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なみ町新聞16「恋模様はお影さまで」

割引あり

 なみ町中学校の体育館裏で、二人の生徒がコソコソと動いている。
 一人は、中学校の生徒会会長である海鳥すぐる。黒髪に細身の眼鏡をかけている。頭はいいが、いつもテスト日に風邪をひくから良い点数を取ることができない。この前の中間テストでは後ろから3番目だった。
 もう一人は、副会長だ。名前は、福かいと。肩まで伸びた茶色の髪をゴムで一つに括っている。福はいつも、海鳥会長に振り回されている。

 「さて、今回の議題は……」
「ちょっと待ってください、会長!なぜ、俺たちは体育館裏なんかにいるのでしょう?」
「ふふふ……それはだね、福くん。今日がバレンタインだからだよ!」
「はい、そうですね」
「なんだね、しらっとして。棒読みするんじゃないよ。バレンタインと言えば、恋!生徒たちの青春を応援するのも、生徒会の仕事だよ」
「え?恋?……青春の応援?何言ってるんですか、会長」

 福は、前に垂れてきていた髪を後ろに振り払った。海鳥会長の目をじっと見つめてみる。その目はどうやら本気なようだ。

 「去年までそんな仕事なかったですよね?内藤先輩はそんなことしてなかったですよ」
「去年は去年、内藤先輩は内藤先輩だ」

 大真面目な顔で、海鳥会長は言う。
福はどうしたもんかと頭を抱えた。だが、一度走り出した会長は誰も止められないのを知っていた。

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