社会人芸大生が勉強の合間に買って読んだアート関連書籍・2020下半期編
皆さま、本、読んでますか?
今年の6月に掲載して、多くの方に読んでいただけた上半期編の記事。(ありがとうございました!) ってことで、下半期編もお届けします!!!
あれから半年経ちますが、引き続き、時間に余裕ができた方、テレビはもうなんだか疲れるから観なくなった方、思うところあって意識して本を手に取った、なんて方も多かったことでしょう。
わたしは、といいますと、下半期は本当に、勉強勉強の日々でした・・・。
そのため、順調に積ん読を増やした日々でもありました。
が!
積ん読することに、以前ほどのもやっと感を抱かなくなったのです。
なぜなら、昨年参加した大学のスクーリング授業「インタビューと取材論」の講師の方が仰っていたのです。
「本屋さんの店頭や、新聞の書評などを読んで、お!と思った本、興味を持った本は、可能な範囲でかまいませんから、ぜひなるべく買ってください。積ん読でも、意味があるんです。それに、読めそうなときにすぐ手に取って読めるのが大事ですから。」
以降、本を買うペースが増したのは言うまでもありません・・・。
あと、そもそもアート系の本は特に、装丁が素敵なんですよ。だから手に取りたくなる。置いておきたくなります。
電子書籍も利用しますが、昭和生まれだからか、紙そのものが好きだからか、やっぱり印刷物の”書籍”の形で、手元に置いて、読みたいんですよね。
と、いうことで、年末年始のお供にぜひ!参考になりましたら嬉しいです。
◎眺めているだけで眼福系

●『美の器 牟田陽日(むた ようか)作品集』
Twitterでたまたま作品をお見かけし、驚愕した、九谷焼の作家さんの初・作品集です。手のひらサイズのうつわに、地球が、宇宙が、森羅万象が、すごい世界が繰り広げられています。
わたしは束芋さんや松井冬子さんの作品の世界が好きなのですが、牟田さんの作品にも、何だか通ずるものを感じたから、こんなに惹かれたんだと思います。
この書籍が発売されたタイミングで、日本橋丸善で行われた作品の展示販売会にもお邪魔しましたが・・・なんと言うか、形容しがたい狂気をはらんだ美しさと存在感で、目が離せなくなってしまいました。
この作品集は、そんな作品たちの佇まいをしっかりととらえた写真が収められてるなぁと思います。
でも、この本、ぐい呑みとか茶碗とか、結構、実物サイズより大きく掲載されているんですよね・・・個人的には、巻末の作品リストをご覧いただいて、実物サイズを想像いただきたいです、かなり驚かれるかと。
しかも、やきもの、ですからね、この絵の繊細さで。
●『箱中天』
展覧会などに行って ”あの箱の中、どうなってるんだろう・・・”なんて思ったこと、ありませんか?(・・・あれ?わたしだけ?)
こちら、ざっくり言うと、いろんな日本の古い箱の”中身”を紹介している本です。ちょっと、というか、だいぶ、マニアックかもしれませんね・・・。
大名が花見をする時の弁当箱に始まり、化粧道具箱や算盤付の硯箱、携帯型の蓄音機、手提げ煙草盆にステレオビュアー、紙製フィルム映写機などなど、ユニークなアンティークの箱をオールカラー写真でご紹介。
(中略)
どれも小さな箱ながら様々な仕掛けが施され、様々な道具が綺麗に収まるように考え抜かれており、職人たちの拘りから生まれるアイデアは無限大。
さながら、箱の中に広がる小宇宙ともいえる、先人たちの技術の粋をご覧ください。
箱の中の小宇宙。日本人が得意、かつ、好きな世界、ですよね。はい、わたしも大好きです。
掲載されている品々がまた!どれも素敵なんですよ!!!古い道具が好きなので、ついついじーっと眺めてしまいます。
著者の高橋善丸さんは、大阪を中心に活躍されているグラフィックデザイナー。もちろん装丁も写真もすべて、ご本人です。なので、すみずみまで妥協のないデザインを味わえる書籍でもあります。美しいです。



この本を出される前のインタビューがあったので、よろしければぜひこちらもご覧ください!!!
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◎フィクションのようなノンフィクション
●『江之浦奇譚』

現代美術家・杉本博司さんが、この2020年に執筆した、書き下ろしの一冊です。
杉本さんの壮大すぎるライフワーク、小田原の江之浦測候所の20年にわたるお話がまとめられています。歴史書、ですね。
もちろんご自身で装丁を手掛けられてます。
わたしは、杉本博司さんの、これまでのキャリアのお話も、作品も大好きです。ご興味ある方は、昨年7月に日経新聞に連載された、杉本さんの『私の履歴書』をぜひご一読ください。(無料会員登録で月10記事まで読めます)
2020年は、3月だったでしょうか、銀座のギャラリー小柳での展示にはじまり、7月に京都の京セラ美術館と細見美術館で、10月に森美術館で、と、定期的に杉本さんの展示を楽しむことができ、充実!でした。昨年観た、国立新美術館でのカルティエ展も素晴らしかったです。
しかも森美術館のミュージアムショップには、2008年に金沢21世紀美術で行われた「歴史の歴史」展の図録が置いてあったんです!!!
当時、観に行けずにものすごーく後悔したこともあって、図録の内容と美しさに改めて驚愕。値段に悩みに悩みましたが、結局、購入してしまいました。今はデスクに飾ってあって、年末年始にじっくり読もうと思っています。


小田原のみかん畑に作ったという江之浦測候所。まだ訪れたことがないので、この本を読んでますます行きたくなりました。
が、今の自分が出かけて、その魅力をちゃんと味わえるのだろうか、とも思ってしまいました。訪れるにはまだまだ修行と学びが足りていない感じがしています・・・。
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◎たまたま手に取った1冊、たち

●『仕事場訪問』
銀座の月光荘にポストカード(ユーモアカード)を買いに行ったとき、レジ横に1冊だけ置かれていました。文庫本より少し大きいサイズで、この文字の雰囲気とタイトルになんだか惹かれてしまい、登場する方々も魅力的で、思わず購入。

調べてみると、年2回発行されている美術同人誌『四月と十月』で連載していた同名コーナーを加筆してまとめたものだそう。雑誌名、素敵ですよね。出版社のお名前も、素敵。
もちろん、中身も素敵でした。なんというか、秋~冬の夜が似合う本だなぁ、なんて思いました。
そしてこの文庫のシリーズ、他にも読んでみたい本がいくつもありましたよ。
●『脳から見るミュージアム アートは人を耕す』
脳科学者 中野信子さんの著作は、これまで読んだことがなかったのですが、思いがけずアートがテーマの新書を見つけて、買ってしまいました。
読んでびっくり、2018年から東京藝大の大学院生になっていらしていたとのことで、中野さんならではの視点から博物館学の世界を伝える1冊になっていました。
中野さんが「アートは人を耕す」とおっしゃると、また説得力が変わってきますよね・・・!
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◎ビジネス・実用書系

●『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』
すでに何度か読んでいたのですが、今年下半期、改めて手に取りました。やっぱり秀逸。事例は強い。がらっと世の中が変化した2020年にも通用する内容です。
そして美術館や企業のSNS運営だけではなく、わたしのように個人でSNSやWebを活用して発信している方にも、大いにヒントになる記述が盛りだくさんです。
業界の特性上、Webマーケ系の本って、どうしても情報の賞味期限が短いのですが、こちらはまだまだ発見があります。これは売れ続けてる訳ですな。
今からでも全然遅くないので、未読の方は、ぜひ!

●『虎屋ブランド物語』
こちらはなんと12年前!2008年に出版されたビジネス書ですが、久しぶりに改めて手に取りました。
わたしととらやさんとの出会いは、今からもう15年ほど前(!!!)。開業したての表参道ヒルズ内のとらやカフェと、葛西薫さんのデザインがきっかけでした。
茶道を習い始めてからのここ数年で、本当に和菓子が身近になり、お店の近くまで行くことがあると、必ず季節の生菓子を購入します。あと、小型羊羹も。赤坂のお店も、喫茶も、とらやカフェも変わらずに好きですね。
で、今、改めて読んでみて、月並みすぎる表現ですが、500年近く積み重ねてきた歴史と、変化し続けることの重要性、変化の度合いというか、方向性の定め方の大切さ、などなど、挙げるときりがないですが、やっぱりすごい企業なんだなぁ、だからこそ素敵な方々が集まってくるんだろうなぁ、と思いました。
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◎アート×ファッションな本

●『vanitas』
●『Fashon Talks・・・』
『vanitas』は、ファッションにまつわる批評誌、『Fashon Talks・・・』は、京都服飾文化研究財団という団体が発刊している研究誌です。
『ドレス・コード?』展の会期中、隣接するショップで購入しました。並んでいたバックナンバーの中でも、アートや美術館・博物館にまつわるテーマのものを選んでます。
わたしは、パタンナーを目指して、服飾の専門学校を卒業しました。
ファッションに目覚めた小中学生の頃や、コレクションの映像に見とれていた高校生の頃は、ファッションはアートだと思っていました。それはアートを学んでいる今も変わっていません。
2020年、人と会う機会や出かける機会が減って、わたしは、ファッションって何なんだろう、おしゃれって何なんだろう、装うって何なんだろう、と、考えることが多かったです。クローゼットを整理したという話もよく聞きましたし。
いつか、考えたことを文章にアウトプットしたいなぁと思っていて、その時まで何度も読むだろうなぁと思っています。
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◎展覧会の図録3選
ほんとに、何冊買ったんだ!と自分でも驚く程、今年は特に図録を購入しました。夏に京都に滞在したとき、スーツケースがかつてないほど重くなったのも、図録を買い込んだためでしたね・・・買って帰ってきて後悔なかったですが。
ということで、下半期に手にした図録から、展覧会そのものに興味がない方でも、読み物として面白いんじゃないかな、という3冊を選んでみました。
いずれもネットからポチれます。

まず、左の『KIMONO』は、実はロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館(V&A)のECでポチって、海を越えて我が家に届いた1冊です。
わたしでも買えたので、きっと皆さまも大丈夫!!!買えます!!!
そうなんです、今年はトーハクで着物の大規模な特別展が行われて話題になりましたが、ロンドンでも!着物の展覧会があったんですよ!!!ほんとはロンドンで展示を観たかったー!!!
トーハクの着物展を企画された研究員の方とV&Aのこの展示の企画の方は、長年のご友人同士だそう。2つの図録を見比べるのも楽しいです。
V&Aの図録には、10年以上愛用する HIROCOLEDGE・高橋理子さんも載っていて嬉しい限り!でした。
●『分離派建築会100年展 建築は芸術か?』展
1900年前後〜戦前の文化やデザインが好きなこともあり、この展覧会、非常に好きな内容でした。面白かったです。これがたった100年前の出来事なのかー!と。
そして、今もまだ現存する建物たちに、今すぐ会いに行きたくなりました。
この図録もなかなか凝ってます!紙の質感とか、フォントとか、レイアウトとか、ツボなポイントが多数で、うーん・・・買うしかない、と思ってしまいました。
●『日本美術の裏の裏』展
こちらもとってもよくできた、面白い企画の展覧会でした~本当に良かった。そして図録もとっても良いです。日本美術の面白さだけでなく、手掛けた学芸員の方々の愛も伝わってきます。ほんとに、これだけ読んでも、相当面白いと思いますので、ぜひ!!!コンパクトだし読みやすいですよ。
ちなみに、図録を買うか買わないかの話は、以前、僭越ながら、こだわりをあれこれまとめてみてます。よろしければこちらも!
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◎まとめ
そうそう、上半期に、これから読む本、としてご紹介した分厚い2冊のうち、『哲学と宗教全史』は読みました!!!
大学の勉強やレポート執筆にも大いに役立ちまして、買って良かった・読んで良かった1冊でした。これからもきっと何度も手に取りそうです。
ということで、長々とお読みいただきありがとうございました!!!
いやいや、本、買ってますね、わたし(笑) ここに出してないものが多数ありますし、いくら使ったのかちょっと怖くなりましたが。本だから、まぁいっか!!!

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