しあわせの黄色いたくあん
部屋を掃除している。
「服装の乱れは心の乱れ」というが、部屋の乱れもまったく同じだろう。散らかった部屋の掃除をしているが、「掃除という行動」そのものが乱れる…という謎のループに陥っている
掃除ができない…というのとは少し違う。掃除をしている道すがら、道の駅によってお土産をみて買い物をして、トイレによって…そして元の掃除に戻る。なぜか1kmと進まないうちに、魅力的な地元野菜の直売所が現れる。『これは寄らねば』となり立ち寄る。大根を少々買って、店の人と少々話をして元の掃除に戻る。なぜか1kmと進まないうちに、・・・
しばらくして、お土産に、新鮮な大根に、思い出話…荷物が増えている(笑)。目的地に近づくことができず、散らかる材料だけがどんどん供給されて…掃除をするどころか、掃除前よりも散らかるという…(笑)
要は【掃除をしたくない】のだ。
部屋が散らかっているのは少々不快だが【掃除をしたくない】が上回ってしまう。何かと話題になる「汚部屋」にも近く、しかしその手前だろうか。【荷物を増やしたい】というよりも【掃除をしたくない】…。もう少し踏み込むと、掃除をすることから逃げるために荷物を増やす…。矛盾しているようだが、あふれそうなごみ箱にたくさんの魅力的な荷物で重石をするような感覚なのだろうか。まさに臭い物に蓋をする。
新たな荷物を増やせば増やすほど、重石の重量はどんどん増えていく。そのうち元のごみ箱はつぶされて見えなくなるが、今度は重石として使っていた新たな荷物がごみになる。もともと心から欲しくて買ったものではないので、どんどんごみに変わっていくのだ。また掃除の本線を走ろうとするが、一見魅力的に見える荷物→重石→ごみ→ごみがどんどん膨らんで果てしなく増えていく。とはいえ汚部屋という状態ではない(が、そうなるのも時間の問題かもしれない(苦笑))。
それでも【掃除をしたくない】のは、蓋をしてしまった臭いものをみたくないのだろう。なんとなく自覚はある。自分の問題や課題に向き合いたくないという思い、もっといえば問題や課題の答えが見いだせないから見たくない。誰もが答えを出せない問題にそれなりに長い期間さらされていれば…闘争か逃走か…というよくある二択に収束してしまう。重石をする前に掃除ができていれば何でもなかったことが、問題になり、問題を漬け込んでいるうちに「超一流大学の入学試験」にも出題されないほどの大問題になってしまう。問題用紙を鞄に入れて、その鞄をごみ箱に入れて・・・(笑)。
一度こじれたループが完成すると、単独でこれを巻き戻すのは不可能だ。問題を解決することが不可能というよりも、問題を膨らませているループを止めて解きほぐす必要がある。これは一人ではできない。さらに勇気をもって言えば、誰かに頼もうにもプライドが許さない。もっといえば「恥ずかしい」のだ。
なぜ恥ずかしいのか。学童期から掃除をすることが常識とされている世の中において、散らかっている(散らかしていると思われる)状態は、みっともないと思ってしまうのだ。自分で積極的に手を挙げて・・・自分のみっともない姿は見せられない・・・。当然のことだろう。
もっともっと踏み込めば、散らかっている状態が恥ずかしいのではなく、散らかしている自分が恥ずかしいでもなく、無意識?意識的?に隠している問題そのものが恥ずかしい…。ものすごく幼稚な問題だと感じていればいるほど恥ずかしい。
いや、違う。
隠している問題は、その背景も含めてとても複雑なものなのだが、私が自分で「幼稚だ」とレッテルを貼っている…だからこそ重石を置いて徹底的に見えないようにする。しかし、第三者が冷静にその問題を見つめれば【物理的に】解きほぐす糸口はいくらでも見いだせるのだ。
しかし、第三者のそれはあくまで【物理的】なのだ。実際には私の内面で起こっている私自身が踏み込めていない気分や感情や事実が複雑にこんがらがっている。表面的な感情や言葉や行動でみえれば第三者でも自分でもとらえられる。反対に、自分でとらえきれていないものを第三者がとらえられることは少ない。
見方、見え方の問題ではなく
見えないことが問題なのだ。
私は、仕事柄、人の悩みを聞くことも多いのだが、それだけにその悩みの本質にたどり着くことの難しさや、悩んでいる人が自身の複雑な思いを言動に結び付けられない様子に、歯がゆさを感じてきた。当然、私自身が私の本質にも近寄りがたいのだ。
人は教科書では語りがたい、
語り切れない深みがあるのだ。
私にも心のごみが
相当量、貯まっているのだろう。
しかし・・・
重石は重ければ重いほど
漬物はうまそうだ♪
そう思うと…
意外と人の悩みは、臭いものでも、汚いものでも、幼稚なものでもなく大人だからこそ深みがあり熟成されたものなのかもしれない。
悩みや問題や課題の漬物を
タイミングを見て取り出して
適度に塩抜きをして
お茶漬けにしてさらっと流す。
散らかった仕事部屋をぐるっと見回す。
なかなか散らかっているが
まぁまぁ私らしくもある(笑)
お茶でも飲むかね♪
新鮮な大根・・・
おばあちゃんの
たくあんが懐かし~い
しあわせの黄色で
パリッとね!
