株式報酬と確定申告 #1 ~基本の考え方~
前回、「外資系会社員がもらう株式報酬の種類と基本」のお話をしてきました。
「現金収入にプラスされる報酬でしょ?いいなあ」
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん恩恵はある一方、確定申告という面倒な手続きも必要になります。
このシリーズではそのあたりのことをお話ししていきたいと思います。
「株が自分のものになった年」と「株を売った年」で分けて考える
外資系企業の株式報酬は、確定申告を身近にします。「年末調整で終わり」と思っていたら、「あれ、これ自分で申告が必要?」と気づく場面があるはずです。
多くの企業では、自社の社員が税務署に怒られないように、「株式報酬の給与申告の仕方」をレクチャーしたり、「確定申告しましょう」と呼びかけたりしているのではないでしょうか。
株式報酬のややこしさは、「株をもらった」「売った」「ドルで入った」「日本円に換えた」という複数の出来事が重なり、会社からの給与と、個人の投資損益が混在してしまう点にあります。
混乱を防ぐために、私は以下の二段階で考えることをおすすめします。
1. 株が自分のものになった年の申告
RSUならVest、SOならExercise、ESPPなら割引購入した年です。ここでは「会社から経済的利益を得た」と考え、給与収入として扱います。
2. 株を売った年の申告
手元に持っていた株を売却した年です。取得時と売却時の差額(譲渡益・譲渡損)を計算します。これ以降は「自分の資産」の世界です。
「給与収入(1.)」と「譲渡益・譲渡損(2.)」を分けて考えると、二重課税のような不安も解消されます。
例えば、100ドル相当の株が自分のものになったら、その時点で100ドル分を給与収入と考えます。その後、その株を120ドルで売ったら、20ドル分の値上がりが譲渡益です。
もちろん、実際には為替レート、証券会社の明細、源泉徴収票などの確認が必要です。また、RSUのSell to Cover(税金相当分の自動売却)などの仕組みも考慮する必要があります。
ここを掘り下げると会社ごとの運用になるため、この連載では「Sell to Coverはないもの」とし、「海外証券口座の株式報酬を自分で給与収入として申告する」ケースを前提にお話しします。
次の記事では、前編として「株が自分のものになった年」の申告について見ていきます。
※この記事は一般的な読み物です。実際の申告は税務署・税理士に確認してください。
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