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【5/22哲学カフェ振り返り】私たちが何気なく使う「ふつう」って何だろう?

5月22日金曜日の夜、TOKU BOOKSさんではじめての「哲学⭐夜カフェ」を開催しました。

地元の方、隣町の方、そして驚くほど遠方から来てくださった方も! 哲学カフェでは、はじめの自己紹介はごくごく簡単にします。その人の属性や役割を「解く」ところから始めて、まっさらな状態で対話に入るためです。なんでそんな遠くから!と聞きたい気持ちをぐっと抑えて、早速開始です。

今回のテーマは 「ふつうって何だろう?」。日常的に何気なく使っている言葉ですが、いざ掘り下げてみると、人によって全く違う景色が見えてきました。

この場が生まれたわけ

今はスマホさえあれば世界の裏側の人とも話せる時代。でも、身近な隣人とは本質的なことを話せていないのではないか?そんな思いが出発点でした。

私はもともと大学で哲学を専攻し、物事を突き詰めて考えるのが大好きな性格です。いつも頭の中で小難しいことをぐるぐる考えているのに、意外と身近な人とそういう話をする機会は少ない。誰かと話すことで思考が整理されたり、新しい発見があったりする。語り合うことで問題が解きほぐれ、風通しよく解決していく。

思い込みや偏見を脇に置き、フラットな気分で話し合う訓練を積み重ねること。そうやって社会は少しずつよくなっていく気がします。最初は摩擦が生まれて、居心地が悪いと感じるかもしれない。でもその摩擦を超えたところに、誠実な時間が流れる場所があるはず。そんな思いを胸に、哲学カフェを企画しました。


「ふつう」の3つの顔

対話を通じて見えてきたのは、「ふつう」という言葉が、実は3つの異なる意味をひとつの言葉に同居させているということでした。

① 社会の枠組みとしての「ふつう」

まず、外の世界の基準としての「ふつう」。「数が多い」「没個性」「規格から外れない」といった意味合いで、同調圧力として働くものです。悪目立ちせず、みんなが同じ方向を向いて秩序を保つための枠組み。社会の側から私たちに向けられる「ふつう」です。

② 自分を安心させるための「ふつう」

次に、その社会の基準に自分を合わせることで、心の安定を得るための「ふつう」。自分のこれまでの経験から感じる「当たり前」や、期待や予想に合っている状態を「ふつう」と呼ぶことで、私たちは日々安心感を得ています。これは外の世界と自分をつなぐ、いわば緩衝材のような「ふつう」です。

③ 自分の内側にある基準点としての「ふつう」

そしてもうひとつ、今回の対話でとくにわたしが思ったのが、内側にある「ふつう」という視点でした。
「私にとっての普通とは、その人が穏やかに、平穏に過ごせている状態ではないか」——そんな考えが生まれました。外の基準とは関係なく、自分が最もフラットでいられる、自分らしく自然に振る舞える状態。その人だけの基準点としての「ふつう」です。

「ふつう」の中には、願いが込められている

対話の中でハッとさせられたのが、「人は理想を語るときに『普通』と言いがち」という気づきでした。例えば「ふつうの家族」という言葉を使うとき、そこには「こうあってほしい」というその人自身の願いや理想が込められている。

ある人が思い描く「ふつう」は、他の人が思い描く「ふつう」とは当然違います。そのズレに改めて気づけたことは、大きな発見でした。


押し付けないための優しさと、言葉のグラデーション

人によって基準が違うからこそ、「ふつう」という言葉を誰かに向けるときには少し注意が必要です。自分の「ふつう」を押し付けないよう、あえてこの言葉を使わないようにしているという意見もありました。

また、漢字の「普通」とひらがなの「ふつう」では、言葉の持つ柔らかさや守備範囲が変わるという視点もとても面白かったです。何か枠組みを決めて無理に人をカテゴライズするのではなく、ただ目の前の相手に「ふつうに接する」という態度も、大切な優しさのひとつだと感じました。

いろんな「ふつう」を受け入れる

今回の対話を通して、「いろんな『ふつう』を受け入れたときに生きやすくなる」という言葉がとても心に残りました。一つの正解を探すのではなく、それぞれが違う基準を持っていることを前提にする。そうすることで、私たちの毎日はもう少し風通しがよく、息がしやすいものになるのかもしれません。



対話を少し早めに切り上げて、改めて自己紹介タイム。遠方から来てくださった方は、全国各地の哲学カフェを渡り歩いている方だそうです。その話にみんなとても驚いて、思わず誰かが「普通じゃない!」と言ったら——「私にとってはこれが普通なんです」とサラリとおっしゃいました。一本取られた思いです!

「ふつう」という、平凡で身近な言葉の奥深さをじっくり味わうことができた、素敵な夜でした。

参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。また一緒に問いを持ち寄り、共に語り合いましょう。

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