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「どうすれば独立できますか?」と聞くカウンセラー・研修講師に、私がすぐ答えられない理由

こんにちは、大阪市でストレスチェックやハラスメント対策・コミュニケーション向上プログラムを支援しております、株式会社EAPサポート喜びの中井裕規です。

最近、独立や起業のご相談が重なっているので、たまにそういうお話をさせていただくのもいいのかなと思いました。
ただし、私は起業コンサルではありませんのでビジネスに関する広範な知識や豊富な経験はありません。
あくまで私一人が経験したり、勉強したり、尊敬する方々から教わったことの請け売り程度になりますが、誰かの聞きたかった話になれば幸いです。

今日のお話はいきなりそんな話から!?と思われるかもしれませんが
結論から言うと、
「どうしたら独立できますか?」
という質問には、すぐに答えることができませんということをお伝えしたいです。

冷たくしたいわけではありません。
質問してくださること自体は、とてもありがたいことです。

SNSでつながった方。
交流会や勉強会でお会いした方。
キャリアコンサルタント、カウンセラー、研修講師、EAP領域に関心を持つ方。

そうした方から、時々こんな質問をいただきます。

「カウンセラーとして独立したいのですが、どうしたらいいですか?」

「研修講師の仕事は、どうやったらもらえますか?」

「企業に直接営業しているんですか?」

「EAPの仕事をするには、何から始めたらいいですか?」

興味を持っていただけることは、本当にありがたいです。

ただ、正直に言うと、私はその場でうまく答えられないことが多いです。

なぜなら、独立や起業、仕事づくりは、一般論だけではほとんど役に立たないからです。

「方法」より先に、「あなたは何者なのか」が大切

独立や起業の相談で最初に必要なのは、ノウハウではありません。

その人がどんな人なのか。
何をしてきた人なのか。
どんな経験があるのか。
どんな専門性があるのか。
誰の役に立ちたいのか。
なぜ、その仕事をしたいのか。
どれくらいの時間とお金を投じられるのか。
どのくらいのリスクを取れるのか。

こうした前提が分からないままでは、責任ある助言はできません。

たとえば、同じ「カウンセラーとして独立したい」という言葉でも、中身はまったく違います。

すでに企業勤務で人事経験がある人なのか。
医療や福祉の現場経験が長い人なのか。
キャリアコンサルタント資格を取ったばかりの人なのか。
副業として少しずつ始めたい人なのか。
家計を支えるために一定の収入が必要な人なのか。
研修講師を中心にしたいのか。
個人向け相談を中心にしたいのか。
企業のメンタルヘルス支援に関わりたいのか。

これによって、考えるべきことは大きく変わります。

「こうすれば独立できます」という万能の答えは、残念ながらありません。

ある人にとって有効な方法が、別の人にとってはまったく合わないことがあります。

私のやり方をそのまま真似しても、たぶんうまくいかない

「中井さんはどうやって仕事を得ているんですか?」

そう聞かれることもあります。

もちろん、自分の経験をお話しすることはできます。
私自身がどうやって仕事を広げてきたのか。
どんな失敗をしてきたのか。
どんなご縁に助けられてきたのか。
何を大切にしてきたのか。

そういう話であれば、できる範囲でお伝えできます。

ただし、それをそのまま真似すればうまくいくかというと、かなり難しいと思います。

なぜなら、私の事業の形は、私の経験、資格、人とのご縁、地域性、これまでの失敗、偶然の出会い、続けてきた発信、いただいた仕事、悩みながら変えてきた判断の積み重ねでできているからです。

最初からきれいに設計されていたわけではありません。

「この商品をつくって、この導線で集客して、この順番で売上を伸ばしてきました」

そんなに美しいストーリーではありません。

うまくいったと思ったことが、ずっと続くわけでもありません。
一度できた導線が、数年後には弱くなることもあります。
自分の強みだと思っていたことが、市場から見ると伝わりにくいこともあります。
逆に、自分では当たり前だと思っていたことが、誰かにとって価値になることもあります。

事業は、思っている以上に複雑です。

だからこそ、「私のやり方」をそのまま渡すだけでは、その人の役に立つとは限りません。

本当に必要なのは、その人に合った形に翻訳することです。

独立することより、続けることの方が難しい

独立を考えている方の中には、「どうやったら独立できますか?」という問いを持っている方が多いように思います。

でも、私の実感としては、独立すること以上に、独立し続けることの方が難しいです。

開業届を出す。
名刺を作る。
ホームページを作る。
SNSで発信する。
サービスメニューを作る。

ここまでは、もちろん大変ですが、行動すれば形にはなります。

本当に難しいのは、その後です。

仕事を継続的に得ること。
お客様に価値を届け続けること。
価格を決めること。
契約を整えること。
トラブルに対応すること。
自分の専門性を磨き続けること。
心身の健康を守ること。
家族や生活とのバランスを取ること。
売上が不安定な時期にも、次の一手を考えること。

独立は、華やかな自由だけではありません。

むしろ、誰にも強制されないからこそ、自分で決め続けなければなりません。

これは、想像以上に負荷の高いことです。

会社員であれば、上司、同僚、組織の仕組み、給与、評価制度、業務分担などがあります。もちろん会社員には会社員の大変さがあります。

一方で、独立すると、自分の仕事の設計、営業、納品、請求、経理、広報、学習、リスク管理まで、多くのことを自分で考える必要があります。

「好きな仕事だけできる」と思って独立すると、現実とのギャップに苦しくなるかもしれません。

だから私は、独立を勧める時ほど、少し慎重になります。

その人の人生に関わることだからです。

相談には、相談する側の準備も必要です

誤解してほしくないのですが、質問してはいけないと言いたいわけではありません。

むしろ、関心を持って声をかけてくださることはありがたいです。

ただ、「どうしたら独立できますか?」という大きすぎる質問を、立ち話や短いメッセージで投げられても、正直なところ、答える側はかなり困ります。

なぜなら、その質問に本気で答えようとすると、相手の背景を理解する必要があるからです。

少なくとも、次のようなことは知りたいです。

・今の仕事や役割
・持っている資格や専門性
・これまでの実務経験
・どんな人を支援したいのか
・どんなサービスを提供したいのか
・副業なのか、本業化したいのか
・月にどれくらい時間を使えるのか
・どれくらいの収入を目指しているのか
・生活上、どれくらいリスクを取れるのか
・すでに試したことは何か
・今、一番困っていることは何か

これが分からないままでは、どうしても一般論になります。

そして一般論は、聞いた瞬間は「なるほど」と思えても、実際の行動にはつながりにくいものです。

本当に役に立つ相談にしたいなら、相談する側にも準備が必要です。

これは冷たい話ではなく、相談の質を上げるための話です。

学ぶには、時間かお金か、どちらかのリソースが必要

何かを身につけるには、必ずリソースが必要です。

リソースとは、時間、お金、労力、注意力、エネルギーのことです。

たとえば、資格取得を考えても、多くの場合、一定の学習時間や受講費用が必要になります。専門職として活動するには、その後も継続的な学習が必要です。

独立や事業づくりも同じです。

自分で時間をかけて試行錯誤する方法もあります。
本を読む。
発信する。
営業してみる。
失敗する。
改善する。
また試す。

この方法は、とても大切です。

一方で、時間を短縮したいなら、すでに経験している人や専門家に相談するという方法もあります。

社労士、税理士、弁護士、コンサルタント、メンターに相談するのは、自分の時間やリスクを減らすためでもあります。

これは「お金を払わないと教えません」という話ではありません。

そうではなく、真剣に個別の相談に乗るには、相手の時間とエネルギーが必要だということです。

相談する側も、相談される側も、どちらも限られたリソースを使っています。

だからこそ、本気で相談したい時には、相手の時間を予約する、事前に情報を整理する、相談の目的を明確にする。

そうした姿勢が大切だと思います。

無料で聞けることと、時間を取って考えるべきことは違う

無料の雑談が悪いわけではありません。

交流会で少し話す。
SNSで一言質問する。
講座のあとに感想を伝える。
ちょっとした経験談を聞く。

そういうやり取りから始まるご縁も、たくさんあります。

私自身も、多くの方とのご縁に支えられてきました。

ただ、無料で聞けることと、時間を取って一緒に考えるべきことは違います。

たとえば、次のようなことは、雑談でもお話ししやすいです。

・私自身の経験談
・一般的な考え方
・学び始めるための参考情報
・資格や領域に関する大まかな話
・公開されている講座や情報の案内

一方で、次のようなことは、きちんと時間を取った方がいいです。

・あなたに合った独立の方向性
・サービス設計
・価格設定
・営業導線
・SNSや発信の方針
・企業向け提案の作り方
・継続的な事業構築
・契約やリスク管理の考え方
・今の働き方からの移行計画

ここを混同すると、相談する側も、相談される側も、どちらもしんどくなります。

「どうしたらいいですか?」より、答えやすい質問の形

独立や仕事づくりについて相談したい時は、質問の形を少し変えるだけで、得られる答えが大きく変わります。

たとえば、

「どうしたら独立できますか?」

ではなく、

「現在、キャリアコンサルタントとして企業内で働いています。将来的に副業で個人向け相談を始めたいのですが、最初に整えるべきことは何でしょうか?」

この方が、かなり答えやすくなります。

また、

「研修講師の仕事はどうやったらもらえますか?」

ではなく、

「これまで管理職向けの1on1研修を社内で担当してきました。外部講師として提供する場合、最初に実績として見せるべきものは何でしょうか?」

この方が、具体的な助言につながります。

さらに、

「EAPの仕事をしたいです。どうしたらいいですか?」

ではなく、

「私は産業カウンセラーとして個人相談の経験があります。今後、企業の外部相談窓口や研修に関わりたいのですが、EAP領域で追加して学ぶべき視点は何でしょうか?」

こう聞かれると、相手の現在地が見えます。

相談は、質問の仕方で質が変わります。

曖昧な質問が悪いわけではありません。
でも、曖昧な質問からは、曖昧な答えしか返ってきません。

本気で前に進みたいなら、自分の現在地を言葉にすることから始める必要があります。

支援の仕事をする人ほど、自分も支援を受けていい

カウンセラー、キャリアコンサルタント、研修講師、対人支援職の方は、誰かを支援することには慣れていても、自分が支援を受けることには慣れていない場合があります。

「自分で考えなければいけない」

「人に頼るのは甘えではないか」

「まだお金を払って相談する段階ではない」

そう感じる方もいるかもしれません。

でも、私はそうは思いません。

むしろ、人を支援する仕事を続けたいなら、自分自身も適切に支援を受ける力が必要です。

それは、弱さではありません。
専門職としての健全さだと思います。

医師にも相談先があります。
士業にも顧問先や専門家ネットワークがあります。
経営者にもメンターや相談相手がいます。

一人で全部抱え込むことが、独立ではありません。

独立とは、孤立することではありません。

自分で責任を持ちながら、必要な時には人の力を借りること。
その力を借りながら、自分の仕事を育てていくこと。

それが、長く続けるためには大切だと思います。

私自身も、等身大で試行錯誤している途中です

私も、経営者として完璧な人間ではありません。

大きな会社をつくったわけでもありません。
すべてを計画通りに進めてきたわけでもありません。
失敗もあります。
判断に迷うこともあります。
一度うまくいったことが、ずっと通用するわけではないと痛感することもあります。

それでも、私は私の持っている経験、専門性、ご縁、限られた時間と体力の中で、目の前のお客様に少しでも役立てるように取り組んできました。

私の理念は、
「誰もがみな、喜びあふれる人生を歩めますように」
というものです。

これは、企業で働く人に対してだけでなく、支援職として働く人、これから独立を考えている人にも向けている願いです。

不調をなくすことだけがゴールではありません。
人それぞれが、自分の人生に納得し、自分なりの喜びを持って働けること。

そのためには、仕事の設計も大切です。
働き方の選び方も大切です。
自分の限界を知ることも大切です。
誰に何を届けたいのかを考えることも大切です。

独立は、単なる働き方の変更ではありません。

自分が何者として、誰に、どんな価値を届けるのかを問い続ける営みだと思います。

本気で相談したい方へ

独立や起業、EAP事業、研修講師、カウンセラーとしての仕事づくりについて、質問していただくこと自体は歓迎です。

ただ、具体的に役立つ話をするためには、あなたの背景を知る必要があります。

そのため、短いメッセージで
「どうしたら独立できますか?」
と聞かれても、十分なお答えは難しいです。

もし本気で相談したい場合は、次のようなことを整理してからご相談いただけると、かなり具体的にお話しできます。

・今の仕事、資格、経験
・独立して提供したいこと
・誰に届けたいのか
・副業なのか、本業化したいのか
・月にどれくらい時間を使えるのか
・どれくらいの収入を目指したいのか
・今すでに試していること
・一番困っていること

これらがあるだけで、相談の質は大きく変わります。

そして、必要であれば、きちんと時間を取って相談してください。

雑談で答えられることもあります。
でも、人生や事業に関わる大切な話は、やはり丁寧に扱いたいと思っています。

最後に。独立は「自由」だけではなく、「責任」と「設計」でもある

独立や起業には、希望があります。

自分の専門性を活かせる。
自分の言葉で届けられる。
自分が大切にしたい人に、直接価値を届けられる。
誰かの人生や職場に、深く関われる。

それは、とても尊いことです。

一方で、現実は簡単ではありません。

独立することは大変です。
でも、続けることはもっと大変です。

だからこそ、安易に「こうすれば大丈夫」とは言いたくありません。

その人の人生に関わることだからです。

もし、これから独立や仕事づくりを考えている方がいるなら、まずは自分の現在地を言葉にしてみてください。

自分は何をしてきたのか。
誰の役に立ちたいのか。
何を届けたいのか。
どんな働き方を望んでいるのか。
どれくらいのリソースを投じる覚悟があるのか。

そこからしか、具体的な一歩は見えてきません。

そして、本気で進みたい時には、一人で抱え込まなくていいと思います。

必要な学びに時間を使う。
必要な相談にお金を使う。
必要な人に力を借りる。

それもまた、独立を続けるための大切な力です。

あなたが、あなたらしい形で人の役に立ち、
その仕事を通じて、あなた自身の人生にも喜びが増えていくことを願っています。


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✍️ 中井裕規(なかい ゆうき)について
株式会社EAPサポート喜び 代表取締役
公認心理師/精神保健福祉士/社会福祉士/CEAP(国際EAPプロフェッショナル)
東京大学大学院 医学系研究科「職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム」修了。
国際EAP協会日本支部 研修委員 副委員長

「誰もがみな、喜びあふれる人生を歩めますように」という願いを胸に、
企業のメンタルヘルス対策、ハラスメント防止、チーム力向上支援などを通じ、
「人が辞めない・育つ・活躍する職場づくり」を伴走支援しています。

🌐 メディア・公式サイト
Webサイト:https://eap-yorokobi.jp
公開セミナー:https://yorokobi.peatix.com/

💭 最後に
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職場のメンタルヘルスを「制度」ではなく、お互いを思いやる「文化」へ。
今日からできることを、一緒に広げていきましょう。

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