極東三号ほなみちゃん その三十二
「先生、遠慮しないで食べてください。残ってもカラスの餌にしかならないので」
「おう。食べるぜ」
私は茶碗の白米に焼けた牛ロース肉を乗せて、箸で掻きこんだ。行儀はあまり良くないが、男が二人の食事ってこんな感じなのだ。
男同士の食事が終わって、私は風呂場でシャワーを浴びて、私に宛てがわれた南向きの六畳一間の畳敷きの寝室で、少し薄っぺらな木綿布団にくるまって深い眠りに就いた。酒のせいもあって意識が闇の中に落ちるのもあっという間だった。
外は虫の声が聞こえるくらいで、割と静かだった。周りは何もない闇で、私はその中で夢を見ることもなく、深く眠っていた。
