赤と黒 未請求の売掛残と買掛残 貯金の為に、グレーゾーンを超えて行け

こんにちわ。yuriです。
えっと、今日は、商社時代の話をしてみましょうか?
今から、ここに書く話は、多分、現在では違法な会計処理として、扱われるかもしれない話なので、読み物としてだけ、楽しんでいただければと。
間違っても、監査部の承諾なしに、行ってはいけないと思いますよ。
一般に、商社の売り上げ伝票を担当するのは、事務職で、多分、今でも圧倒的に女性の仕事になるのかなぁ?

yuriは、一般職でしたから、普段は売り上げ伝票の打ち込み自体はしませんでした。
yuri自体は、経済学科とか、経営学科をバックボーンにしていたわけではありませんし、簿記の資格も一切持っていませんでした。
商社って何のために存在するか?ですけど、
多分多くの人達は。●▽物産、とか、△×商事、なんてイメージで、大手の大きい、なんか外国との取引って感じかもしれませんね。
販売品の流通の経路を少し書いて見ましょう。

メーカー(ものを作る会社)→商社(伝票だけ通過)→問屋(大手の問屋さん)→販売店(地場の勇者)→小売店(街場の顔)→消費者(私使う人)
業界にもよりますが、ほぼ、このような流れで商品が流れていきます。
商社の特殊性とは?(一般的に)
メーカーから、消費者に終わる一連の流れの中で、唯一、商品が商社に滞留しない。(在庫という観念がない)流通の1ピースということです。
消費者は、在庫ストックヤードを持ちませんが、メーカーから、小売店までは、商品在庫というものを持つということになります。
だから、yuriは伝票だけ通過と書きました。

商品はメーカーから、直接、問屋さんに配達され、商社には、メーカーから、「はい、●×問屋に商品発送しましたよー、お宅のルートで流してるから、請求伝票を送るので、期限通りに払ってねー」そういって、請求伝票が商社を軽やかに通り過ぎて行きます。
流通の中での商社の役割なのですが。流通全体の保険ってとこでしょうか?
流通のショートカットなんて言われて久しい現代ですけれど、メーカーさんは、基本、小売店さんに直接は販売しません。何故か?。
2つの理由があるように思えます。
①小売店さんが求めるような小ロットでは配送できない。
②小売店さん、ちゃんと、潰れないで、支払いできるのか?
主な理由はこの二つになるかと。
大手の問屋さんにしても、支払い能力の問題が常に存在するので、そこの部分は商社にお任せで、代わりに、営業がんばります。というのがメーカーさんの普段の顔になりますでしょうか。
販売しながら、販売先が、ご逝去なさいますと。メーカーさんは、その販売先から、代金の回収まで行わないといけなくなるから、そうなると、遺産を巡っての争いに振り回されてしまいます。正直メーカーさんてそれが一番嫌なんですよね。めんどくさいし。
メーカーは、商品の生産と、販売努力に傾注したいわけですよね。
商社を経由させるということは。代金回収業務を商社に任せて、且つ、ほぼ倒産しないであろうという安心感で、商社を通して販売している。ということでしょうか。

では、商社は絶対に倒産しないのか?まぁリスクが極めて低いってだけで100%ではありません。
松本清張さんの「空の城」なんて、実際のケースをモデルにしたものもありますし。●●アメリカなんて名前は過去に倒産の歴史もあるわけで。
ただし、物産系とか、商事系は、銀行さんと仲良しで、親子的な関係ですし、倒産しそうになったら、全力で守られる可能性は高く、安全という観点での位置づけは高いものとなります。

ある、流通経路での支払い構造を書いてみましょう。
メーカー→商社。ここでの商社がメーカーに支払う期日は、90日の約束手形での支払いとなるかもしれませんね。(メーカーの扱い品目業界によって前後)
では、商社→問屋ではどうでしょう。問屋は商社に対して、120日の約束手形での支払いが一般的かもしれません。
商社はメーカーに対して、90日の約束手形で支払うのに、問屋さんは商社に対して、120日の約束手形で支払う。
平等ではないですよね?
つまり、このケースであれば、つねに、商社は、回収できない、幻の30日分の請求額が存在するということになります。
扱いメーカーが増え、販売先の問屋が増えると、この30日分の債権はどんどん増えていく。

つまり、商社とは相当な資金力が必要ということになります。
30日分の、回収リスクと、約束手形の期日(サイト)が違うものになるため、金利負担が商社には発生するので、メーカーは、伝票通過扱い手数料としての「口銭」を支払う。
これが、商社の利益となるわけです。利益といっても、2~3%がいいところで、流通の末端でのそれとは格段に開きがあります。
商社の伝票は、
【商品A支払額】1、000、000円。
【商品A請求額】1、002、000円。
ということになりますね?。
まぁ、総合商社とは、大規模薄利多売組織ということになりますから。
総合職1名を養うために必要な売り上げは、単純に給与に、会社が負担する社会保険料や経費を考えると最低、5千万円程度は売上てもらわないと困っちゃうんだぞーってことになるわけです。

今度は、ちょっと違う角度でみましょうか。
じゃ、商社は、その売り上げを稼ぐために、どこにでも販売できるのか?という問題です。
既存販売先でも年に一度は、その販売先の決算書を元に考えます。
特に新規の場合、販売する前に、本社の怖いおじさまの部署。
審査部ってとこに、ここ売りたいんですけど?いいですかぁ?ってお伺いを立てないといけないのです。
その先が、販売先としてふさわしいのか?そして、倒産リスクはないのか?これを、定型レポートとして、審査部に提出。
「許諾」の2文字を頂かないと、販売先として、認められない。
つまり、「その子は不良少年だから、付き合っちゃだめ。」結局、昔みたいに、男女交際の自由なんてありません、親の許諾なしには、交際ができないのです。
この儀式を、商社では「与信」と言います。
ここをショートカットして、販売行為が先になったりすると。
「与信(先行)専行、甚だ遺憾。次月以降の取引停止、及び、当月分は、現金回収のこと」こんなお言葉で怒られるんですよ。

さて、そんな結構気難しい部分を無事クリアして、取引開始となるわけなんですけど、ここからのことを書いていきたいと思います。
クレカの請求来ますけど、皆さんは普通に支払いますよね?
残高不足だと追加請求で、不足分に手数料を足されてしまった金額を銀行振り込みしないといけなくなるわけですからね。
そうしないと、クレカ利用の停止、かつ、支払い遅延は、ブラックと認定されてしまい、他のカード会社とも情報は共有されてしまいますから、新規カードの作成なんかが難しくなってしまいますよ。

ところが、商社の請求は、販売先に請求はしますが、クレカ会社のように、支払い保留=取引停止、とはならないのです。
そもそも、問屋さんとの「ドラフト」、「売買基本契約書」の中には、そこまでの禁則事項がないということです。
※まめちしき。「ドラフト」ドラフト会議のせいで、選手選択=ドラフトって考えちゃいますよね。ドラフトは本来、契約を指します。だから、契約会議ってのが正しい意味ですね。

商社は、基本伝票が通るだけですので、問屋さんとの値段を決めるのはメーカー営業が行ったりします。
ですから、一枚の請求伝票が、どういう交渉があって、その単価に落ち着いたのか?を知る事が出来ません。
ですから、取り決め価格をメーカー営業が本来の請求額より5円高めに設定してしまった伝票が流れてくると、
問屋さんは「これって話が違うじゃん、取り決めた分しか払う必要はないから、値引いて払っておけ」とか、「そもそも、金額間違いはそっちだから、今月は全額保留で支払うなよ」といって、

問屋さんの経理担当に指示出しするのが仕入れ担当者ですね。この食い違いを「違算」と言います。「遺産」でも、「胃散」でもありません。
ただ、「違算」が常態化すると、負の「遺産」となり、その解消のために、頭を悩ます種になり、胃が痛くなるので、「胃散」のお世話になりますから、あながち間違いということでもないのですが・・・

取引額が大きい販売先ほど、「違算」で支払いを保留される可能性と金額は高まります。月の販売金額が1千万クラスになると、最低50万クラスの「違算」が毎月発生すると考えていいかと。
ただでさえ、30日の空白を商社は背負っています。
そこに、50万の「違算」これを次月の請求までに、あらかた解決しないと。壊れた雪だるまが何体も並ぶことになります。
商社の一般職は、販売を考えることも大切ですが、この「違算」の塊を、後ろ向きな仕事として片づけておかないと、監査のおじさまが、「どうなってるんだ?真面目にやれー」と言ってきます。
そのために、メーカーの営業と交渉したりするのですが、人間はいろいろあって、ちゃんと取り決め金額を覚えてくれている真面目な人から、ずぼらな人までAtoZです。まぁ、結果的には、売上値引伝票、通称「赤伝」を切ってもらうのですけどね。
大体、これで、「違算」は消えるはずのものなんですけど、厄介なパターンもあるんです。
支払は保留になっている理由を尋ねた時に、返ってくる、あの破壊的な言葉。そんなに怖い言葉ではないんですが・・・

「何故保留?」「専務から言われたんで。保留」
これこそ、違算処理問題の一番の敵です。
理由の理由がなく、専務の気まぐれ?だからなんですよね。
これは、もう、専務と直接話す案件になってしまいますから、新人もどきにとっては、ハードル高ってなっちゃいます。
商社の男性社会の冷たいところですが、マニュアルなんて存在しませんし、「自分で考えろ、人から盗め、」これだけですから、誰も正解なんて教えてくれるような奇特な人はいません。
特に、上昇志向が多い部署だったりすると、仲間自体が競争相手という意識が強いですから。ある意味、男性社会の会社って冷たいのですよ。

何度、専務に、理を通して話しても、適当にあしらわれちゃいます。そりゃ、地場の看板企業の専務さんですから、来月までには「考えて置く」、「考えて置く」であって、「支払う」とは、まず絶対に言ってくれません。では、金額が大きいか?というと実は大した金額ではなかったりします。もう、yuri的には、試されているのか?バカにされているのか?遊ばれているのか?分からなくなっちゃうんですよね。
積み重なった「違算」はやがて、債権管理表という別の指標に数字として記録され、本社の業務監査は、この表を元に、質問責めをしてきます。
2か月未収分までは、大目に見てくれるのですが、3か月以上の未収分は、別表扱いになるので、その数値だけ狙い撃ちにして、回収方法まで、あれこれ聞いてくるので、本当に困りものなのですよ。
そんな時、中間管理職の方が変な動きというか、妙な行動をしているのを目撃してしまいます。
彼の机には、問屋別、メーカー別の売上値引伝票が散見されます。
どうやら、2種類に分類しているようなんですね。ぶつぶつ独り言をいいながら。

で、その作業を一通り終えると、事務職の席へと、何やら話しています。伝票作成の子に指示出しをしているようでした。
どうせ、中間管理職の人に聞いても教えてくれるわけがないので、事務職の子に、どういう指示があったか聞いてみました。
その人からの指示は、赤伝を、2つに分けて、ひとつは請求扱いで、該当する違算に充当するもの。つまり、「消込」というやつです。もうひとつは、未請求で伝票自体は打ち込みするけれど、問屋には返さない=請求書に反映されない赤伝で打ちなさいという指示でした。
「消込」用の赤伝は、正当な会計処理ですから、見る必要はありませんよね?なので、問題の未請求の赤伝の内容を確認してみることにしました。
そこに共通していたもの。「〇月~×月インセンティブ」そんな「インセンティブ」だけが、正体でした。

ここでいう「インセンティブ」とは販売協力金というもので。メーカーと問屋が、予め、四半期とか、半期とか、通期での販売目標を設定して、クリアされていれば、メーカーから支払われる、値引き扱いの赤伝です。
何故、彼はそれを未請求にしたか?
人間は、往々にして、仕入れの価格には敏感ですが、こういった協力金に限って言うと、忘失しているケースも少なくないということですね。
忘れているかもしれないから、未請求でいいという彼の判断を理解したのです。そして、yuriは、今月分の赤伝を全部広げて、同じように区分けして、事務職に指示をしたのですが、彼はyuriを見て、「気が付いたか?」って顔で笑いを浮かべていました。
何故、未請求か?問屋が気が付けば、請求として打ち直して、返す。
でも、気が付かなければ、返さない。そのための未請求で保留。こういうことでしょうか。
とりあえず、気が付くかどうか。
ひと月様子を見てみます。
問屋は何も言って来ません。
ふた月待ちます。やはり、何も言ってこないようです。
み月目待ちます。やはり。大丈夫なようです。
これで、「違算貧乏」なyuriにも貯金ができたわけですね。返す必要のない
赤伝を抱えているのですから。
まぁやっていることは、あの問屋の専務と同じようなものなのですが。
これで、しばらく「違算」が出ても、「消込」できる・・・はずでした。
そう、決定的なことをyuriは忘れていたんですよ。
債権管理表の話をしましたよね?あれなんですけど、そりゃ、赤伝だろうが、黒伝だろうが、3か月すぎた時点で、赤伝の未収扱いとして記載されるのですよ。
今度は、監査部から、「何故、この赤伝を処理せずに、放置しているのか?請求する必要のない赤伝ならば、何故利益計上しないのか?」と、また怒られちゃいました。
それにしても、謎なんです、あの中間管理職の彼はお咎めなしで、なんでyuriばかり怒られるんでしょう?
うむ。謎だぁ。ぷんぷんですね。

債権管理表を監査部はどういう視点で見ているのでしょう?
違算による、未収はダメ。
赤伝留保の未請求もダメ。・・・。・・・。
文句を監査部から言われないためには・・・。
メーカーに支払うべき伝票を保留し、支払いを留保すること。
これよ、これ。漸く、yuriが伝票ラビリンスのダンジョンをクリアしかけた一瞬でだったかもしれませんね。カイジ風に言えば、ざわ・ざわ・ざわ・ざわざわ・ざわぁですね。

つまり、未請求の赤伝も3か月を越して保留にしてあると監査部に見つかってしまいます。大切なのは、黒伝に残せばいいじゃないですか?
本来のメーカーからの請求伝票は、売上値引伝票という赤伝として、問屋への売掛金として、未請求計上。
これを、メーカーへ支払う必要がない(元々が値引伝票ですから)、黒伝として、買掛金として計上すれば、永遠に支払うことのない、+の遺産として貯金できるのではないか?という結論に辿り着いたんです。
早速、3か月になりそうなものだけを、事務職さんに、この処理をお願いしました。中間管理職の彼は今度は頷いていました。どうやら正解だったようです。

その後、yuriは年間、約200万円は、「対違算用汎用決戦兵器支払不要買掛残」として、自由に扱い、どうしても消えない違算の消込に使用できたってわけなのです。
全ては、漸く、終焉を迎え、約束された永遠の春休みを楽しめると考えていた時でした。監査部の目から消しても、部署内の目からは逃れられませんでした。年度末の処理をしていた時のこと、担当部長がにこにこしながら、つかつかと歩いて来ました。

部長:
「yuriちゃんさ、お金持ちだって聞いたんだけどさぁ、貯金ってどのくらい貯まったかなぁ?」
えっ、ばれてる?とは思いましたけれど。
yuri:
「部長、貯金なんてありませんけれど。」
部長:
「嘘はよくないなぁ。いつからそんなに悪い子になったのかなぁ?実はねー、年度末でさぁ、利益率が悪いんよねー、そこでこうやって僕が、みんなから貯金を出してもらいに歩いてんだけど、yuriちゃんも協力してくれるよね?年度末助け合い募金?」
yuri:
「わかりました。いくらくらい出せばいいのですか?」
部長:
「ALL.全部にきまっているじゃないか?貯金は来年も作れる。でも、年度末の評価は今しかない、だから、全部出してしまおうよ」
yuriはこの方法を思いついて、貯め込んだすべての貯金を跡形もなくあの部長に利益計上させられてしまったんです。ショックだわねー。

この伝票の操作方法は、多分、当時としては、一般的に商社内ではどんな会社でも行われていたかもしれません。ただ、グレーゾーンではあったのだろうと思います。グレーゾーンだからこそ、あの中間管理職の彼も教えたくとも、いえなかったのかもしれません、だから、「お前、気が付けよ。どこに目つけてんだよ?俺が目の前で実演してやっから。よく見て置け。気が付くかどうかは、お前次第なんだよ。」そう言いたかったのかもしれませんね。
2026年の今の、コンプライアンス規定であれば、もう商社の中でも禁じ手になっているかもしれませんね。
関係ない話ですけど、銀行さんなんかは、預金の0円の下の「銭」っていう単位をどう扱っているのでしょう?通帳上は、「銭」という通貨が存在しませんから。0円表示で問題ないんですけど。

本当は、99銭って単位であっても、通貨が存在しませんから、四捨五入で1円と表示できないでいる数字って沢山あるんでしょうね。
全口座から集めたら、結構な金額になるかもしれませんね。
まぁお客様の口座に手を出すわけにはいきませんから、こっちは正真正銘。利益計上できないものですけどね。にやり。
おしまい。
次回は、現金回収したお話しでもしましょうか?うふっ💛
栄転前に、部長が仰った言葉今でも忘れません。
「yuriちゃんなぁ。酷い上司だと思っただろ?でもなぁ、企業としてはだ、年度末にな、本来、利益計上しなければならない、未確定な利益と思われるようなものを保留にするということは、税務上、あまりいいことではない。悪くすればだ、利益を隠した。ってことになってしまう。もちろん、粉飾決算ではないにしろ、バランスシートの記載項目の数値が買掛と売掛の金額が入れ替わっていることになるだろ?そんな決算書は、不備記載だと、俺は思っている。君が大切にしている貯金の存在を知ってしまった以上、その数値を正常化させるのも、まぁ、上司の役目だってことは理解していて欲しいんだな、年間の中で、そういう曖昧な部分での使い方は仕方がない事だとは思っているけれど、企業が健全であるためには、必要なこともあるんだよ。」
yuriの中での部長が、碇ゲンドウから、冬月コウゾウに変わった瞬間だったかもしれないね。
