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記憶力世界一あるある50選

こんにちは、平田直也と申します。
僕は記憶力を競い合う「メモリースポーツ」という競技のプレイヤーを9年以上やっていて、その中でも特に Memory League というオンラインゲームを主戦場にしています。

メモリーリーグのホーム画面

1分以内に1組52枚のシャッフルされたトランプの並びを覚えたり、

1分以内にランダムな人の顔と名前を30人覚えたりして、

アイラインがフェリーになってしまったと覚えよう

覚えた個数や、タイム、対戦相手との勝敗によってレーティングが上下し、世界ランキングが決まるというゲームです。

僕はこのゲームでかつて世界ランク1位になったことがあります。

6年前ですね。
レーティングが世界一だった期間は半年ほどで、今は17位になってしまったのですが、「かつて世界一だった」という肩書きに縋って今日まで生きています。この肩書きを背負って5年以上経ったので、あるあるが溜まってきました。

という訳で記憶力世界一あるあるを50個紹介していきます。
メモリースポーツや記憶術を知らない方でもある程度分かるように書いていきますので付いてきてください。共感できるものが1つでもあれば、あなたも世界一になれます。

1. 自己紹介で「記憶力世界一でした」と言った後、他の人の名前を覚えるプレッシャーが半端ない

大学や会社など新たなコミュニティで自己紹介をする時、インパクトを与える必要がある場合は「メモリースポーツをやっていること」と「記憶力世界一だったこと」を言うことがあるのですが、その後他の人の自己紹介を全て覚えないといけないというプレッシャーがあります。

逆に、相手側にも「失言をしたら一生覚えられてしまう」というプレッシャーを与えてしまいます。たいていは何も覚えていないので安心してください。能力を使う時だけ覚えられるのですが、普段から使うと疲労が半端無いので基本は使っていません。

2. 記憶術の効果を際立たせるために「昔は記憶力が悪くて…」と言いがち

実はメモリースポーツで競っている記憶は、生まれ持った記憶力の良し悪しは関係ありません。元の記憶力にどれだけ自信があっても、記憶の技(=記憶術)を使わないと到底覚えられない量で競っています。

選手たちは毎日記憶術の練習をして覚えられる量を増やしているのですが、その効果を際立たせるために「昔は記憶力が悪かったんですけど、記憶術を練習してこんなに覚えられるようになったんですよね~」と言いがちです。というか、メディア等で言わされがちですね。

3. 脳内で毎日実家を見ているので、たまに実家に帰っても懐かしさが無い

メモリースポーツでは「場所法」という記憶術を使って大量のトランプや数字、単語を覚えています。これは自分の身近な場所を脳内で想像し、その場所に覚えたいものが置いてある想像を行うことで覚えられるという記憶術です。

例えば「犬」という単語を覚えたかったら、自宅の玄関で大きな犬が寝ころんでいる様子を想像します。場所に紐づいた記憶は強いので、少し時間が経っても思い出せるというテクニックです。

メモリーアスリート(メモリースポーツの選手のこと)は、事前にどの場所に物を置くかを考えておいて、毎回その場所で単語や数字を覚えています。僕は「実家」が得意な場所なので、毎日練習の度に実家を隅から隅まで想像しており、実際にたまに実家に帰省しても「まぁ毎日見てるしな…」と懐かしさを感じない体になってしまいました。

4. 持っている場所の数で戦闘力を測りがち

メモリースポーツでは1回に1000桁以上の数字を覚えることもあります。大量に情報を覚えるためには先述の「場所法」を使って覚えるのですが、その場所が多ければ多いほど覚えられる量も増えるというわけです。

なので、メモリーアスリート同士は「場所何個持ってる?」という会話をよくします。そして、それがそのまま戦闘力になっています。もちろん多い方が強いです。

とは言え、少ない場所を少数精鋭で鍛えまくって強い選手もいるし、場所が増えるほどメンテナンス(常にその場所の順番を覚え続けていないといけない)が大変なので、必ずしも多ければ良いというわけでは無いのが面白いところです。

こんな感じでスプシで場所を管理しています

ちなみに僕の戦闘力は約700です。

5. 円周率を覚えていると勘違いされがち

何度聞かれたことか。円周率は覚えていません。
ほとんどのメモリーアスリートは円周率を覚えていないはずです。なぜなら、場所法の場所を長期記憶に使ってしまうと、普段の競技で覚えられるキャパシティが減ってしまうからです。

なので、正確に言うと「円周率を大量に覚えることはできるが、競技のために敢えて覚えていない状態」です。
まれに選手の中で「円周率の世界に行く」と言って大会からしばらく離れ、円周率記憶に挑戦し、ギネス記録を狙う人もいます。

検証で円周率1000桁を覚えたこともあります。が、復習をしていないのでもう忘れました。

6. モンゴルに修行に行くか本気で考える

メモリースポーツが強い国と言えば、モンゴルです。
あんまり国籍差は出ないスポーツで、強い選手がいる国が強いのですが、モンゴルは強い選手が何人もいます。その理由は、強豪クラブがあり、若手選手の育成体制が整っているからです。

近年はイタリアやウズベキスタンなどもこういったクラブチームが発足して強い選手が育成されていますが、モンゴルがパイオニアですね。実際に何日か修行しに行く選手もいますが、本気で滞在を考えるレベルです。

7. 日本に四季があることを感謝しがち

メモリースポーツの大会は世界中で開催されています。ヨーロッパでも、アジアでも、アフリカでも大会があるので、より多く参加しようと思ったら遠征が必須です。
大会はもちろん屋内で実施されるものの、その国の環境下で最大限集中できるかというのは重要な資質になります。寒暖差の激しいモンゴルが強い一因かもしれません。

僕はかつて真冬の韓国で大会に参加した際、外気がマイナス10度ほどになったことがありました。記憶の大会では「雑音」が命取りになるので、種目によってはエアコンを消さなければいけないタイミングがあり、屋内でも極寒でした。
がくがく震えながら記憶をしていましたが、まだ寒さには慣れていたこともあり、他国の選手よりはアドバンテージがあったと思います。
また、外では雪が降っており、インドネシアのキッズ選手たちは人生で初めて雪を見たらしく、記憶どころではなく興奮していたので「四季がある国で良かったなぁ」と思いました。

8. 「ちょっと覚えてみてよ」と渡された数字の羅列が奇数桁だととまどう

数字は語呂合わせと場所法を組み合わせて覚えているのですが、一瞬で語呂合わせが作れるようにあらかじめ全ての2桁の数字に対して語呂合わせを作っています。
なので、記憶力をその場で試される場合、覚える数字が奇数桁だと最後の数字を覚えるのに若干時間がかかりちょっとイラっとします。偶数桁を渡してください。
※ただしヨーロッパの選手の多くは3桁ごとで覚えているので3の倍数桁を渡してあげてください。

9. 打ち合わせに行く際、先方の公開情報をある程度覚えてから行く

記憶力世界一の肩書きをひっさげる時、期待が大きいので「初対面の方とお会いする時は事前に情報を覚える」ということをやりがちです。
芸能人であればプロフィールや出演作、会社であれば従業員数や創立年などを覚えていくことがあり、披露すると喜んでもらえます。

僕は就活でメモリースポーツをガクチカにしていたので、面接に行く前はその会社の直近の売上高や利益額を全て覚えて行っていました。結構役立ちました。

10. 覚えた過程を披露すると引かれるので、たいてい嘘の物語を即興で作って発表しがち

ものを覚える時、インパクトがあるほど覚えられます。
なので、脳内では痛いイメージやエログロ、奇妙なイメージを想像して覚えることが多いのですが、「どうやって覚えたの?」と聞かれた時に他人にそのまま披露するわけには行かないので基本は嘘をついてその場で綺麗なイメージを作ってお話しています。

例えば、数字の「51」は僕の場合「腹を切って内臓を取り出すイメージ」で毎回覚えているのですが、言えないので「51と言えばイチロー選手ですよね~、だからイチロー選手がバットを振っているところを想像して覚えています」などと毎回嘘をついています。

11. 余ったジョーカーだけでトランプが1組できる

トランプを覚える種目では大量のトランプを必要とします。なのでトランプはダースで買います。

そしてトランプ記憶ではジョーカーを除いた1組52枚のトランプを覚えているので、買った瞬間にジョーカーをどこかに置いておきます。そうしていると気付いたらジョーカーだけで52枚のデッキができあがっています。

ちなみにこれが1パックを覚える世界記録です。

大会では0.01秒単位で記憶時間を競っているので、めくりやすさも重要になります。そこで、多くの選手は「バイシクル」というマジシャンがよく使っているトランプを使っています。
僕はこのバイシクルをダースで買っています。競技を始めたての頃、このバイシクルのダースがなかなか売っておらず、Amazonで見つけて買ったのですが、これが人生で初めてAmazonで買ったものでした。その後しばらくレコメンドがマジシャングッズになったことを覚えています。

12. 部屋の模様替えに躊躇しがち

場所法を説明しましたが、身近な自分の部屋は覚えるための場所になっているので、模様替えをしてしまうと順番が混乱してしまいます。なので、なるべく部屋の模様替えはしないようにしています。

13. 雑音に慣れるために大会前は敢えてカフェで練習しがち

記憶力の大会で良い成績を出すためには、どんな環境でも集中できる集中力が必要です。大会会場は基本的に無音ですが、どうしても人の足音や他の選手が紙をめくる音などの雑音が聞こえてきます。
耳栓をしても完全に雑音を消すことはできないので、大会前は敢えてがやがやしているカフェに行って、そこで練習することがあります。

カフェでトランプを覚えている人がいたら、間違いなく大会前のメモリーアスリートです。

ちなみに僕がランキング世界一を達成したのも、大学の図書館でした。ほどよい雑音がありました。

14. 実は匂いも集中の妨げになるので、香水を買っても付けられない

音だけでなく、匂いも気になります。
音は耳栓と慣れで何とか抑えられますが、匂いはどうすることもできません。嫌な臭いは最悪ですが、良い香りであっても試合中は気になります。

僕は香水が結構好きなのですが、基本的には付けられません。残念です。

15. 歩いている途中に車が見えたらナンバープレートの数字を覚える練習をしてしまう

数字記憶のスピードを上げるコツは、あらかじめ決めておいた語呂合わせをできるだけ速く思い出せるようにしておくことです。
そこで、日常生活の中で数字を見ると自分の語呂合わせに変換することを心がけています。
一番遭遇チャンスが多いのが車のナンバープレートですね。桁数も偶数なのでちょうど良いです。「1234」が見えたら「イニエスタが刺身を食べてる!」と思いますよね。

16. 年下で強い選手が現れた時、60歳になるのが待ち遠しくなりがち

メモリースポーツにおける記憶力に年齢は原則関係ありません。10代の選手がチャンピオンになることもあれば、50代の選手が優勝することもあります。
ただ、どうしても練習時間の確保や試合を続ける体力面で若い選手の方が活躍する機会が多いように思います。最近は上達方法も確立されてきて、若くて強い選手がどんどん増えています。

こうなったときに60歳になるのが楽しみになります。なぜなら、メモリースポーツの大会では年齢区分別の表彰があり、60歳以上の「シニア枠」の表彰があるからです。60歳になればシニアの世界チャンピオンになれるかも、という期待を抱いてみんな年を重ねています。

17. 徳川将軍の例で記憶術を説明する割には徳川将軍を覚えていないがち

メモリースポーツで使う記憶術が学校の勉強にも役立つんだよという例でよく徳川15代将軍の名前を覚える話をするのですが、その場で覚え方を説明するだけで実際には覚えていないがちです。
円周率と同じで長期記憶にしたくないからですね。記憶力はあるのに実生活に記憶力を使えない悲しきモンスターです。

18. 記憶術を使えて良かったと思う瞬間、お風呂でアイデアを思い付いた時がち

競技のために記憶術を鍛えているので、日常生活であまり生かす気は無いのですが、お風呂に入っていて良いアイデアが思いついた時は、メモが無くても記憶しておけるので重宝しています。
日常で実感するのはこれくらいです。使おうと思ったら使えるんですけどね。

19. 流行りの曲、流行ってくれるなと思う

先述の通り、集中力がとにかく大事です。一瞬でも雑念が入ってしまうとそれだけで負けてしまう場面が多いです。
僕の場合天敵なのが音楽です。脳内でたまに音楽が流れること、ありませんか?最近口ずさんでいた曲とか、CMで使われている曲とか、TikTokでバズっている曲とか。これらの曲が脳内で流れた瞬間に、負けが確定します。メモリースポーツとはそういう競技です。

僕はこれに何年も悩まされているので、基本的に自分から音楽を聴かないようにしています。普段から断絶しておけばこの現象を抑えることができます。制約が多い。
ただ、どうしても動画で流れたり、街中で流れたりして鼓膜への侵入をゼロにはできないので、なるべく1曲が流行るのではなくて満遍なく流行ってほしいなと思います。バズ、だめ。

同じ理由で音ネタ、リズムネタもダメです。R-1を見た後に数字記憶をやったのですが、ないないなない音頭が邪魔をしてきて全く覚えられませんでした。

20. 旅先で場所を作りがち

身近な場所は何百個もありません。なので、旅先で1回しか行ったことの無い観光地やホテルなどでも場所にしないと足りなくなってきます。

大会遠征先のホテルで場所を作り、その日の大会に臨む「地産地消スタイル」の選手も結構います。あんまり良くないですが仕方ないです。

21. 嫌いなものほど覚えていられるので自分のトラウマと向き合いがち

先ほど、インパクトに残るものほど覚えやすいと説明しました。つまり、ものすごく好きなものやものすごく嫌いなものは覚えやすいのです。好きの反対は嫌いではなく無関心、と同じ理由です。

これを利用して、敢えて覚えたい単語や数字を嫌いなものに置き換えて覚えるという捨て身スタイルがあります。

左の女性が鳥に襲われているイメージで覚える

僕は恐怖症レベルで鳥が苦手です。でも写真記憶ではよく鳥の写真が出てくるので、毎回ウゲッっと思いながら助かっています。毎回戦っているんです。

22. PCの予測変換がメモリーリーグのNamesのせいで不自然

Namesという種目があります。

なんか面白い

様々な顔に日本人の名前が割り当てられてそれを覚えるという種目です。回答が記入式なので、自分でタイピングをして漢字変換を正確に行わなければいけません。
そのため、何度もやっているとPCの予測変換の候補がNamesに最適化された人物名ばかりになっており、生活に支障をきたしています。

この例の「優成」も「ゆうせい」と打っているので、「ゆうせい」の最初の変換候補は「優勢」ではなく「優成」になっています。
他にも「れい」は「玲」だし、「しょうこ」は「祥子」です。誰よこの人、と修羅場にならないことを祈って日々覚えています。

23. 覚えていたらさすがにキモい場面では覚えていないフリをする

大学の講義で大教室で受けるものってありますよね。
数百人規模の講義でも、一度でも指名されたりプレゼンしたりした人のことは練習のために名前を覚えるようにしていたのですが、その後どこかのタイミングで会った時に、さすがに「〇〇さんですよね」って言うのはキモいかなと思って基本的には「初めまして」と挨拶をしていました。これが社会性です。

24. イヤーマフをしていても結構音は聞こえるのに、なかなか言い出せずにテレビ収録で痛い目を見がち

使いすぎて壊れた初代イヤーマフ

雑音を消すために耳栓よりも効果があるのがこのイヤーマフ。海外で銃を撃つ時に着けるやつですね。これを試合中に着けて色々覚えています。

テレビ収録でパフォーマンスをする時にも集中のために着けていることが多いのですが、実は結構周りの音が聞こえます。でも見た目がいかついので完全防音だと思われることが多く、相手チームの話し声や作戦が実は丸聞こえです。
でもそれを言い出すのが気まずいので黙って覚えがち。

25. 練習用のトランプを持ち歩いているので、たまに暇つぶしでトランプが必要な時にすっと出せて「トランプって遊ぶのにも使えるんだ!」と本来の楽しみ方に気付いて感動しがち

でもジョーカーは無いので七並べくらいしかできない

26. 地方局のアナウンサーに詳しくなりがち

大会の形式によっては「日本人の顔と名前を覚える」という種目があります。
今は生成AIで適当に問題を作れますが、僕が始めた頃はこの対策がかなり難しく、インターネットで必死に「自分の知らない人の顔写真と名前」を探してきて練習をしていました。そんな選手にぴったりなのが地方局のアナウンサーさんなんですね。ホームページに顔写真と名前が載っているし、自分の住んでいない地域の方はほとんど知らないので練習にうってつけです。
同じ理由で知らない地域の市議会議員さん達も覚えたりしました。

27. 飲み会や面接で一応披露できるようにトランプを鞄に入れておくけど、人前での成功率に自信が無くて持っていないフリをしがち

記憶は生ものです。100%の精度で当てられることはありません。
人前で緊張する場面ではなおさら当たりません。なので持っていないフリをします。ごめんなさい。

28. 人の顔と名前は結局気合いで覚えている

数字やトランプ、単語記憶は何度も出てきている「場所法」で明確に覚えることができるのですが、人の顔と名前だけはあんまりやり方が確立されていないんですよね。自分なりのコツはあるのですが、正確に言語化して伝えられるものでも無く、曖昧な部分があり、結局気合いで覚えているなと思いがちだし、伝えがちです。

29. 日本語の数字の語呂合わせの作りにくさに母語が日本語であることを恨みがち

2桁であれば語呂合わせは作りやすいのですが、3桁はさすがに全ては作れません。でも、海外だと子音と母音を分けて語呂合わせを作る言語が多いので、数字に子音を振り分けて語呂合わせを作ることで簡単に000-999の千個の語呂合わせを作れます。

それを海外選手から聞く度に「なんで自分は日本語話者なんだ…」と恨みます。でも四季があるのでオッケーです。

30. 近所のコンビニのinゼリーラムネ味、自分の購入量で発注数を決めているだろと思っている

脳を働かせるためにブドウ糖が必要です。それを効率的に摂取できるのがinゼリーラムネ味だと思っています。

棋士も御用達。
僕は試合前のルーティンでこれを摂取しているのですが、なぜか近所のスーパーに売っていないため、定期的に最寄りのコンビニで購入しています。
でも、これをこんな頻度で購入しているのは自分しかいないのでは?と自惚れており、コンビニの発注量を左右している存在だと自負しています。
僕が引っ越したらしばらく売れ残ると思う。

31. 一度はルービックキューブの世界に足を踏み入れがち

メモリースポーツをずっとやっていると、「この能力って他の競技に生かせないのかな?」と思うようになります。そして調べてたどり着くのがルービックキューブです。
キューブの配置を覚えて目隠しで直すという種目があり、その記憶パートに記憶術(場所法)を使うことができるため、少しのアドバンテージがあります。

両方をやる選手も多いですね。でも餅は餅屋です。キューブ専門の人に到底適わないことに気が付き、主戦場はメモリースポーツに戻ってきがちです。

32. 神経衰弱が強いと思われがちだが、綺麗に行列を揃えて並べて表側を数十秒見てから始める神経衰弱など無いので余裕で子どもに負ける

シンプルなトランプの並びであれば数十秒あれば全て覚えることができますが、現実世界の神経衰弱はそんなに甘くありません。
まず行列が揃っていないので覚えづらいし、そもそも表を全部見てからやるわけじゃないので都度ランダムな位置のカードを覚えなければならず、かなり難しいです。変に記憶術を使おうとするより、純粋な子どもの記憶力の方が良いので、普通に負けます。

33. 昔の思い出で記憶が曖昧でも、「まぁ記憶力世界一がこう言ってるんだから」と信じてもらえる

記憶力世界一であることと記憶力が良いことは関係無いので、僕は全然昔のことを覚えていないのですが、肩書きだけで信じてもらえることがかなりあります。得をしていてごめんなさい。
逆に正直に「覚えてない」と言っても信じてもらえないことがままあるので、その場の空気に身を委ねています。

34. PAOシステムの名前が強そうで憧れる

トランプ記憶のやり方の一種で、「PAOシステム」という記憶術があります。
実際には他の技と効果はそこまで変わらないので敢えてやる必要もないというのが最近の見解ですが、名前が強そうなのでみんな1回は憧れて習得を目指します。はい、僕もPAOシステムを使っています。

35. 歩きながら脳内で場所を辿る練習をしていて、1歩ごとに1つ場所を進もうと決めてしまったために後半の弱い場所になるにつれて歩く速度を遅めがち

場所法を上手に使うためには、使う予定の場所を速く正確に辿れるようにする必要があります。
その練習として、脳内の場所だけを高速で辿るというのが有効なのですが、これは隙間時間に何の準備も無く行えるため、初心者の頃は歩きながらよくこの練習を行っていました。

辿るリズムが大事なので、自然と1歩進むごとに脳内の場所も1つ進んでいくというルールになるのですが、後半の場所は普段使わなくて弱いので辿るのにも時間がかかります。でも1度決めたルールを変えるのはよくありません。その結果、どんどん歩くスピードが遅くなり、傍から見ると体力が尽きた人になります。

36. 雨の日に友達とレストランに入る際、入り口の傘立てに傘を置いた友達から「絶対帰りに忘れるから覚えておいてね」と頼まれがち

日常の記憶力は良くないので関係無いのですが、色んな人からよく頼まれます。
一応コツとしては、帰りに必ず行うアクションや見るものと「傘」を結び付けた想像をしておくと良いです。例えばレジでお会計をしている時にいきなり店員さんが傘を持って襲ってきたという場面を1回想像してください。帰りのお会計の時にその場面を思い出して傘を無事に持って帰れるはずです。

37. アクション映画を見た直後にやる単語記憶、いつもよりバイオレントになりがち

単語を覚える時には突飛な想像をして場所法で覚えます。この時、僕は直前に見たものに影響されがちで、アクション映画を見た直後だと暴力的で激しいイメージを作りがちになります。全部が血みどろになった結果、覚えられなくなります。

38. オセロ盤の1行が6マスか9マスだったら良かったなぁと思う

テレビ用のパフォーマンスでたまに「オセロ記憶」をやることがあります。オセロ盤に並んだ白黒の駒の配置を覚えて、再現するというパフォーマンスです。
これはどうやって覚えているかというと、白を0、黒を1と変換して、ゼロイチの数字の並びとして覚え、その数字をさらに十進数に変換することで単なる数字記憶と同じものにして覚えています。

例えば、白黒黒→011→3、黒黒黒→111→7となります。

大会の過去問

変換が手間取りそうに思えるかもしれませんが、実際にメモリースポーツの大会でも「二進数記憶」というものがあって練習で慣れているので結構簡単にできます。

ただ、オセロは1行が8マスでできているため、3桁ごとに区切って変換をすると右端の2列が余ってしまってうまく覚えられないんですよね。なのでいつももどかしい思いをしながらなんとか覚えています。せめて9マスであれ。

39. ウズベク語のありがとう「Rahmat」を覚えがち

最近ウズベキスタン人が強いです。そのためメモリーリーグでオンライン対戦をしていると結構な頻度でウズベキスタン選手とマッチするのですが、試合後のチャット欄でよく「Rahmat」と言われます。
気になって調べると「ありがとう」という意味らしく、覚えてしまいました。ちょっとずつウズベク語の語彙が増えていきます。

40. 記憶術を使っている感覚を言葉で正しく説明できている気がしないので、早く脳内をそのまま見せられる装置が発明されてくれと思う

VR技術の発展に期待しています。脳内をそのまま見せたいです。

41. 友達に卒業アルバムを借りようとするも、さすがに一歩留まりがち

地方局のアナウンサーと市議会議員を覚え終わったら、もう練習問題が無いので友達に卒業アルバムを借りて全員覚えようか、と思ったことがありましたが、さすがに思い留まりました。

42. 場所作りのために撮った写真でGoogleフォトが埋まる

場所をすぐ思い出せるように道端で場所の候補となるものを写真に撮ることがあります。(怪しまれないようにする必要があります)

電話ボックスは良い場所、覚えやすい

そうするとGoogleフォトが謎の写真で埋め尽くされるようになります。後から見て何だっけこれと思うことが多いです。記憶力が悪い。

43. 大和郡山市に詳しくなりがち

メモリースポーツが日本で発展したのは間違いなく奈良県の大和郡山市のおかげです。
大和郡山市は町おこしイベントで「記憶力日本選手権大会」というのを行っており、コロナ以前は毎年記憶力大会を開催していました。
なので日本人選手はみんな毎年2月に大和郡山市に行っていたんですね。

毎年行くので詳しくなるし、大和郡山市が聖地になります。
みんな場所作りの候補に飢えているので、会場の「やまと郡山城ホール」はみんな場所にしているのではないでしょうか。

あと、ちょうど大会の時期に隣の公園でやっている盆梅展が気になりがち。

44. 変換表に入れるためだけに友達を作ったことがある

数字やトランプのあらかじめ決めておく語呂合わせを一覧表にしたものを「変換表」と言います。この変換表をいかに馴染み深い単語や人物で埋めるかというのが記憶しやすさに関わってきます。
でも日本語でうまく変換が作れない物もあります。

無理やり作ろうと思えば作れるんだけど、あんまり身近じゃないから覚えられない、と悩んでいた時、ちょうどその語呂合わせがあだ名になっている人がいました。なので仲良くなって友達になりました。
※87が「はな」なので「花子さん」と友達になった、みたいなイメージ。

その子に伝わると仲良くなった動機が不純すぎて怖いので秘密にしています。

45. 「いかに忘れられるか」という忘却術が大事、という落語みたいな結論になりがち

円周率を覚えていない理由もそうでしたが、メモリーアスリートは記憶が長期化されてしまうことを嫌います。毎回その場で新たに出てきたものを覚える必要があるためです。
※ちなみに過去の練習で覚えてしまったものを「ゴースト」と呼びます。

その結果、大量に覚えるためには「すぐに忘れる能力が必要」ということに気付きます。矛盾しているようですが、そうなのです。

僕は記憶は努力でできるが、忘れるのは才能だなと思っています。

46. 簡単なワーキングメモリーを試すゲームや脳トレ、無限にできるので精神力の戦いになる

その場で見たものを一時的に保持しておく記憶を「ワーキングメモリー」と言いますが、それを鍛える脳トレアプリやゲームが結構あります。
普通は僕らも一般的な結果しか出ないのですが、ゲームの仕様によっては「記憶術を使うことで無限に覚えられる」というものも存在してしまい、失敗するまでレベルが上がっていくものだと終わりません。

クリックミスをするか、放棄しないと終わらないので、全く記憶力の勝負ではなく精神力の戦いになります。

例えば「Human Benchmark」という有名なサイトの「Sequence Memory Test」では、9枚のタイルが順に光って、その順番を覚えていき、1枚ずつ記憶する量が増えていくのですが、タイルに順に1-9の数字を割り当てればただの数字記憶です。理論上は5000個くらいは覚えられるので終わりがきません。1度やったことがありますが、修行でした。

47. 強い選手のあだ名「マシン」がち

「あの人って機械みたいだよね」はメモリースポーツにおいて最高の褒め言葉です。

48. 初対面の人の名前がメモリーリーグによく出てくる名前だとテンションが上がる

顔と名前を覚える種目では、出題用の名前のデータベースがあるため、ある程度やると頻出の名前が分かってきます。
その名前を実生活で見かけると嬉しくなります。結菜や翔太、櫂に美桜など、嬉しいです。その名前というだけで友達になりたいです。

49. 記憶力には自信が無い

ここまで到達した方は理解していただけたかと思いますが、メモリースポーツの成績に記憶力はほとんど関係無いんですよね。
僕は昔のことを全然覚えておらず、また、映画や漫画の内容も全然覚えられません。友達と一緒に映画を見ても、終わった後に感想を言い合えないんです。そんなシーンあったっけ、となってしまいます。

それなのに記憶力世界一の称号を名乗っている罪悪感を抱えて生きています。

50. 結局何の才能が必要なのか分からない

記憶力が要らないなら、何の能力が必要なのか?が結局分かっていません。謎のスポーツだと思います。
強いて言うなら想像力か集中力かな?とは思いますが、活躍している選手にも全然共通点が無く、つくづく変で面白いスポーツだなぁと思っています。
1回世界の全員がやってみたら、思わぬ人物に才能があったということになると思います。ロマンがありますよね。

この記事を読んでいるあなたが、次の記憶力世界一かもしれません。


以上、記憶力世界一あるある50選でした。

「記憶力世界一」と聞いて予想したものはあったでしょうか?
メモリースポーツのおかげで大分変な生活にはなってしまっていますが、その分得られたものもたくさんあり、この道を極めて良かったなぁと思います。

このあるあるに共感できる人が増えてくれれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました!


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