ショートストーリー「トリック・オア・トリート!」#せりふ三題噺
はらとけい様の企画に参加させていただきます(^人^)
お題:
■セリフ「トリック・オア・トリート!」
■三題
・キャンディ
・暗闇
・魔女
かぼちゃ商店の店主、かぼちゃのぼっちゃんは困っていた。
あさ町に持っていくお菓子が一つもないのだ。
毎年9月になると、ハロウィン町ではお菓子の準備が始まる。
10月31日に、ふっと繋がるあさ町の人々へお菓子を配るのだ。
そのお菓子を仕入れるのがぼっちゃんの役割だった。
なのに、ちょっと目を離したすきに、お菓子が全部なくなっていてびっくり仰天!
ぼっちゃんは慌てて、魔女のルータに助けを求めた。
「大変大変!あさ町の人達に配るお菓子が、ぜーんぶなくなっちゃった!」
「ええ!何をしていてなくなっちゃったの?」
「ええとね・・・」
ぼっちゃんは思い出しながら話し始めた。
ー確かね、お菓子を入れるかぼちゃの入れ物の在庫を確認しに、
お店の裏にある、物置小屋に行ったんだ。
物置小屋に行く前は、配る用の棚にお菓子がちゃーんとあったんだよ。
なのに、戻ってみたら、一つもないんだ!ー
「なるほど・・その時、お店には誰もいなかったの?」
ルータは、私の魔法以外にそんなことできるのは誰なんだろう、と思った。
「いないよ!僕と、きゅーちゃんだけ!」
きゅーちゃんというのは、ぼっちゃんと一緒に暮らしているコウモリのこと。
ルータはしばらく考えた後、ぼっちゃんに言った。
「お店の様子を見に行ってもいい?」
「もちろん!」
2人はかぼちゃ商店で、お菓子泥棒の捜査を始めた。
「ぼっちゃん、見て!ここにお菓子が落ちているよ」
「ほんとだ!さっきは全然気が付かなかったよ。
あ!お店の外に続いてる!」
「なんだか、ヘンゼルとグレーテルみたいだね」
「え?何か言った?」
「ううん、なんでもないよ」
ルータとぼっちゃんは、道に落ちているお菓子をたどっていった。
すると、”暗闇洞窟”に辿り着いた。その名前の通り、すごく真っ暗なのだ。
おまけに、キューギィーギャーみたいな音が響いていて、ハロウィン町の住人は誰も近づかない場所だった。
「ルータ、どうしよう。きっとおばけに持ってかれちゃったんだ!」
「いやいや、おばけのばぁちゃんは、こんなことしないよ。甘いものはあまり好きじゃないって言っていたもの」
「じゃ、じゃあ、誰なの・・・」
「うーんそうだね・・あ!そうだ!」
そう言うと、ルータはポケットからキャンディの壺を取り出した。
昨日、かぼちゃ商店で買ったのを思い出しだのだ。
ルータは、キャンディの壺を洞窟の前に置いてから、
「あー疲れた!キャンディでも食べよっと。あ!しまった、落としちゃった」
とわざとらしく叫びながら、キャンディを地面に撒いた。
するとどうだろう!
1匹のこうもりが洞窟から顔を出し、キャンディをつかんだのだ。
「きゅーちゃん!」
ぼっちゃんが驚いて、叫んだ。
きゅーちゃんと呼ばれたこうもりは、ドキッとしたような動きをして逃げようとした。
だけど、ルータはじゅもんを唱えた。
「カタブーラ ヤサシークツカマーエテ キューチャン オイデ」
きゅーちゃんは、優しい手のようなものに包まれていて、その場から動くことはできないみたいだった。
きゅーちゃんはしゅんと落ち込んだような感じになっている。
「きゅーちゃん、お店のお菓子隠したりした?」
ルータが優しく聞くと、きゅーちゃんはキューっと小さく返事をした。
「きゅーちゃん、お菓子欲しかったなら言って。でも、1日2つまでだよ」
ぼっちゃんもなるべく優しく聞こえるように言った。
きゅーちゃんはキュッと声を出すと、洞窟の方に翼を指している。
「”暗闇洞窟”の中にあるの?」
きゅーちゃんについていくと、洞窟の隅の方にお菓子が山盛りになって置いてあった。
「トリック・オア・トリート!」
今年もあさ町に響く声。それは子供も大人も楽しいハロウィンだった。
「毎年このお菓子はどこからくるのかねぇ・・私もまたもらえて嬉しいねぇ」
おばあちゃんがぼそっと呟いたけど、その声は夜の闇に溶けて消えていった。
あとがき
魔女のルータとかぼちゃのぼっちゃんは、このお話に出ています!
AI絵本も出版中です♪
読んでくださり、ありがとうございます!
日常で感じたことや出来事を、お話としてお伝えしています。
それではまた、お会いしましょう(^^)
いいなと思ったら応援しよう!
読んで読んでPOP、書いて書いて物語!ありがとうございます(人*´∀`)。*゚+