【勉強会報告】時代とともに変わる「正解」と、変わらない「祈り」
「昔の人が、何も考えずに木を植えたわけじゃないんだよ」
森林組合長、杉山さんは語ります。
【川根本町の未来を考える勉強会 #1】
第1回のゲストは、森林組合おおいがわ組合長の 杉山嘉英さん。
テーマは、「川根本町の山」です。
>杉山組合長が語る「過去・現在・未来」
杉山さんのお話は、私たちの町を取り巻く森林の歴史を、「過去・現在・未来」という3つの時間軸で紐解く、非常に奥行きのあるものでした。
【過去:なぜスギやヒノキばかりなのか?】
「何も考えずに植えたわけじゃない」
当時は、経済的にも技術的にも、スギやヒノキを植林することが、地域にとって、そして国にとっての“ベターな選択(最適解)”でした。
先人たちは、その時代の制約の中で最善を尽くし、未来の豊かさを願って、一本一本、木を植えてくれたのです。
【現在:変わってしまった環境】
しかし、時代は大きく変わりました。
木材価格の低迷、担い手不足。
山に入る人が激減した結果、手入れが行き届かず、土砂崩れや獣害など、さまざまな影響が各地で顕在化しています。
かつての「正解」が、時代の変化とともに「課題」へと姿を変えてしまった。
そこに、私たちが直面する現実があります。
【未来:100年後のために、今できること】
では、これから私たちは、何を選び、どう行動していくべきなのでしょうか。
杉山さんが見据えているのは、明日や明後日ではなく、50年後、100年後の未来です。
「今できることから始める」
「整えるべきことを、一つひとつ整えていく」
その静かで、しかし確かな覚悟に、場の空気が一段深まっていくのを感じました。
>誰が偉いわけでもない対話。
この会で大切にしたいこと。
それは川根本町の様々なことを"自分事"として捉えられたら、暮らしの彩りが増えて豊かになるだろうという想い。
なので、後半は参加者それぞれが、自分の立場や経験から疑問や意見を投げかけ、杉山さんに答えていただくという時間に。
杉山さんの、誰に対しても壁を作らない、飾らないお人柄のおかげで、会話はとても自然に広がっていきました。
全員が対等な立場で「未来」を語り合う、とても風通しの良い時間となりました。
>それは「祈りのようなもの」
今日、私が最も心に残ったのは、
「当時の最適解が、未来(現在)の課題になっている」という事実です。
これは、今を生きる私たち自身にも、重く響きます。
私たちが今、「良かれ」と思って下す判断も、50年後には「課題」と呼ばれているかもしれない。
正解は、誰にも分かりません。
それでも、私たちは選択し、動き続けなければならない。
その行為はきっと、計算を超えた 「祈りのようなもの」 なのだと思います。
先人たちが苗木に込めたのは、「未来の子や孫への愛」でした。
私たちもまた、「こうあってほしい」という願いを込めて、今の最善を尽くす。
そして、時代が変われば、またその時代の大人たちが「整えて」くれると信じて、次の世代へとバトンを渡していく。
そう思えたとき、目の前の山が、ただの風景ではなく、「先人たちの祈りの結晶」 に見えてきました。
背景を知れば、景色は変わります。
この勉強会は、今回だけで終わらせません。
これからも定期的に、みんなで膝を突き合わせて学び、共に悩み、未来への祈りを共有する場を、町のあちこちで育てていきます。
次回のテーマや日程も、決まり次第お知らせします。
ぜひ、楽しみにしていてください。
日曜日の午後という貴重な時間に足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
そして、杉山嘉英さん。
貴重なお話を、心より感謝いたします。

木を植える者は、希望を植える
