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『涙が止まらなかった。そして…強く生きて行こうと思った。』

その昔…
“小劇場演劇”と言うジャンルがあった時代。

「劇団☆新感線」を小さな小屋で…
靴をビニール袋に入れて、床に直に座って観ていた頃。

好きな劇団は星の数ほどあれど、
「大人計画」も、その中の一つだった。

クドカンこと宮藤官九郎さんや阿部サダヲさんは、
まだメジャーなテレビ番組に
そんなに出ていなかったが、
劇団を主催する松尾スズキさんの
なんとも言えない世界観が好きで、
時間があれば舞台を観に行った。

あれから数十年…

松尾スズキさんが
本格的なミュージカルを手がけることを知った。

ロームシアター京都。
『クワイエットルームにようこそ』。

最初は、
楽しくて面白いだけの…歌って踊る舞台だった。

とは言え、
設定は精神科病院の女子閉鎖病棟の特別室と言う
かなり…重い場所。

そんなヘビーな状況を面白おかしく演出するのは
流石の松尾スズキさん。
エッジの効いたジョークが笑いを誘う。

歌と踊りを盛り上げるのは生演奏。
贅沢な布陣だ。

しかし…
第二部から
凄い勢いでテーマの核心に迫って行く。

衝撃的すぎる…意外な展開。

飛び出す台詞に刺激を受けて、
観ている私の…
これまで生きて来た人生が
走馬灯のようにグルグル回り始める。

重なる痛み。
あの時の想い。
よみがえる胸のうずき。

気がついたら…
涙が止まらなくなっていた。

このまま、
この舞台は終わってしまうのだろうか。
だとしたら救いがない。

しかし、
そこは流石の松尾さん。

最高の名作!!
もとは松尾さんによる小説で、
第134回芥川賞にノミネートされるなど
高い評価を受けているだけある。

ハンマーで頭を殴られたような衝撃とともに
爽やかな涙でスッキリ。

まさに感動の嵐!
スタンディングオベーション。
劇場が割れんばかりの拍手で包まれた。

2月11日まで
ロームシアター京都で。


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