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【エッセイ】私がBLを読む理由

私は恋愛モノに以下のものを求めている。

人がなぜ誰かを好きになってしまったのか。

好きになったあと、どうやってその感情を抱えて生きていくのか。

好きだけど選べない時、人は何を諦め、何を守るのか。

だから私は、恋愛の「答え」よりも、その手前をずっと見ていたい。

男女の恋愛モノや、女同士の恋愛モノを読むと、どうしても自分の記憶が混ざる。

告白直前の空気。視線。
言えなかったこと。
傷つけたこと。傷ついたこと。

物語を読んでいるつもりが、いつの間にか自分の過去を読み返している。
それが悪いわけではない。
ただ、少し疲れる。

だから私はBLを読む。
男同士なら何でもいいわけじゃない。
男同士だから興奮するわけでもない。

私はただ、自分から少し離れた場所で、人が人を好きになってしまう瞬間を見ていたいのだ。

恋愛が成立するかどうか。
身体を重ねるかどうか。
そんなことは、実はどうでもいい。

私が見たいのは、
「好きだけど無理」
「理解しているけど報われない」
「嫌いじゃない。でも選べない」

そういう、どうしようもなく曖昧な場所だ。

私は昔から、「愛してる」より、「ナシじゃない」という言葉に弱い。
逃げ道の残った言葉だ。
でも、人間ってそういうものじゃないかと思う。

好きだけど怖い。
嫌いじゃないけど責任は取れない。
相手を大事に思うほど、簡単には選べない。

恋愛は、決断よりも逡巡の方が長い。
私はその時間が好きだ。
だからBLを読む。

自分を少し忘れて、他人が他人を好きになってしまった、そのどうしようもない瞬間を、安心して見つめるための場所なのだ。

……と思いながら、10DANCEを見逃し続けている。

家族の寝静まったタイミングを計るのは難しい。
恋愛が完成したあとは生活が待っている。
私はその前の時間が好きなのである。

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