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第121回名大カフェ☕「皆既日蝕の記録から見える太陽と地球の変動」

2025年10月10日(金)第121回名大カフェ「皆既日蝕の記録から見える太陽と地球の変動」を開催しました🧐。今回は特別回!松坂屋名古屋店 本館8階 屋上遊園にて30名の参加者の皆様にて開催致しました。

陽が落ちた屋上遊園でイベント開催です。 2025年3月リニューアル後夜の屋上遊園で催されるのは、実はこれが初めてのこと。 「松坂屋」の真紅の文字がひときわ鮮やかに輝きを放ちます。

今回のゲストは名古屋大学 宇宙地球環境研究所・高等研究院 助教 T-GExフェロー の早川 尚志はやかわ ひさしさんです☀️🛰️🌙。

T-GEx(Tokai Pathways to Global Excellence)とは、東海国立大学機構が進める『世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業』で、若手研究者を世界トップクラスのPIへ育てるプログラムです。

ゲストの名古屋大学 宇宙地球環境研究所・高等研究院 助教 T-GExフェロー の早川 尚志はやかわ ひさしさん
早川さんは文学研究科の博士課程で学位を取得しながら、自然科学系でも研究を進め、なんと理学研究科でも論文博士で学位を取得されたんだとか…一つの学位を取得するだけでも大変なのに、2つも!?という驚きの声が会場でも上がりました。

皆既日蝕かいきにっしょく、とは?

「皆既日蝕とは、新月の時にうまいこと月が太陽と地球の間に位置し、太陽を地球上の一部地点の観測者から完全に隠す現象です」と早川さん。月に隠れた太陽は一時的に「黒い円盤」のようになり、その周囲に美しい太陽の「コロナ」が見えることもあるんだとか。今回のチラシにもそのイメージ画像を入れましたが、このモヤモヤっとした白い筋状の物がコロナです⇩。

今回のイベントのチラシにも載せましたが、皆既日蝕のイメージ図です。太陽の周りをモヤモヤと囲み、そして白い筋のように放射状に延びているものが「コロナ」です。コロナとは、太陽の表面から2,000kmほど上空にある大気層のことで、100万℃以上もある高温のガスです。

(早川さん)皆既日蝕、見たことある人、いますか??

その呼びかけに、数名の方の手が挙がりました。

(早川さん)おお~すごい!いいですね!でも、気を付けないと、「日蝕病」にかかっちゃいますから、気を付けてくださいね。

ん?日蝕病?
どうやら日蝕を一度見てしまうと、その美しさと素晴らしさに、また見たくなって居ても立ってもいられなくなる、そんな症状になるんだとか😮。
早川さんも、どうやらその病に罹った1人、のようです🤭。肉眼で見るコロナの美しさは本当に素晴らしいようです。

名大カフェ恒例本日のコーヒー、今回もR ART OF COFFEEさんのコーヒーです。
本日はホンジャラス、モゴラ農園のジャバという品種のコーヒー。
チョコレートのような甘さが感じられ、秋の夜にほっこり美味しいコーヒーでした。
今回は名大カフのコーヒーを参加者のみなさまへ、少しだけお裾分け…試飲いただきました。

➤皆既日蝕から何が分かる?

皆既日蝕は幻想的であることはもちろんのこと、実は科学的に面白いことが分かるんだそうです。

一体何が分かるのでしょうか…?

徐々にお話が白熱していく早川さん。早川さんのお話のスピードが上がるとともに、参加者の気持ちも上がっていくのが分かりました。皆さん、集中力がスゴイ…

その1。太陽の磁場構造の変化

太陽は、一定の周期で活動が強まったり、弱まったりをくり返しています。そのときどきの太陽の活動の様子は、実は皆既日食のときに見える「コロナ」の形からも分かるんだとか。コロナは、太陽活動が活発な時には四方八方に伸び広がり、活動が弱い時には翼のような形になります、と早川さんが教えてくれました。太陽の磁場構造とは?詳しくはコチラ⇩

太陽の研究をする際、しばしば人工衛星のデータが用いられますが、初めて人工衛星が上がったのは1957年のことで、まだ70年も経っていません。太陽のことをを知るには非常に短い…。そこで、早川さんは古い資料を読み解き、昔々の太陽のことから理解しよう!そう考えて、古い文献を読むようになったんだそうです。一方、古い資料を見せて貰うことは相当な苦労があるんだとか…その大変さに参加者一同、ため息が出るほど。

その2。地球の自転速度の変化

「地球って24時間で1回転するんじゃないの?と思っていられる方もいるのではないでしょうか! 実際には地球の自転速度は徐々に変わっています。」
そう嬉しそうにお話する早川さん。
地球の自転速度って、一定じゃなかったんですね…知らなかった…😮。

極の氷の量が変わる、海水面の上昇などで地球の自転速度って変わるんだそうです。それを皆既日蝕で読み解けるんです、と早川さん。

皆既日蝕の正確な観測地、時間、見え方を伝える記録があれば、過去のある時点での地球の自転速度を求めることができるんだとか。とはいえ、過去のデータはとても少なく、不明な点が多いことから、未だに地球の自転速度は誤差がとても大きくバラツキも多いんだそうです。詳しくはコチラ⇩

➤参加者の声と早川さんからの回答

「歴史的資料と科学的解析の両方から日蝕や太陽活動、地球の自転について調べる研究方法がとても興味深かったです。」
「大変な苦労をされて過去の文献から読み解いているのですね。」
と参加された方から感動のコメントもありました。また、
「先生の情熱が感じられるような喋りで、オンラインではなかなか知り得ない話も聞けて非常に面白かった。」
という声も。
とっておきのデータやお話をとてもおもしろくお話くださり、多くの参加者からとても興味深く、おもしろい内容だったとコメントをいただきました🤗。

今回は特別に対面のイベント。ご参加いただいたみなさま、たくさんのコメントやご質問、本当にありがとうございました。アンケートにいただきました質問やコメントについて、以下、早川さんからの回答です。


Q. 皆既日蝕に関係する文献を世界中からどうやって見つけることが出来るの?

A. 特定の皆既日食の見える場所(皆既帯)は地球の自転速度を仮定するとおおよそ計算できます。問題の日食に近い年代でその周辺に住んでいる人やその周辺の事柄を扱う日記、年代記、科学文献を探ることが多いでしょうか。既存の天文イベントカタログを参照してそこから原典に遡ることもあります。それとは別に興味を持った文化圏(例:アイヌ、ビザンツ帝国)について重点的にキーワード検索することもあります。

Q. 日本初の日蝕、1887年とのことですが、もっと昔はなかったのですか?

A. 科学者がキャンペーンとして行った皆既日食の観測は日本初とのことです。日本初の日食の記録は628年の飛鳥からのものです。

Q. 先生は何をキッカケに、日蝕の記録を追うようになったのですか?

A. 2012年に名古屋の科学館裏で見た金環日食の印象が強かったからでしょうか。


➤最後に…

今回の早川さんのお話で、皆既日蝕の最新研究を知ることができたのではないでしょうか?

(早川さん)「今後も皆既日食は太陽コロナ他の理解に欠かせない貴重な「実験室」であり続けるでしょう。」
太陽のことを知るには、皆既日食が欠かせない手がかりなのです。実は、まだまだ分かっていないことが多いのだとか。昔の記録から現代科学の最先端を学べることもあるそうです。

楽しそうに質疑応答をする早川さん。

早川さんの研究で今後はどんな太陽の姿が明らかになるのか…今後の研究が楽しみですね。

因みに。次回の皆既日蝕が日本で見られるのは2035年9月2日!長野から筑波あたりで見られそうなんだとか…でも、待ちきれない方は来年2026年8月にスペインへGO!!

引き続き名大カフェをますます良いイベントにするべくがんばります。みなさま、今後ともどうぞよろしくお願いします😊。

報告:坪井知恵(名古屋大学URA)


➤関連リンク

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