奈良で蕎麦を味わいたいなら 【玄(げん)】 ー【食べなぐ】ならまち蕎麦遊膳編 ー
本日は、蕎麦尽くし
とことん、蕎麦を味わいたい方、集合!
奈良の名店、「玄(げん)」を訪れます。
蕎麦豆腐から、緑の蕎麦がき、水蕎麦まで、ずらっと垂涎料理が登場します。お腹が空いている方は、見ちゃだめよ。
それでは、はじまりはじまり~
◇◇
「この道かなぁ」
「あった!」
「ならまち」は、江戸時代の町屋が残る地域。そして、道が狭くわかりづらい。その、細いクランクを歩いた突き当りに「玄」はあった。昔ながらの道が、まっすぐ門につづく。
期待に胸を躍らせながら、門をくぐる。

▼ 2組
夜は、お任せコース「蕎麦游膳」のみ。
毎夜2組のみに許される饗宴の席だ。
玄関の引き戸を開けると、柔和な笑顔のご主人と、奥様が和装でお出迎え。部屋に案内される。
で、本日のお酒

って、いきなり酒なのかーい。
はい、吞兵衛の、オイラにとっては重要なのだ。
料理に合わせて、ペアリングされています。
右から順に出てきます。
春鹿、多いですね。
その理由は、あ・と・で
▼ 蕎麦豆腐
まずは、食前酒として「春鹿」をいただく。
「今西清兵衛商店」謹製の銘酒だ。
やさしい甘さが広がる、食前酒にふさわしい銘柄。
そうこうしているうちに、一品目の登場です。

蕎麦豆腐の原材料は、
「水」「そば粉」「葛粉」
以上
え?
コネコネしただけで、この透き通ったプリン様の物体になるの?
不思議。
箸を入れる。
スッ、プチっと切れる固さ。粘りはない。そば粉は、更科(蕎麦殻をとって挽いたもの)。香りは抑えめで、上品な味わい。
山頂のウニ、こちらも甘味を感じる極上品。
▼ 蕎麦がき
室内が暖色系の灯りだったので、分かりづらいかもしれませんが、綺麗な薄緑の蕎麦がきでした。
みどり?

マイナス6度で保管してある蕎麦の実は、春になっても緑色を保っているとのこと。直前に殻を外して挽くから蕎麦がきも緑なんだって、
こちらの原材料は、水とそば粉。
あっつあつ、もっちもちで、びよーんびよん。
ほぼ同じ原材料なのに、豆腐と見た目が全く異なる。
不思議。
まずは、何もつけずに味わう。
噛むほどに甘味が口の中に広がる。次にピンク塩、さらに甘味が増す。最後にわさび醤油。想像通りのうまさ。
なにもつけない方が、より深くそばを味わえた。
引き算の美学ですね。
あわせるお酒は、「正雪(純米吟醸)」
静岡のお酒で、バナナ香とお米を感じる。蕎麦がきに、あうあう。
▼ 蕎麦スープ
じわりと胃にあたたかみが降りてくるスープ。
出汁のうまさと相まって、心が和む。

ところで、この辺りは「ならまち」と呼ばれる地域ですが、地層のように歴史を重ねてきた場所です。
奈良時代は、日本最古の寺のひとつ元興寺の境内であった。複雑な路地は、伽藍の名残とも言われている。
その後、元興寺が衰退し、藤原氏の加護の元、興福寺が隆盛となる。
興福寺時代は、寺の僧侶に食料や物資を供給する町として機能した。そして、これらの地域は、平安京遷都後は南都と呼ばれる。なんと!
食事に戻ります。
次は、ついに蕎麦。
▼ 水蕎麦と田舎蕎麦
なんと!
蕎麦用に箸が代わった。
極細の蕎麦に合わせて、先のとがった箸なのだ。
目の前に用意されたのは、
水と塩と梅、そしてお酒は、三千盛

「まずは、そのまま味わってください。」
「つぎに、お水をつけて味わってみてください。」
と、ご主人
へ? みず?
「塩と梅は、その後、ご自由に、良い塩梅でどうぞ」

まずは、なにもつけず楽しむ。
シャキシャキする食感、ほのかな香り、10回ほど噛みしめると甘味がじんわり口の中に広がってくる。
つづいて「水」
柔らかな軟水とのこと、
!!
疑ってごめんなさい。
水をつけただけで、これほど劇的に味が変わるとは・・・
圧倒的な喉越し、同時に鼻に抜ける香りが増す。水だけで・・、カルチャーショックでした。
そして、辛口の「三千盛」は、更科蕎麦にあうあう。

田舎蕎麦(殻ごと挽いたもの)は、抜群に香る。こちらは、そばつゆに大根おろし。そして、日本酒は「春鹿」。
蕎麦ごとに、合わせる日本酒を変えてくるとは・・・こちらのセンスにも脱帽です。食前酒の甘口春鹿とは別物、キリっとした春鹿。守備範囲が広い蔵元ですなぁ・・
▼ 今西清兵衛商店
実は、この店。蔵元である「今西清兵衛商店」の一角(別邸)にあります。
今西さんが、玄の大将に惚れ込み、場所を提供したとのこと。そう、だから春鹿が多いのだ。(昼酒は、春鹿オンリー。夜は、たっくさんある銘柄の中から、好みに応じてペアリングしていただけます。)
調度品も一級品、先ほど蕎麦の横に見えた酒器は、ラリック。
なんと!
ラリックで日本酒・・・初めての経験。
興奮しているので、本日は少し長めの記事です。
もう少々お付き合いください。
▼ 蕎麦の実入り鰻の蓮蒸し
鰻の下に敷かれるのは、蕎麦の実入り蓮根団子。

甘辛い鰻に、ほろ苦いタラの芽がアクセント。
あわせる「雪の茅舎」は、呑みなれた純米吟醸の味わい。
つづいては、コチラ
突然ですが、クイズです!
どこに蕎麦が隠れているのでしょうか?

正解は、
▼ 鯛の蕎麦甘皮粉焼き
蕎麦も栗のように、固い殻と実の間に、甘皮がある。その甘皮をパン粉のようにして焼いた鯛。
しゃりしゃりの食感に、ふわっふわでしっかりした鯛の身。よーく噛んで味わい、春鹿の濁りと一緒に胃に流し込む。
実は、奈良は酒どころ。
興福寺の門前町として、栄えた「ならまち」。
酒の需要も多かったのだ。
かつては、南都諸白と呼ばれた、銘醸地だったんだ。その文化を受け継いでいるのが、江戸時代創業の「今西清兵衛商店」。いま我々はその場所で、日本酒を蕎麦を、そして歴史を嗜むことができている。
なんとも言えない、層の厚さですよね。
南都だけに・・(くどい)

雑炊で締めたあとは。
▼ 蕎麦雫 他
デザートも甘いが、ピントも甘い・・・酔ったかなぁ・・
蕎麦雫は、予定調和のうまさ。
左奥のチョコにも、クランチ代わりに蕎麦。

何もかもが、一級品。
歴史を感じながら、至極を味わえる店。
玄(げん)
美味しゅうごさいました。
(つづく…)
ー 次回予告 ー
興福寺と言えば?
一心同体の春日大社も忘れちゃあいけません。
早起きは三文の徳。
限定の朝会に潜入です。
次回もおったのしみにー!

※ 諸事情の為、コメント欄閉じてます。
皆様のところには、引き続き訪問、コメントに伺います!
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