苦戦する業界で増収増益を維持、帝人との提携・3Dプリンター着工へ
Lib Work(1431)2025年6月期 第2四半期 決算説明レポート
公開日:2025年2月|株式会社Lib Work(証券コード:1431)
本記事は、Lib Work代表取締役社長CEO・瀬口氏による2025年6月期第2四半期決算説明会の内容をもとに作成したものです。
1. 決算ハイライト——業界が苦戦する中での増収増益
2025年6月期 上期(第2四半期累計)の業績は以下のとおりです。
売上高と前年同期比
当期上期:80億7,000万円 +2.3%
営業利益
当期上期:3億7,800万円 +4.7%
経常利益
当期上期:3億8,500万円 +0.5%
当期純利益
当期上期:2億2,400万円
数字の増減幅は小さいものの、同業他社に赤字決算が相次ぐ環境下での増収増益という点で、実態以上に重要な結果です。瀬口社長は「同業の中には赤字の会社も多い中、なんとか踏ん張っている」と述べています。
特筆すべきは、前期と今期では内容がまったく異なるという点です。前期に課題だった子会社・タクエーホーム(横浜)の建売在庫の損切りを上期に断行し、黒字転換に成功しています。
2. 利益率改善の構造——売上未達でも利益を守った理由
当初の売上計画89億円に対し、実績は80億7,000万円と約8億3,000万円(約10%)の未達となりました。しかし利益はほぼ計画どおり。この「売上が落ちても利益が落ちない」構造こそが、今期最大のポイントです。
理由①:注文住宅1棟あたりの粗利率が約3%改善(総合で5%以上の改善)
一昨年に買収した木材プレカット工場「幸の国木材工業」によるグループ内原価削減が本格的に寄与しています。丸太の仕入れ→製材→プレカットを自社完結させることで、外部調達コストを大幅に圧縮。まだ歩留まり改善の余地があり、さらに5%程度の粗利率向上が見込まれます。
理由②:プラットフォーム事業の利益貢献が拡大
My Home RoboとIPライセンス事業の伸長が、住宅事業の売上減少を利益面で補完しています。瀬口社長は「今後は住宅会社ではなく、住宅・不動産のプラットフォーマーとして認識されるようになる」と述べており、来期以降にセグメント別の利益公表を予定しています。
3. デジタルマーケティング集客——KPIをモデルハウス来場数へ転換
Lib Workの最大の強みは、SUUMOなど外部ポータルに依存しない自社デジタル集客です。「e土地net」「e平屋net」「e注文住宅net」などのeシリーズWebサイト群でエンドユーザーを幅広く集め、自社モデルハウスへ送客するモデルです。
今期からはKPIを「インターネット集客数」から「インターネット経由のモデルハウス来場数」に転換しました。来場数は前期比40%以上の成長を達成しており、この見込み客が売上につながるまでの9ヶ月〜1年後、すなわち来期以降の業績に直結する先行指標となっています。
また、YouTubeチャンネル「Lib Work ch」は登録者数12万人に到達(この時点)。大手ハウスメーカーを大幅に上回る動画再生数(最低5万〜10万再生/本)を誇り、リアルの集客コストの約10分の1という圧倒的な効率で見込み客を獲得しています。
4. 帝人との戦略的パートナーシップ——新素材「LIVELY WOOD」で住宅の常識を変える
今期最大のニュースの一つが、大手素材メーカー・帝人との戦略的パートナーシップ締結です。
LIVELY WOODとは
帝人が開発した「LIVELY WOOD」は、木材の内部にカーボン繊維を打ち込むことで、従来の木材の約2倍以上の強度を実現する新素材です。これにより、従来の木造住宅では不可能だった長大スパンの軒や大開口が実現できます。
住宅の構造材はこれまで「木造・鉄骨・鉄筋コンクリート」の3択でしたが、LIVELY WOODは第4の素材として住宅市場に参入することになります。
第1弾「LIVELY VILLA Noki(ライブリーヴィラ ノキ)」
両社の協業第1弾として、カーボン強化木材を使った平屋住宅ブランド「LIVELY VILLA Noki」を展開。モデルハウスを2棟建築中です。
1棟目:福岡県糸島市(NHK朝ドラ『おむすび』の舞台)。海を望む軒3m超の平屋
2棟目:熊本県西原村(阿蘇山麓)。山に囲まれた平屋
東京の帝人本社でのニュースリリース発表には多数のメディアが参加し、新しい住宅素材として大きな注目を集めました。
今後の展開
今期は10棟程度の販売にとどまりますが、来期30棟・5年以内に数百棟への拡大を計画。My Home RoboやIPライセンスのネットワークを通じ、全国の工務店へのFC展開も視野に入れています。また、住宅にとどまらず高級ヴィラ・旅館といった非住宅木造建築への展開も検討中です。
森林サーキュラーエコノミーという社会的意義
LIVELY WOODは輸入材ではなく国産スギを主原料としています。戦後植林された60年超のスギは二酸化炭素をほとんど吸収しなくなっており、積極的に伐採・植林サイクルを回すことが脱炭素に不可欠です。この「森林サーキュラーエコノミー」への貢献を両社の共通価値観として、パートナーシップが実現しました。
5. イオンモール熊本出店——ショッピングモール展開を全国へ
イオンモール福岡・パークプレイス大分・イオンモール幕張新都心に続き、イオンモール熊本へ4店舗目の出店を果たしました。
郊外の総合住宅展示場への来場者が減少し続ける中、日常的に多くの人が訪れるショッピングモール内でのモデルハウス展開は、Lib Workが業界に先駆けて確立した独自の集客モデルです。
イオンモール福岡での受注が好調だったことで、「見込みの薄い客が多いのでは」という初期の懸念を払拭。今後は日本全国の優良ショッピングモールへの出店を積極化していきます。上場企業でなければテナント審査が通りにくいというハードルがあり、これがLib Workの競争優位の一つでもあります。
将来的にはプラットフォーム事業を通じたネットワーク工務店向けに、この出店スキームをパッケージ化していく計画です。
6. 3Dプリンターハウス事業——100㎡モデル着工・セメントゼロ・海外展開へ
2024年11月、100㎡モデルが着工
前期に予告していた「Lib Earth House model B」(100㎡・国内最大級)が、2024年11月末に着工しました。竣工は当初2月末の予定から1ヶ月延び、3月末を予定しています。
セメントゼロで強度はmodelAの5倍
今回のmodel Bでは、初号機(model A)で10%程度使用していたセメントを完全にゼロにしました。セメントが入ると解体時に産業廃棄物となってしまうためです。セメント不使用でありながら、実験によりmodel Aの5倍の強度を実現。さらに確認申請も取得済みで、日本全国での建築が可能です。
氷点下問題を発見・対策中
工期延長の原因は「氷点下の気温で土が固まりにくく、壁が一部崩れる」という課題の発見です。これはFC展開前に自社で検証できたことを瀬口社長は「失敗は成功の母」と評価。冬季対応策の実験を急いで進めており、全国展開前に解決できる見通しです。
全国の工務店経営者170名超が来訪予定
2025年2月21日には全国から170名以上の工務店経営者がLib Work本社を来訪する予定です。3Dプリンターハウス事業だけでなく、IPライセンスやMy Home Roboへの関心から実現した大規模視察で、業界内での注目度の高さを示しています。
インドネシアへの海外展開を本格検討
人口2億8,000万人のインドネシアでは、日本の高度経済成長期のような住宅需要の拡大期が到来しつつあります。円安の進行で日本式住宅の価格競争力も向上。瀬口社長はインドネシアに5〜6回訪問しており、45㎡程度の平屋を1万戸規模で建設する構想も現地デベロッパーと協議中です。
7. プラットフォーム事業:My Home Robo——1社数十アカウント導入の破壊力
「My Home Robo」は8,000プラン以上(反転含む3万2,000以上)の住宅間取りデータベースと、4万点超のCG・VR画像を組み合わせたSaaS型月額課金サービス(月額6万8,000円/アカウント)です。全国の工務店・ハウスメーカーが設計士の代替として活用できます。
今期の注目事例として、1社で数十アカウントを一括導入した企業が登場しました。仮に30アカウントの場合、月額210万円・年間約2,500〜3,000万円の契約規模となります。
このSaaSモデルの優れている点は、アカウント数が増えても提供側(Lib Work)の限界費用がほぼゼロに近い点です。日本全国の工務店数万社のうち10%が加盟し、1社3アカウントと仮定するだけで、数千社・数万アカウント規模のビジネスに成長する可能性があります。
カナダのAI企業とは、顧客要望をテキスト入力するだけで間取りをゼロから生成するAIの共同開発も進行中。My Home Roboの次世代版として、さらなる付加価値向上を図ります。
8. プラットフォーム事業:IPライセンス——12店舗・手離れの良い高収益モデル
「niko and ... EDIT HOUSE」を中心とするIPライセンス事業は、現在12店舗が展開中(静岡・愛知・香川・鹿児島・石川・広島など全国に拡大)。3月にはさらに新たなモデルハウスが開設される予定です。
このビジネスの核心は「ブランドを貸すだけ」という極めてシンプルな構造です。
資材供給なし
施工管理なし
価格設定も加盟店に委任
担当者わずか2〜3名で12店舗以上を管理
1店舗あたり年間600万〜700万円の会費収入を得る仕組みで、店舗数が増えるほど人件費比率が下がり、利益率が高まる構造です。収益は「niko and ...」(アンドエスティHD)と折半する形で、双方にとって参入障壁の低い事業モデルとなっています。
瀬口社長は「住宅業界のSBI」を目指すと表現しています。SBIが地方銀行と連携してメガバンクに対抗するように、Lib Workが全国の地域工務店のハブとなり、大手ハウスメーカーに対抗できる一大グループを形成していく構想です。
9. 組織・人材戦略——「住宅業界の人気No.1企業」の実態
熊本県山鹿市という「コンビニまで徒歩30分、駅まで徒歩2時間」の立地にありながら、Lib Workは九州の住宅・不動産業界で採用人気ランキングNo.1を誇ります。
採用力を支える取り組みは以下のとおりです。
リブ式ユニット経営:3〜4人1組の小単位で業務を行い、新卒2年目でもユニットリーダーになれる早期育成の仕組みを構築。
ナレッジシェア経営:すべての業務ノウハウを電子マニュアル化。「VR つくり方」で検索すれば動画・手順が一覧表示され、新入社員でも即戦力化が可能。熊本トヨタ自動車が視察後に即導入したほどの実効性を持つ仕組みです。
オーナーシップ経営:全従業員にストックオプションを付与。社員全員が株主として株価・企業価値を意識して働く「全員経営」を実践しています。
AIを活用した採用・業務改善:商談内容を自動採点・フィードバックするAIツールを社員が自主開発するなど、AIの実務活用が社内で根付いています。
10. まとめ:投資家・住宅検討者へのメッセージ
投資家の方へ
業界全体が苦戦する中での増収増益は、Lib Workのビジネスモデルの堅牢性を示しています。売上は計画未達でしたが、粗利率改善・プラットフォーム事業の貢献により利益を守りました。来期以降への先行指標となるモデルハウス来場数は前期比40%超の伸び。My Home Robo・IPライセンスのストック収益、帝人との新素材住宅、3Dプリンターハウスの販売開始と、成長ドライバーが複数並走しています。
住宅検討者の方へ
Lib Workは今、新しい住宅の選択肢を次々と生み出しています。帝人との共同開発「LIVELY VILLA Noki」は、カーボン強化木材で実現する開放感あふれる平屋住宅です。3Dプリンターハウス「Lib Earth House」は、土を主原料としたサステナブルな次世代住宅として2025年から販売予定です。YouTubeチャンネル「Lib Work ch」(当時12万人)では施工実例動画を豊富に公開しています。まずは動画でLib Workの家づくりの世界を体験してみてください。
本記事は決算説明会の書き起こしをもとに作成したものです。投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。記載の業績数値・店舗数等は説明会時点のものです。
株式会社Lib Work 証券コード:1431(東証グロース市場)
本社:熊本県山鹿市 公式サイト:https://www.libwork.co.jp
決算説明動画:https://www.youtube.com/watch?v=RZc4QZ72PO4

