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北門鎮護は優美なる岩木山神社 ィイ・ヤシロ・チvol.97

北の一の宮ツアー、二社目は、津軽の国新一の宮である岩木山神社。津軽平野の何処からも遥拝できる岩木山。その神様を祀る創建1200年の古社。

津軽富士と謳われる、青森県一の名山である岩木山。バス移動が始まって田園エリアに入ると、車窓から雪をのせた綺麗な山容が見え始めた。それは初めて目にした岩木山。そのうえ青空に群れ飛ぶ白鳥までも初目撃して、わたくしのテンションは、グンと上がる。

写真には撮れなかったけれど、まさしくこんな様子だった。↓

青森市内よりもずっと気温が低いようで、木々には花ではなく蕾や芽吹く若緑がちらほらの、早春の景色をバスは快調に進んでいった。

一時間ほどの移動の後、ツアーバスが社前の駐車場に到着した時は、まぶしいほどの青空を背景に立派な鳥居とその後方に冠雪の岩木山がくっきりと見えたのは、大変に嬉しいことだった。

すっきりと立派な鳥居

公式ホームページを拝見すると、一の宮の呼称よりも、北門鎮護が前面に押し出されている当社。本州の北を護ることが、最重要任務なのだ。

最初の鳥居をくぐれば、まだ二つの鳥居が奥にある。参道脇に残雪が集められていて、その端に雪解け水が豊かに流れていく。初めましての、東北の古社の参拝が美しい早春にかなったことが、心底有難い。

奥にまっすぐに伸びていく参道が清々しい。

雪のにおいが鼻孔をくすぐり、集められた残雪からの冷気と、降り注ぐ日光の温かさを同時に感じられる最適の参拝日和。真っ直ぐに聖なるお山に延びる参道を、「気持ち良いところですね」と旅友さんとご機嫌よく歩く。

少し進むと、ちょうど横にいらした添乗員さんが、「この五本杉は、御祭神の五柱の神様の顕現されていると伝わってますね。」と解説いただく。

確かに珍しい樹形

なるほど、立派で神々しい御神木と見上げ、写真撮影をしてから、再び参道を進んでいくと、左側に鳥居が見える。近づくと、其処は奥富士出雲神社。「奥富士」とは津軽富士と謳われる岩木山のことを指すのか?と考える。

奥富士とは岩木山のことかしら?

青空に鮮やかな赤い鳥井や社殿の屋根が映えて、出雲のイメージとは異なるような?さらには石像が両側に立っている。神像が立つ神社は珍しい。

釣竿を持っているのは恵比寿さん
打出の小づちをもって俵の上に載っているのは大国さん

拝殿に進んでご挨拶参拝を済ませて振り返ると、白龍社も坐す

お日様に温められているような白龍社

龍神様には、「晴天ありがとうございます。この後もお天気よろしくお願いいたします」とご挨拶。まだまだ参拝旅の先は、長いのだから。

そうして、参道に戻って進むと、またもや左手に気配を感じて目をやった。と、奥まった場所に何やら石碑のようなものが見える。ちょうど木漏れ日が当たっている。

「こっちだと」いう圧を感じて、目が合ったような

手前の二本の大木が、生き木の御門(門番)のように屹立し、此処が大事な祀り場だと示してくれていた。けれども、其処に目を凝らしつつも、身体は参道からは外れない。

なんだかラスボス感が放たれて 近寄りがたい雰囲気も

なんとなく畏怖を感じつつ見つめれば、石碑には「奉崇守山三柱大神」と刻字されている。岩木山を守護する神様方?。岩木山への登山道に当社から通じているようだから、その護りだったり?残雪が残る不如意な足元を見て、立入るべきではないと判断し、参道からご挨拶するだけにとどめた。

こうして本来の参道をさらに歩めば、楼門の存在感は段々大きく強くなってきた。

社務所の前から撮影

そのスケールは半端なく、巨大ながら精緻な建築の迫力に気圧される。橋を渡り神域に近づくほどに、ドキドキするような心持になってくる。足元の流水の清らかさと水音の癒しが落ち着きをもたらしたのは、清水の浄めの効果だろうか。

これほど清浄な水場は稀少
「ドーン」という効果音が似合いそう

石段を上がって、ツアーの方々とひとしきり和ませてもらったのは、楼門前の「狛犬?」さんたち。金運と恋愛運をそれぞれ担っておいでだとか。
ゆるキャラな表情に加えて、ポーズもユーモラス。彼ら?に出会うと、殆どの人が頬を緩めて記念撮影に挑まれていた。

金運担当の立ちポーズさん
恋愛運担当の逆立ちさん

よくよく見れば、この石像と柱や土台は一体である。つまりは同じ石材からそのまま切り出されているということ。力自慢の男が一人で運び込んだとか、名工が彫り上げたとかのお話もあるようだ。

わたくしが好きな江戸期の画家若冲の虎に似た生き生きとした楽しい門番を、上手に彫り上げた技量は素晴らしい。つい調子に乗って「本当は虎のポーズで四つん這いだったのをコロリと角度を変えて使ったとか?」と妄想を始めてもしまった。

笑顔で上下のペアを眺めているうちに、「天と地をそれぞれ見張っているのかもね?」などとまた違う角度の妄想モードもスタート。サラには、虎ってどの方角を示したかな?とグッグてみると、「東北東」だと知る。北門鎮護の社なのだから、この楼門も重要な結界。虎に見張ってもらうのが適切。などと余計なことを考察してしまう。

この楼門は、嘗て山門の役割を担っていた。その当時は仁王さんがいた場所に、今は随神さんが着席。妙にリアルなその御尊顔に、視界がよろしくない時にはドキッとしそうと、と想像した。

しっかりと見ておるぞよ、と言いたげな

重要文化財とされる楼門の側面に回って見上げれば、仏教寺院建築の特徴を顕しながら、装飾面と積雪の重みに耐える堅牢面で大変に優れていると、見て取れる。

軒下の複雑で精緻な構造
潜って振り返ると、光が降って

此処を通ると、右手には霊水の禊場があると境内図にあるので、向かう。

大きな絵馬の掲示を観ながら奥へ

豊かに流れる霊水は、岩木山から300年ほどを経て此処に届く湧水。長いひしゃくを使って、人の仔たちはそれぞれ禊ぐ。

湧水の詳しい内容や動画での紹介が楽しい記事を見つけた。↓

清めを終えて、拝殿へ進む。拝殿前の中門は、奥日光と呼ばれる煌びやかな装飾が有名だが、雪除けの覆いで少し見えづらくなっていた。

ちらりと見える鮮やかな装飾
中門には北門鎮護と

中門の下で見上げると、天井には龍の板絵がある。退色しているけれど、二パターンあるようだ。

此方の修復をお願いしたい

拝殿前に立つと、朱色に映える若草色の万年青の緑飾り。その爽やかな空間に光が走った。龍の目も出て、有難い合図。建築様式は、密教寺院の雰囲気満点である。

九州の英彦山と似ている
拝殿のしめ縄は三つの俵と井型の止め飾りが特徴的

ご挨拶の参拝を終えて、後方へ進むと、思った以上にボリューミーな残雪に囲まれた本殿。素晴らしい龍の装飾が見られずなのは、少し残念だけれど、雪の少ない所から来た者には、残雪や雪囲いも滅多と見られないものと受け取る。

此処も覆いがあった

更に山手には、龍蛇神様が祀られている白雲社があると、向かう。清らかな湧水池に浮かんだ社は、水音と鳥の声に包まれた聖なる水の祀り場。三本の高木に護られて、エネルギーが真っ直ぐ天に伸びているようだった。

とにかく心地よい空間

此方でのご挨拶を以て、参拝は無事完了。御神気をたっぷりと浴びて、気分も足取りも軽く、集合バスへと向かう。鳥居まで戻り、最後に振り返った。くっきりとした山頂を改めて拝ませていただき、十二分な達成感とともに退出した。

ありがとうございました。

力不足で表現しきれていない岩木山神社参拝について、深い歴史などにも詳しい、ハッシーさんの神社参拝ブログをご紹介したい。↓

この後、わたくしたち一行は桜花が見られる場所として最寄りの展望台に立ち寄ったのだが、桜はやはりまだ固い蕾。けれども其所には美人な岩木山が待ってくださっていた。「あの頂の奥宮を此所での遥拝で締めくくれるとは、僥倖な。」とまたもや思わぬ幸せな締めくくりに、神恩感謝である。

津軽富士の白根は優美に

最後までお読みくださり、ありがとうございます。神人和楽。


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