのうちのお一人が、大きなパペット・アイラのもとへ

大人も子どもも思わず息をのんで見守る中、目を覚ましたアイラが、ゆっくりと立ち上がり、歩きだすと、途端に空気が変わりました。


5人のダンサーが共同で操作する、全長4.2メートルの アイラ。
未来からやってきた小学生で、絵筆でこの世界の文化や自然を記録し、未来の仲間たちに伝えようとします。

セリフがなく、音楽とパフォーマーの表現のみの物語でしたが、多くの子どもたちが食い入るように観ている様子がとっても印象的でした。

📍 イベント会場と開催プログラム一覧

会期中のさまざまプログラムとスケジュールはこちらからご確認ください!
📍 大阪・関西万博会場での特別企画「廟前の感謝の舞台」

そして、大阪・関西万博会場内、ポップアップステージ北では、特別企画「廟前の感謝の舞台」を8月26日(火)~28日(木)の3日間限定で上演されます。

廟前とは、廟(お寺や祠)の前、または廟の境内の意味で、台湾において廟は、単なる宗教施設や礼拝の場ではなく、地域の人々の集会所や、人々の心の拠り所、文化の中心のような役割も担っているそう。
本作は、総監督・杜思慧(TU Shih-Hue)、音楽監督卓土(JUO Shr-Yau)のもと、台湾各地から集結した9組のアーティストが出演し、台湾の人々が廟埕の前で捧げてきた、天地や神々への感謝や自然への畏敬、伝統文化への深い敬意を表現したパフォーマンスになる、とのこと。
現地を訪れるご予定があれば、ぜひ公式ページから詳細をご確認ください。
限定の公式グッズは VS.(うめだ・グラングリーン大阪内)と大阪市中央公会堂で販売 一部はオンラインでも
現地を訪れて驚いたのが、「We TAIWAN」の公式キャラクター『a-We(以下、『アウィー』)』の人気ぶり。

台湾を囲むフィリピン海とユーラシアのプレートのぶつかり合いで、海底から”ピコッ”と誕生した、という不思議な生命体 アウィー。
無限の学習能力をもち、旅行や宝探し、友達を作るのが大好き。ふわふわぷよぷよ、色やかたちを変えながら、イベントをかわいく盛り上げています。


わたしも眺めれば眺めるほど、そのかわいさにすっかり魅了されてしまいました。見つけたらぜひ手にとってみてくださいー!!!

まとめ

『We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関⻄万博』は、大阪中心部 梅田や中之島エリアの4つの会場で、8月20日(水)まで毎日開催中です!
灼熱の暑さが続く大阪ですが、台湾の文化芸術に親しんでみてください✨
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