原発不明がん
先日、山田五郎さん が、原発不明がん で、亡くなられたというニュースに触れました
博識で、頭の回転が早く、興味深い話をしてくれる、素晴らしい方、と思っていました
がん の患者さん
もっとも治療成績がよいのは、症状が出るまでに診断された場合です
症状がないのに、どうして発見されるのか
もちろん、それは、健康診断や、がん検診を受けて、のことです
最近では、尿を調べるだけ、で、がんの早期発見ができる、とうたっている健診方法が有名ですね
早期発見、早期治療、が、この病気に対する、もっとも有効な対策です
しかし、残念ながら、がん検診を毎年欠かさずに受診していても、発見されないこともありますし、もちろん、労働者には法律で規定されている、健康診断すら受けていない、という方もおられます
そもそも、早期発見に有効な検査方法すら、確定していない がん、もあります
つまり、症状が出てから、病院を受診して、がん、と診断されることも少なくありません
胃のあたりが痛ければ、胃癌を、血痰があれば、肺癌を、乳腺にしこりを触れたら乳癌を、疑う、ということになりますね
中には、腰痛で受診したら、腫瘍による圧迫骨折と他の骨にも怪しい陰影あり、と診断されたり、肝機能異常で肝臓の画像検査を受けたら、肝臓内に多発腫瘤が発見、胸部レントゲン検査で腫瘤陰影の多発、ということも少なくありません
がんの進展度(進行度)は、ステージングとも呼びますが、治療方針を決定する上で、大切な情報となります
ステージングは1から4の4段階が基本ですが、もっとも進行した状態、つまり、遠隔転移があって、外科手術での根治手術は不可能とされる場合、ステージ4と診断されます
つまり、発見時に、すでに、ステージ4の最も進行した状態、と診断されてしまう方も少なくありません そのような場合は、こちらもつらいです
明らかに転移巣と思われる場合、原発巣を探すことになります
肝臓への多発転移の場合は、消化器系、胃や大腸、膵臓などの精査を行います 門脈経由での血行性転移を考えるから
肺の場合は、全身を考えなければなりませんが、肝臓に腫瘤陰影がなければ、門脈領域の消化器系の腫瘍の検索の優先順位は低くなります
消化器系の場合は、まず、肝臓に転移してから、肺に転移することが多いから
女性なら乳癌、男性なら前立腺癌、そして、腎臓の腎細胞癌などを疑います
全身、造影CT検査の実施を考えます
可能であれば、PET-CT検査や腫瘍シンチグラフィー検査が有効ですが、実施できる医療機関は多くありません
腫瘍マーカー検査も行いますが、これは、感度がいまいち、な場合が多いで、数値が正常範囲のこともあるのと、CEAやSCCなど、結局、腫瘍マーカー高値ということはわかっても、どこに腫瘍があるのか、までは、わかりません
そうやって、いろいろ、全身を検索しても、原発巣らしき腫瘍がみつからない、ということが、まれにあります
原発巣がわからないと、有効な治療法も選択できず、ということになってしいまいます
場合によっては、転移巣から、がん細胞を採取する生検を行なって、がん細胞の由来を病理学的に検索することも
原発巣がわからなくても、がん細胞の種類がわかれば、抗がん剤の選択材料になります
診断されたときに、ステージ4、というのは、主治医としても本当につらいです
もちろん、患者さん本人やご家族が、もっと、つらいのですが
山田五郎さん ご冥福をおいのりいたします
