迷子の鏡~ナビゲーション対決~
用事があって、あるところに外出することになった。何度も行ったことのある土地。道も休憩場所も完全に覚えていて、わざわざカーナビを使う必要はない。
ただ、今回はスマホのナビを使ってみようと思い立った。
ここ最近、スマホのナビを試しに使っていたのだが、渋滞状況の把握が早い。カーナビにも同じような機能があるものの、どうしても一手遅れる。道路工事の情報は把握できないことも多い。その点、スマホのナビはすさまじい。渋滞回避ルートも驚くほど的確かつ独創的だ。まさかのルートが出現し、迷路をさまようように奇跡の回避を何度も体験した。
とはいえ、私はその渋滞回避などの便利さよりも、スマホのナビがそのルートを選ぶということそのものの仕組みにとても感心していた。
私の経験ナビゲーションが指し示すルートも研究に研究?を重ねて捻り出したルートだ。できるだけ渋滞ポイントを回避、混雑状況によっては王道ルートにも戻れるようなバイパスルートだ。コンビニ、トイレのスペック、寄り道できるスーパーなどなどの情報もおおむね把握している。たまに、コンビニが姿を消したり、らーめん店に変身したり。違う意味での驚きがあるのが私のルートだろう。
さぁ、スマホのナビは
私をどこへ連れて行くのだろう?
あえて先読みをせず、実験してみることにした。
出発すると、
さすがにそこは私のルートと同じ…
は?
まったく逆方向。ウソダロ!
『間違っているのでは?』と思い、もう一度確認してしまった。うっかりさんの私なら十分にあり得たのだが、きちんと入力されている。ここは信じて車を走らせる。なにせ実験なのだ。
当然のことなのだが、やがて知らない道に突入した。しかも結構ポキポキ折れる道だ。私は運転が好きなので、ずっと直線よりもポキポキ折れるほうが眠くならずにすむし、何より楽しい。
ブブブブブー
「この信号を右方向です!」
チッカチッカチッカチッカ…
「止まれの標識を左折です!」
ブブブブブー
「○○方面、道なりです!」
右へ左へくるくる回る…どこへ連れていかれるのか、だんだんと分からなくなる。どこの市にいるかだいたい把握できていたはずが、やがて『えっ?どこ?』ということが増えてくる。操り人形的な迷子になってしまったようだ(笑)。
『いやいや、そうはいっても、そろそろ知っている道に出るはずだ。』
そんな風に考えていたのだが、到着予定時刻「10分後」。
『えっ?あと10分、
まだ知らない場所なんだけど』
あと7分…
「この信号を斜め左方向です!」
あと5分…
『!!!』
『まじか!ここに出てくるのかぁ!』
(しかも、早く到着って…)
私の中で革命が起こったかのような衝撃的な出来事だった。あるいはペテンにかけられていた?と思うほどだ。これは自宅に帰ったら復習をしないといけない。私の経験ナビゲーションは完全敗北だ。スマホとの間に不平等条約を…(関係ない!)
私の18~49歳までのドライブ経験に基づく、経験カーナビゲーションシステムは、システム?は?ゴミ認定!というレベル感だった。(それは言い過ぎな気もするが…)
それにしてもすごかった。
自宅を出発して15分ほどで知らぬ道に入り、到着5分前までの1時間ほど、迷子になっていた。あえて不便さを感じた点を挙げるとすれば、休憩ポイントが事前に把握できなかったことくらいか。これもスマホでルート検索をすればいいだけなのだが、単にそれをしなかっただけだ。
用事を終えて、スマホのナビを使って自宅に帰ってきた。帰りは行きのルートとは一部異なり大きな国道も時折走りながら帰宅。これもまた驚くべきルートだったことは言うまでもない。そして何より帰宅が早い!
自宅で復習をしてみると、
驚くべきことに気づいた。
自宅から目的地を直線で結んだ場合に、私のルートはその線の下側、スマホのルートは上側。上下が、だいたい対称の走行ルートになっているではないか!
まるで鏡を見ているかのようだった。
分かりにくいので、絵を描いてみた。

まぁ、当たり前と言えば当たり前のような気もするし、驚きと言えば驚きともいえる程度のものかもしれない。でも、復習してこれを知ったときは、『私のルートもさほど悪くない…』とも思った。
カーナビも、スマホのナビも、私のナビも、行きつくところはそんなに変わらないのかもしれない。ただ、変わるとすれば、私の経験ナビゲーションシステムは【実用に足るまでに相当な時間がかかる】…ということか。
今回の戦いは、過程を振り返ってみると、私も善戦したように思う。完全敗北ではない。データにない休憩スポットの事前把握というメリットも含めれば、意外と引き分けくらいには持っていけたのではないか?
どちらが勝ちでもかまわないのだが、
人間も機械もそれぞれになかなかだ(は?)
ちなみに、ふと休憩で立ち寄った和菓子屋さん。みたらし団子がおいしかったが、ネットの情報では星2つ(☆☆★★★)だった。
やはり、人間も機械もそれぞれになかなかだ。
星2つの和菓子屋さん、
おすすめですよ(笑)
