Photo by
mirecat
雨乞い難民
これだけ、気象情報が発達して、しかもそれがインターネットで地球上あらゆるところで共有されるようになってしまっては、わが一族の商売もあがったりというものだ。
雨乞いといっても、形だけやっているようでは評判が立たない。干ばつがつづいて、祈祷してはじめて雨が降るという状況があってこそ、雨乞いの価値があり、祈祷師としての面目が立つものだ。
インターネット以前は、まだよかった。気象情報がない地域にでかけていって、適当な時期に売り込み、だめもとでやらせてもらって雨が降り、奇跡だといわれ、神扱いされる地域が残っているうちは、まだよかったのだ。
そういうわけで、地球上での焼き畑農業的な戦略では立ちいかなくなり、現代では難民になってしまった。雨乞い難民だ。
そこで、わが一族は時代を遡ることを選んだ。
そう、わが安部一族は、衛星はないものの現代の気象に関する知見を活かして、平安時代に陰陽師として活躍している。
お? ループしているじゃないか。 了
(本文410文字)
