「オリーブの木と夏祭り」
時は遡り、列車内でのこと……。
オリーブの木のオールリーは、雲の番人により騎士の姿に変身させられておりました。ガシャンガシャンと音をさせながら歩くのに、少しだけ慣れてきたところでした。
猫のミウとの会話が途切れ、オールリーは窓から外を眺めています。すると、後方からハムスターの家族がやってまいりました。なんと十匹家族です。
「イッチ、ニーイ、サーン!ほら、遊んでないで前見て歩く!」
「「「はははははーい」」」
お母さんハムスターが叫びました。同じ大きさ、同じお顔。どうやら三つ子のようです。
「ヨーン!ゴーオ!その席じゃない!勝手に座るんじゃない!」
「「えーーーー」」
お父さんハムスターが手招きしています。先ほどの三つ子より少しだけ体が小さいハムスターたちがむーっと口を膨らませています。
「ふう!ロークとナーナとハーチは重くなったわねぇ。ちょっと抱っこがきついわぁ」
よく見たら、お母さんハムスターは小さな赤ちゃんハムスターを抱っこしながら歩いていたようです。
可愛いなあと微笑ましく見つめていますと、大量の荷物から何かのポスターがひらりと落ちてきました。オールリーはガシャンギシと音をさせながら、そのポスターを拾ってやりました。
「あらまあすみませんね。子供も荷物も騒がしくしてしまって。拾っていただいてありがとうございます」
お母さんハムスターが丁寧に言いました。
「いいえ。何かお手伝いしましょうか?」
オールリーが聞きますと、
「あらまあ!なんてお優しいこと!うーんそうですね……。お願いできますこと?」
「はい、もちろんですよ」
そういうわけで、ハムスターの子供たちを肩に乗せ、大量の荷物を席まで運んであげることになりました。オールリーの肩からは、楽しそうな声が聞こえてきます。
ガシャンガシャン
キャッキャッキャー
ガシャンガシャ
キャッキャー
通路は先ほどよりも賑やかになったようにも思いましたが、乗客たちはみんな微笑みを浮かべているようで、ほっとしました。
さて、ハムスター家族の席につきました。オールリーは腕を滑り台のようにして、ハムスターの子供たちを席に座らせました。
「優しい騎士さん、本当にありがとうございました」
「きしさん、ありがとう!」
オールリーは柔らかく笑いました。
「そうだわ!ずーっと先にある朝顔駅で、一年中夏祭りをしているからぜひ来てくださいね」
「一年中ですか?」
「はい。朝顔駅がある朝顔町は、ずーっと夏ですから」
「そうなのですね。それはとても楽しそうです。時間ができたらぜひ寄らせていただきます」
「ええ、待ってますわ。こちら、先ほど拾っていただいたポスターに詳しいことは書いてありますからね」
ポスターを受け取ると、なんだか夏の香りがした気がしました。
片桐みかんさんの🌻天空のマンション夏祭りに参加いたします
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