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mamige
狐火バーベキュー
ぼっちキャンプというのが流行りである。
流行りというからには、やってみなければならない。なにせ、こちらには有り余る時間があるのだ。
定年後である。いろいろと趣味に取り組もうとしてみたがうまくいかぬ。しかし、ぼっちキャンプだけは、性に合った。モンベルで道具を揃え、車で出かける。しかし、何事にもあきがくる。何か、特別なことを求めたくなる。
そんな時、キャンプ場の水汲み場で、たまたま出会った老人から教わったのが「狐火バーベキュー」だった。
ーあわてると、逃げるでの。
ーで、何を焼くんですか?
ー決まっておろうの、マシュマロじゃ。青い火じゃから、赤い炭火と違って肉は焼けん。欧米では、バーベキューの最後にマシュマロを焼く。
私は老人についていき、夜中を待った。老人はマシュマロを釣竿の先に吊るした。狐火が現れる。老人は器用に竿を操り、狐火でマシュマロを焼いた。
ー食べて見なされ。
受け取ったマシュマロは、こんがりと狐色に焼けていた。
了
