愛すべき不器用な本屋カフェ
昔からカフェが好きだ。
紅茶も好きだし、本も好きだ。
だから勉強するときも、つい「いい場所ないかな」と探してしまう。
そんな中で見つけたのが、本屋さんの中にある小さなカフェだった。
本屋さん自体は昔から好きなお店で、本の数も多いし、文房具コーナーも充実している。
カフェ利用者はほとんどいない。エリア内に店員さんもいない。入口にあるブザーで呼ぶスタイルだ。
静か。
本の匂いもする。
これは当たりかもしれない。
私はそう思った。
そして紅茶を頼んだ。
ところが、その紅茶がびっくりするくらい美味しくなかった。
美味しくないというより、お湯の味がした。
しかも、ただのお湯ではない。
ちょっと元気のないお水を温めたような味だった。
私は静かに思った。
「なんだこれは」
でも提供してもらう前、店員さんがケトルをガチャガチャしながら一生懸命お湯を沸かしていた。
一生懸命なのだ。
せっかくだからケーキも頼んだ。
メニューには大きく
「ドリンクとセットで150円引き!」
と書いてある。
ところが店員さんは電卓を取り出し、一生懸命計算してくれた結果、どう考えても150円引きされていない金額を伝えてくれた。
でもその姿があまりにも一生懸命だったので、
「まあいいか」
と思ってしまった。
そして出てきたチーズケーキ。
実は私は少し期待していた。
紅茶は美味しくなくても、ケーキは美味しいかもしれない。
ところが、その期待は見事に裏切られた。
一口食べて思った。
「ああ、冷凍だ」
冷凍ケーキを否定したいわけではない。
ただ、このケーキは冷凍であることを隠そうとしていなかった。
むしろ堂々としていた。
そう、びっくりするくらい美味しくないのだ。
そして私は思った。
「もしかして、さっき30分くらいかかっていたのは解凍だったのかもしれない」
一瞬、本気で近くに買いに行ったのかと思った。
くらい、待ってみた。
チーズケーキの横には、大量の冷凍ブルーベリー。
私はブルーベリー自体があまり得意ではない。
ひと口食べて思った。
「なんだこれは(本日二回目)」
ちょっと息をとめながらブルーベリー飲み込むスタイル。
途中から店員さんがやってきて、カフェスペースのエアコンをつけてくれた。
あまり利用者がいないのだろう。がさごそスイッチを入れてくれた。
(うん、なんか、がさごそやってるなぁとは思ってたよ。)
「エアコンつけたので、寒かったら言ってくださいね」
と笑顔で言われた。
(あっ、あー今の温度ちょうどよかったなぁ。あれっ。)
実は私は、エアコンがつく前の温度がちょうど良かった。
でも一生懸命つけてくれたので言わなかった。
結果、私はレッグウォーマーと膝掛けで耐えることにした。
こうして振り返ると、
紅茶は負けた。
ケーキも負けた。
ブルーベリーは惨敗だった。
割引も消えた。
エアコンも少し負けた。
なのに。
不思議と私はまた行きたいと思っている。
店員さんは感じが良かった。一生懸命だった。
空間は静かだった。
本屋さんの雰囲気も好きだった。
帰る時には、店員さんがいなかったので、小さなメモに「ごちそうさまでした」と書いてお皿の横に置いて帰った。
そして今、私は次の挑戦を考えている。
オートミールクッキーである。
袋に入ったオートミールクッキーが販売されており、カフェスペースで飲食可である。
君だけは救世主でいてくれ。
頼む。
もし君まで倒れたら、この店の飲食部門は壊滅する。
次回、
『救世主OCマン(オーミールクッキーマン)現る』
なのか、
それとも
『OCマン、初登場3秒で敗北』
なのか。
