Photo by
yk317ss
急性カーテンコール中毒
ー総務部長のお言葉ですが、さすがにそれは無理でしょう。
ー仕方がないだろう。社長直々のご指示なんだから。
ーだって、去年は創立30周年記念だったんで、浪花新喜劇を呼んだんですよ。
ーそうだったな、劇中に素人の我々社員が登場して、割り振られたセリフを読み、劇団員は我が社を持ち上げながら、出演者をいじってくれた。
ーあれですね、仕込みましたでしょ、カーテンコール。社員株主が「しゃっちょお!」って拍手して、挨拶させるの。
ーそうだったな。予行演習までしたな。
ーだいたい、あの社長の棒読みのセリフでカーテンコールなんてあり得ないですから。劇団の方々が全員ずっこけてくれたおかげで笑いが取れたんですから。
ー自分が受けたと、社長が勘違いされたんだな。あれだ。よく言うだろ、なんとかと役者は3日やったらやめられないって。
ーしかしねえ、さすがに無理でしょう。
ーお前もそう思うか。
ーだって、通常の株主総会終わった後に、カーテンコールなんて、ありえないですよ。世間の笑いものになりますよ。
ー問題は、社長をどうやって説得するかだ。
ー通常の手段ではムリそうですね。
ーよし、産業医に処方箋書いて貰おう。社長には、ご病気だから、それは無理だと申しあげよう。病名は、そうだな、「急性カーテンコール中毒」とでもするか。
