見出し画像

電気料金のお知らせにみる文学性

僕は「母ちゃん」とは言わない。

「母さん」か、名前に「さん」付けで言う。特に意味はない。◯◯さん…と言うのは、私の父母はお互いを、名前にさん付けで呼んでいることもあり、習慣化しただけの話だ。

そこで我が父母お互いの呼び方について

◯◯さんとさん付けで呼び合うなんて…
なんて素敵なご夫妻かしら~♪

そんな話は、書くまでもなく、書きたくもない。好きなようにそれぞれやってもらうとして…。

そんな僕なのだが【母ちゃん】からメールをもらった。


だれ?なに?

詐欺に気をつけようという、啓発記事を書くつもりもない。単純に、シンプルで面白いなぁ…と。

母ちゃんって。

クーポン券って。

よーん♪って(笑)。

時代は変わったな…と。実際クーポン券で仕送りするケースもあるのだろうか。そんな社会だとしても何も問題ない。ただ…

母さんだよー
クーポン券よーん♪
すんじゃないよ!

絶妙に韻を踏んでおり、なんとなく気になった理由は、最近流行の【文学性】によるものか。はたまた、間違いメールにも【創作】の流れが確実に近づいているのか。1行でズバッとド直球の本文は、さすが「母ちゃん」だけのことはある。なんとなく『おふくろぉ』と呼びたくなる(笑)。

クーポンのリンクも、どこかで見たことがあるようなものを忠実に再現している。これも本物そっくりに描く写実的な表現となっている。なるほど、やはり、メールにも文学と創作、芸術的手法も問われるようになってきたか。

さすがにクーポンのデータは、無機質なものにも見えたが、クーポンらしく【割引】金額になっている。あくまでも割引にしか使えないというリアルな質感を再現している。そして5,000円というこれまた微妙な線でリアルをついてくる。

一番の驚きは、有効期限だ。4/30ではなく4/29。この1日違いを入れてくるあたりは、この作者はなかなかの腕だ。中途半端にしたほうが記憶に残りやすいという人間心理を突いてきている。もはや恐ろしいレベル感だ。

・・・

いいものを読ませてもらった。

1分もかからずに読破できる素晴らしい文学。気がつけば僕のメールボックスには数々の作品が並んでいる。ほかにも母ちゃんからきているものもあるようだ。誰の母ちゃんだか知らないが、その見知らぬ母ちゃんということも含めて、この間違いメール文学の深遠な魅力を味わうことができた。

このままだと、僕のメールは、表現基準を満たさず、迷惑メール入りは確実。どおりで最近メールの返事が来ないわけだ。時代は私の7歩くらい先を行っている。令和に取り残されてしまった。(今は何時代だったか?)

・・・

スカイメールを思い出した。

スカイメールがやりたくて、J-PHONEにした懐かしい日々。あの紙飛行機マークが何とも言えぬ未来を示していたのかもしれない。文字数も限られていたあの頃…。メールを取り巻く世界も大きく変わった。

そんな思い出に浸っていると、
郵便受けに何かが入った音がした。

おそらくこちらは、チラシアートの作品が届いている。特に注文はしていないのだが、無料で芸術性の非常に高い作品の数々が届く。

なかでもお気に入りは、某ビザチェーンのチラシアートだ。色とりどりのピザを、焼きたてほかほか…。

そんなアートに紛れて
電気料金のお知らせが入っていた。

なぜだろう?

これには、まったく芸術を感じない。それどころか、僕の心を握りつぶさんばかりの強烈な圧力を感じる。これこそまさにリアルの極みのはず。不思議と迷惑にも感じる。

リアルの極みは迷惑…。

なんだかよくわからないが
郵便受けに入る紙類こそ
迷惑メールの極みなのかもしれない。

母ちゃんにメール出してみようかな。

『クーポン券ちょーだーい♪』

ところで、ぶんがくせい…って、なに?

あほか!


いいなと思ったら応援しよう!