「オリーブの木と秘密会議」
「月曜日にゃ」
三駅か四駅ほど進んだくらいで、猫のミウが話し始めました。
「月曜日?」
答えたのは、雲の番人にオリーブの木から騎士の姿にしてもらったオールリーです。
「月曜日に会議があったんだにゃ」
「月曜日の会議」
「そうにゃ。月曜日の秘密会議。行かなかったんだにゃ。」
「行かなかったんですね」
「そうなんだにゃ。その日は、毎朝のように食べている煮干しが瓶の中になかったんだにゃ。買うのを忘れてね。
ミルクだけじゃあ、なんだか力が入らなくて」
「そうなんですね」
「だから、会議に行かなかったんだにゃ。週に一度だけなのに」
ミウはそこまで言うと、また黙ってしまいました。オールリーもそれ以上聞こうともしませんでした。
キュラリアという王国は、あと二駅ほどだそうです。先ほど、アライグマの車掌さんが通りがかりに言っておりました。まだまだ、かかりそうです。
オールリーとミウが座るボックス席は、ちょうど車両の真ん中あたりにありました。オールリーは列車の進行方向を向いています。
前の席には、ゴリラとカピバラが座っています。
二匹はコソコソと内緒話をしているようでしたが、オールリーの耳には全部聞こえていました。次の企画は歩くアイロン台を作って、みんなを驚かせようなどと話しています。
どうやら、二匹は”ユートーバー”というものらしいです。”ユートーバー”とは何かがよく分からなかったのですが、列車に乗る前にサインくださいなどとお願いされておりました。
廊下を挟んで向かいの席には、蛇の親子が座っておりました。座っているというよりも、寝そべっていると言った方が良いかもしれませんね。
小さい蛇は女の子なのか、自分の舌先につける花飾り(舌ピアスのようなもの)をどれにするかを延々と考えています。その様子を、母蛇がまだ決めないのかもう駅に着いてしまうよと急かしているようでした。
後ろの席には、熊の老夫婦が並んで座っていました。娘夫婦の家に遊びに行くようです。楽しく過ごしているといいがとか孫と遊ぶのが楽しみだと話しています。
最近、熊の子供の間でブームになっている『目玉焼きの片思い』という曲があるそうで、二匹でその歌の予習をしておりました。
和やかに、平和に。
キュラリアまであと一駅となりました。
片桐みかんさんの#3つのお題に空想のひらめきを 【第2回】のお題で書きました。
お題:目玉焼きの片思い/歩くアイロン台/月曜日の秘密会議

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