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ときめきトゥーシューズ

最近、ときめかない、とさえっちにこぼしたところ、彼女もそのような相談を受ける機会が多いのか、そういうことであれば、緑の老人のところに行けば、良いアイテムを紹介してもらえるみたいだよ、と教えてくれた。

緑の老人は、縁日にしか現れない。待って、待って、ようやく京都の神社の縁日で出店の見込みがあるということで、阪急電車に乗って出かけた。

ーときめき、のう。
ーはい。
ーおまえさん、心の重心が低いように見受けられるな。
ーはい?
ーあまり、浮き足だったり、せんじゃろ?
ーはあ。
まあ、確かに、あまり、キャーキャーと騒ぐ方ではない。女子の中では声も低めだし。
ーであれば、これなどどうかな。
と緑の老人が取り出したのは、バレエの靴みたいなものだった。ひもが揺れている。
ーこれはな、京都の老舗企業が、贅を尽くして開発したものなんだが、あまりに効果が出過ぎて、市販には至らなかった。
ー効果が出過ぎて?
ーときめきすぎる、という難点があってな。

その言葉を私が身をもって理解するのは、その靴を履いた瞬間にバレー教室の教師の男性にのぼせ上がってしまった後のことだった。




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