「オリーブの木と小さな子狐」
昔々の話でございます。
小さな小さな子狐が、雲の上の忘れ物をとりに行ったとさ。
先ほどまで、友達と一つの雲で遊んでいたのです。その時に、キラキラと輝くお星様を見つけたのでした。
嬉しくって、おっかさんに見せようと、持って帰ろうと思っておりました。けれども、帰り道の途中でお星様を置いてきてしまったことに気がついたのです。
「たいへんたいへん!」
そう言い残して、子狐は来た道を戻ることにしました。
ところが、さっきまで遊んでいた雲がどこにも見当たりません。空は雲一つないのです。
「こまったこまった!」
そう言って、しょんぼりと耳を垂らしました。
数日が経ち、子狐はすっかりお星様のことなんて忘れておりました。
いつもの通り友達と遊んでいると、二つ先の雲の上に空にひらく小さなドアが見えたのです。
目を擦り、友達と頬をつねり合いました。けれども、本当にそのドアはあるみたいでした。
いつもいつもおっかさんに、危ないところや見たことないところには行かないようにと注意されています。さてさて、二匹は尻尾をフリフリ耳をソワソワ止まりません。
「行こう行こう!」
小さなドアはすこーしだけ開いていました。恐る恐る二匹が中に入ってみると、すっと吸い込まれるように消えてしまいました。
ーーー
オリーブの木のオールリーは、このお話を小さな動物たちに伝える役目をしています。みんなは、子供たちが危険なところに行かないようにするためにしている昔話だと思っているようでした。しかし、実際のところは違いました。
オールリーは、この子狐たちに夢の中で出会ったことがあります。そして、小さな手紙を受け取ったのでした。その手紙を枝で撫でるたびに、おっかさん狐を見つけてあげられず、悲しみを感じているのでした。
子狐たちは、夜のすきまに落ちた夢にいるのかもしれない。そう、オールリーは思っています。なぜなら、夢で出会った子狐たちは、なんだか少し暗くて狭い場所にいるみたいだったからです。
どうにかこの手紙をおっかさん狐たちに渡して、子狐たちを助け出す方法はないかと幹をうねらせるのでした。
そこのお前さんたち、どうにかできないものでしょうか?おっかさん狐を探し出して子狐たちのことを伝え、助ける方法を一緒に考えてはくれないだろうか……。
うーん。すぐにはわからないですよね。大丈夫ですよ。私ももう少し思案してみようと思います……。
それではまた。
片桐みかんさんの#3つのお題に空想のひらめきを 【第42回】のお題で書きました。
お題「空にひらく小さなドア」「雲の上の忘れ物」「夜のすきまに落ちた夢」

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