観劇メモ 横浜ボートシアター「新版小栗判官・照手姫」
28日、座・高円寺で横浜ボートシアター「新版小栗判官・照手姫」鑑賞。舞台装置や衣装など、視覚的にはとことん削ぎ落とされているのに、情報量がとても多かった。屋内劇でありながら、大地を介したつながりが感じられる舞台だった。
仮面と領巾や襷のような細長い布だけで人物を示す手法で一人何役も演じ分けているのがすごい。舞台上には、岩のハリボテと楽器、それにいくつも並べられた面。合間に挿入されるコーラスとともに、能の表現を意識しているのが感じられる。
床は一面濃い青で、周りを囲む陣幕も青く、この舞台装置だけで、大蛇の巣くう池、照手姫が流される海、地獄、熊野の温泉などを表現しており、この説経節の重要な場面が全て「水辺」で展開されていることを見抜いているようだった。
打楽器メインの演奏、床を踏み鳴らしながら客席の間を歩き回る役者、大音声の発生やコーラスは単なるパフォーマンスではなく、この芝居を単に「見せる」「聞かせる」もので終わらせず、観客に「響かせる」ための工夫なのではと思った。これが、観客に役者や芝居そのものとの、大地を介した一体感を生み出している。
もともとの活動拠点だったという木製の「ボート」の中で演じられたらさぞ効果的な演出だろう。
近藤ようこさんとのアフタートークも良かった。これを聴きたかったがために有休を取ってこの日を選んだ。
予習はもちろん、今回の公演を知るずっと前から何度も読んだ、近藤ようこさんの『小栗判官』。
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