筆箱のジョニー
あなたは持ち物に名前をあげる人だろうか。
ジョニーは私が中学一年生の時から使っている筆箱で、私の持ち物の中で唯一「名前」がある。

ミニチュアダックスフンドを模した筆箱だ。
筆箱というより、ペンケース。
な気がするが、題名が筆箱のがいいので筆箱と書こう。筆は入っていないけど。
THEDOGシリーズが流行ったり、某金融機関のCMが流行ったり、あの頃は世間が犬ブームだった。
我が家にはコーギーがいた。
コーギーグッズを集めていた記憶がある。
でも、筆箱はダックスのジョニーだった。

ジョニーの中身は至ってシンプルで、ボールペン、シャーペン、消しゴム、シャー芯、定規がスタメン。
たまに、画像のように色鉛筆などが混じる。
(小話・写真にうつる「まつばいろ」さんは私が持つ色鉛筆の中のご長寿である。私が小さい頃にはすでに長さは半分無かった。父が学生の時に使っていた色鉛筆である)
ジョニーは私の暗雲立ち込める中学生活の小さな光であった。
可愛いものが側にあることは心の安定に繋がる。
ジョニーを揶揄う男子のことはフルシカトして、可愛さや物珍しさに寄ってくる女子とそれとない会話をする。
完璧にコミュニケーションを閉じるわけではなく、物を介して私はコミュニケーションを取ろうとしていたようだ。
ジョニーの他にもカラーペンの詰まったペンケースを持っていた。
カラーペンとかに限らず、文房具はその時代の流行りがあると思うが私が中学生の時は
パイロットのゲルインクボールペンを誰しも持とうとしていた。
他の学校は知らないが、我が中学は爆発的人気だった。あと、細身のポスカ。写真に書き込めるペンとか流行ったなぁ。

あまりに皆が持つので、借りパクだなんだと問題も起き、ライターであらゆる箇所を炙ってねじったり、中にシールを挟んだりと、それぞれが自分のだとわかるようにカスタムするようにしていた。
あんなに詰め込んでいたカラーペンのペンケースは何処へやったのだろう。
香りつきだの、マーブルだの、消しゴムをかけると色が変わるだの…。
ペンケースだって缶のやつ、布のやつ、チャックだらけのやつなど、そんなに必要ないだろうというほど持っていた。
けれど、結局、私が手元に残したのはジョニーだったし、大人になっても使い続けるのはシャーペン、ボールペンなのだ。(少し嘘。カラーペンも飽きずに集めてしまう…)

最近片付けて、ジョニーの次に長く共にいた「猫ちゃんペンケース」とお別れした。
チャックがしまらなくなったのだった。

彼女は私がバラで集めたクーピーをいれていた。
年齢的に高校一年の時に「しまむら」で発見したのだ。
それから、今までいろいろなペンをいれていた。
ジョニーはまだまだ元気に筆箱が出来そうだ。
何時まで手元にいるのだろうか。
『何時までも』なんて思わないけど、物が物でいられる間、使ってあげられたらいいなとは思う。
でも、それって、私の肉体が使えていないと出来ないから、物を想うと結果として肉体を考えることになるんだなって今思った。

あなたが使う物達が、あなたと仲良しでありますように。
そして、あなたと一緒に、物と一緒に、進む日々が優しく楽しくありますように。
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