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反魂丹とカカオと、腹のご機嫌について

人間、起きた瞬間にすべてが決まる。
少なくとも、腹の調子は決まっている。

目が覚めた瞬間、
「あ、今日はイケるな」という日もあれば、
「おいおい、誰だ昨日こんなもん食ったのは!」
と腹に向かって問い詰めたくなる朝もある。

ちなみに犯人は、ほぼ間違いなく昨日の自分だ。

そんな朝、ぼくは無理をしない。
気合も入れない。
コーヒーで殴り起こすようなこともしない。
まず腹に聞く。

「どうだい? 今日はいけそうかい?」

そこで「うーん……」と歯切れの悪い返事が返ってきたら、
登場するのが 反魂丹 である。
富山の胃腸薬。
もう名前からしてすごい。
魂が戻ってくるんだぞ。
腹どころか人生まで立て直してくれそうじゃないか。

反魂丹は毎日飲むものじゃない。
「困ったときだけ、そっと出てくるベテラン助っ人」だ。
派手な効能を叫ばない。
でもちゃんと効く。
この控えめさがいい。

世の中には「毎日飲め」「一生続けろ」系の健康論があふれているけれど、
あれ、正直ちょっと息苦しい。
人間そんなに毎日完璧じゃない。
腹だって波打つ。
人生だって二日酔いする。

反魂丹は言ってくる。
「今日は無理すんな」
と。

一方で、
腹が軽く、頭もそこそこ冴えていて、
「今日はまあ、やってみるか」という朝もある。

そんな日に登場するのが、
ハーモニックカカオ だ。

カカオにMCTオイル、ハーブを合わせたドリンク。
エナジードリンクみたいにドカンとは来ない。
むしろ静かだ。
静かすぎて、最初は「効いてるのか?」と思う。

でも気づくと、
午前中が終わっている。
しかも疲れていない。

これがまた不思議で、
元気になったというより、
余計なものが削ぎ落とされた感じに近い。

ハーブがふわっと香り、
カカオが腹の底で落ち着き、
MCTがじわじわ火を入れる。
ガハハ!と笑う感じじゃない。
フフッと一人でうなずく感じだ。

ここで大事なのは、
反魂丹とハーモニックカカオに
勝ち負けはない ということだ。

反魂丹は「戻す」。
ハーモニックカカオは「始める」。

どっちが偉いでも、
どっちが正解でもない。

胃が重い日に
「よし、ハーモニックカカオで頑張るぞ!」
なんてやると、
だいたい腹がキレる。
そういう日は反魂丹で撤退戦を張るのが正しい。

逆に、整っている朝に
いつまでも回復モードにいるのも、
それはそれで人生が進まない。

つまり健康とは、
その日の自分をちゃんと観察して、
道具を選び分けること
なんじゃないかと思う。

毎日同じことをやるのが健康なんじゃない。
毎日「今日はどっちだ?」と考えるのが健康だ。

反魂丹が必要な朝もあれば、
ハーモニックカカオが合う朝もある。
そしてたまには、
どっちも飲まずにボーッとする朝があってもいい。

腹と相談しながら生きる。
これ、案外いちばん信用できる健康法だ。

さて、今朝のぼくの腹はどうだろう。
……うむ。
今日はどうやら、
反魂丹じゃないほうの朝らしい。

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