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[持論]Chat-GPTは[ヒトの言語]を使いこなす,だから僕らは彼らを畏れる

 以前、「弱いAI」と「強いAI」があるということについて書きました。

  シンギュラリティという言葉で僕たちが連想する「強いAI」は、まだできてはいません。

「強いAI」と「弱いAI」特徴の対比

【強いAI】例:ドラえもん
・汎用人工知能とも呼ばれる。
・人間と同等の認知能力を持つことが目的。
・自己学習、自己進化を行い、自己意識を持つ可能性もある。
・自らの目的・価値観を持ち、判断力を持った行動も可能である。
・未知の問題に対しても解決策を自ら見つけ出すことができる。

【弱いAI】例:Chat-GPT
・特定の任務や問題に対して人間より高度な処理能力を発揮するシステム。
・大量のデータを学習して予測や分析を行うことが多い。
・機械学習、深層学習などの技術を用いて、自己学習が可能なことがある。
・タスクに依存し、人間の思考や行動に完全に置き換えられるわけではない。
・弱いAIにも強化学習、自己進化の機能を付け加えることで強いAIへ進化する可能性もある(?)

[大前提] 「強いAI」と「弱いAI」とは より再掲


なぜChat-GPTに「恐怖」を感じるのか?

 では、なぜ、「弱いAI」でしかないはずのChat-GPTは、こんなにも、人のように、まるで考えているかのように、しかも、流ちょうに、言葉を返してくるのでしょうか? 

 そして、僕たちは、なぜ、今まで画像認識などの生成系AIは存在していたのにもかかわらず、Chat-GPT登場にこんなにも驚き、恐怖まで感じているのでしょうか?

 この2つについて考察してみたいと思います。

再確認。Chat-GPTは「関数計算」しているだけ

 なぜ、Chat-GPTは流ちょうに話をするのでしょうか? あたかも人間と同じように脳があって、同じように考えて、回答しているようですよね。

 でも、何度も繰り返しますが、Chat-GPTは、ただ「関数計算」をしているだけなんです。つまり、僕たちが何か質問をすると、その質問文を、ある関数にいれて、計算をします。
 
 その計算した結果に対して、自分が持っている、これも、世の中にある様々な文章やニュース、論文などを読み込み、それらを、同じく、関数に入れて計算した結果と突き合わせて、回答文にふさわしい値の「文字」を順番に並べながら、返答していきます。

 ただそれだけです。え? と思われるかもしれませんが、本当です。

突然、人間のように言葉を操るようになった

 ひたすら関数計算して「値」を出して、その「値」に近い「値」をもった「文字列」をアウトプットする、次に、また計算して、最適な「値」をもった、「文字列」をアウトプットする…。

 この関数計算の仕方ですが、人間の脳の神経伝達回路(ニューラルネットワークといいます)の構造をまねて計算しています。ディープラーニングという言葉を聞かれたことがあると思いますが、このディープラーニングは、人の脳を真似て作ったものです。
 
 その脳構造にみたてた、関数計算する仕組みに、大量の、人の会話や文章を覚えさせたのです。

 すると、ある一定量以上の文章を読み込ませた途端に、急に、なぜか、人のように話すようになってしまったのです。

 これは何を意味してるのでしょうか?

人は大量の「言葉」を学んで「ヒト」になる

 ところで、人とサルはなぜ違うのでしょうか? 人とサルの遺伝子構造は90%以上、同じです。ほとんど同じ。でも人はヒトだし、サルはヒトにはなれません。この差はどこにあるのでしょうか?

 人の生まれてからの成長を考えてみましょう。

 人は生まれた時は、思考はできません。本能があるだけで言葉もしゃべれません。サルと同じです。生まれた赤ちゃんに、親は毎日のように話しかけます。そのうち、片言の言葉を発するようになります。

 生まれてから、毎日、毎日、人の会話を、親から、テレビから…とにかくたくさん聞きます。そうしてるうちに、人は言葉を徐々に覚え、徐々に言葉を話すようになると共に、徐々に知能が発達してきます。

 やがて、ある程度、言葉を聞いたら、一定の思考力と会話能力を身に着けます。要するに、人は生まれてから、大量の「言葉」を学んで「ヒト」になったのです。

脳回路の模倣が、脳構造の言語学習機能そのものだった

 そう考えると、すべてが理屈が通ります。

 要は、まずChat-GPTが、人間の脳を模した関数計算をする回路で、言葉を大量に学習しました。その結果として彼らが人間のように話せるのは、この「脳回路の模倣」が、脳構造の言語学習機能そのものだったからです。

 だからこそ、大量に言葉を覚えた結果、人が赤ちゃんから大人になり、言葉が話せるようになったのと同じように、会話ができるようになった、ということです。

 つまり、大規模言語モデルで、僕たちは、少なくても、言語分野においては、人間の脳と同じものを再現し、人の成長過程と同じように、言葉を学ばせることで、人並みに話せる人工知能を作り上げた、ということです。


ディープラーニング=脳と同じ構造のものを再現できた

 これが、Chat-GPTが流ちょうに話ができる理由です。そう考えると、すべてが説明がつくのです。

 脳の機能や構造は、脳神経学でも解明できていませんが、Chat-GPTが人のように話せるようになった結果(結果科学と言います)から逆算すると、ディープラーニングの仕組みが脳そのものの仕組みであり、脳と同じ構造のものを、僕たちは再現できた、ということなんだと思います。


人が人たるゆえんは「言葉を話すこと」

 そして2つめのの疑問、「なぜ、今まで画像認識などの生成系AIは存在していたのにもかかわらず、Chat-GPT登場に、こんなにも驚き、恐怖まで感じているのか?」ですが、これも僕はこう考えています。

 人とサルの違いは、言葉を話すか話さないかが大きいと述べてきました。つまり、僕たちは、僕たちが人たるゆえんは、「言葉を話すこと」である、と無意識に理解しています。

 ですので、10年前に、既に、画像診断で医者より精度高く、レントゲン写真を解析できるAIが出ても、数年前に、囲碁の世界チャンピオンにAIが勝っても、「AI脅威論」は起きなかった。

 ところが人がヒトたると思っていた「言葉をしゃべる」Chat-GPTが登用した途端に、AIがヒトになった、ヒトを超えるかも、仕事が奪われるかも、AIに人が支配されるかも……と急に騒ぎ出したのです。

 これが、この10年、生成系AIは多数登場していたのに、Chat-GPTで大騒ぎになった理由ではないかと僕は考えます。

人間は、脳と同じようなものを偶然作り上げてしまった

 脳に似せてAIシステムを作った結果、偶然脳と同じようなものを作り上げてしまった…これがおそらく真相だと思います。

 そしてそのAIがヒトのヒトたる存在の象徴の「言葉」を操るから、僕らは、Chat-GPTに感動すると共に、恐怖まで覚えているのでしょう。


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