デラゴシックの派生フォントまとめ
デラゴが好き。
あのずっしりとした極太の横長ゴシック。見た瞬間に目を奪われる存在感。サムネイルに使えば一発で視線をつかめるし、ポスターに置けばそれだけで画が決まる。ここ最近で一番気に入っていて、他と一段違う表現ができる。
ところがこのデラゴシック、SIL Open Font Licenseで公開されているおかげで、いろんなクリエイターが改変フォントを作っている。「デラゴシック系」とでも呼ぶべきファミリーが、気づけばかなりの大所帯になっていた。
今回は、本家を含むデラゴシックファミリーを全部まとめて紹介する。
本家:デラゴシック(Dela Gothic One)
まずは原点。
デラゴシックは、フォントデザイナーのArtakanaさんが制作した極太ゴシック体。2021年にオープンソースとして公開された。Google FontsやAdobe Fontsからも使える。
**特徴**
- 極太・横長のどっしりしたプロポーション
- ひらがな・カタカナ・漢字(JIS第3水準)・英数字を収録
- 商用利用OK、無料
YouTubeのサムネイル、動画テロップ、ポスター、パッケージ——とにかく「目立たせたい」場面で無敵。逆に本文には向かない。そこは潔い割り切りだと思う。
派生1:でらすこゴシック
デラゴシックの「横長すぎる」を解決したフォント。
キノミミさんが制作。デラゴシックの文字を縦に伸ばして、縦横比をバランスよく整えた。名前の「すこ」は「好き」のネットスラング——つまり「デラゴシックが好き」という意味が込められている。
**本家との違い**
- 縦に引き伸ばされて、正方形に近いプロポーション
- 横長だと窮屈になるレイアウトでも使いやすい
- 文字の太さ・インパクトはそのまま
横長のデラゴシックだとタイトルが収まりきらない、という場面で真価を発揮する。
派生2:デラまるゴシック
デラゴシックに「かわいさ」を足したフォント。
やっちゃんさんが制作。角を丸くして長体(縦長)に加工してある。極太のインパクトはそのまま、角丸にすることで圧迫感がやわらぎ、ポップで親しみやすい印象になる。
**本家との違い**
- 角が丸い(角丸加工)
- やや縦長のプロポーション(長体)
- 力強さとかわいさの両立
子ども向けコンテンツ、食品パッケージ、カジュアルなイベント告知あたりで映えそう。
派生3:エイプリルゴシック
デラゴシックを斜めに傾けたフォント。
lavsicさんが制作。角度10°、傾斜10°に変形させてある。それだけなのに、カートゥーンのようなコミカル感とスピード感が出る。変形のシンプルさと効果のギャップが面白い。
**本家との違い**
- 全体が斜めに傾いている(10°)
- スピード感・躍動感がある
- コミカルでポップな印象
アクション系の動画テロップ、セール告知、ゲーム実況のサムネイルに合う。
派生4:雨墨ゴシック
デラゴシックに「手描き感」を加えたフォント。
こちらもlavsicさんの作品。文字のアウトラインにギザギザ・にじみ処理をかけて、墨で書いたような有機的な質感を出している。デジタルっぽさが消えて、温かみと荒々しさが同居する不思議な味わい。
**本家との違い**
- アウトラインがギザギザ(にじみ処理)
- 墨で筆書きしたような質感
- 冷たさと温かさの共存
和風デザイン、ホラー系、アート系のビジュアルに相性がいい。
番外編:饅頭黑體(MantouSans)
海を越えた派生フォント。
台湾のクリエイター・饅頭さんが、デラゴシックをベースに繁体字中国語の不足文字を約508字補完した。句読点も台湾の慣習に合わせて調整してある。
日本発のフォントが台湾で補完されて、中華圏のデザイナーにも使われている。オープンソースフォントの連鎖としてきれいな話だと思う。
まとめ:デラゴシックファミリー一覧
すべてSIL Open Font Licenseで商用利用OK・無料。
・デラゴシック(本家) → 極太・横長の原点。制作: Artakana
・でらすこゴシック → 縦伸ばしでバランス調整。制作: キノミミ
・デラまるゴシック → 角丸+長体でかわいく。制作: やっちゃん
・エイプリルゴシック → 10°傾斜でコミカルに。制作: lavsic
・雨墨ゴシック → にじみ処理で手描き感。制作: lavsic
・饅頭黑體 → 繁体字中国語対応版。制作: 饅頭
デラゴシックが好きな人なら、場面に応じて使い分けると表現の幅がぐっと広がる。個人的にはでらすこゴシックの「本家の良さを残したまま使いやすくした」バランスが好き。
オープンソースのフォントは、誰かが作ったものを別の誰かが受け取って、新しい形にして返す。デラゴシックファミリーはその好循環がよく見えるいい例だと思う。
